~あなたの知らない中国が見えてくる~今ドキ広東人の流行事★「淘宝体」の「親」
中国のネット通販サイト「淘宝網」。ネット通販は、いまや中国でも生活に欠かせないツールとなっている。参入者が増えてきたため、ネット通販市場も競争が激しくなってきており、売り手もサービスを重視するようになっている。淘宝では売り手と買い手はチャットでやりとりする。その流れの中で「淘宝体」と呼ばれる独特な用語が生まれている。
淘宝体の代表が、「親」(亲)という言葉だ。「親」は様々な意味を含む漢字だ。辞書を見るとたくさんの項目が列挙されている。親しい、親密、親(おや)、実の~、親しむ、口づけする、自ら……。さて、淘宝体ではどのように意味で使われているのか?どうやら「親愛的」(親愛なる、Dear)の略として、売り手側が客のご機嫌を取るために使い始めたようだ。この感覚、日本人にはよくわからないが、中国では以前からサービス業の店員さんがお客さんに対して“老板(”社長さん)と呼びかけてご機嫌を取るのは普通の事だったことを考えればなんとなく分かる。親しみと敬意を込めた呼びかけなのだろう。
「親」の発音はqinで、この響きが、親しみや可愛らしさ、面白さを感じさせるとあって、この淘宝体はネット界で使われるようになりヒットした。特に若者の間では、同じカテゴリーに属するメンバーに対して「親」を多用している。「親」に関係した他の言葉としては、「親們」(「你們」つまり「君たち」の意味だが親しみのある「友達」に近い)や、同じマンションに住む仲の良い人を指して「楼親」などが使われている。