広東 粤東潮汕地区

2022/04/06

広東といえば、広州、深圳、仏山、東莞、珠海などのにぎやかな都市。
これらの地方は「珠三角」と呼ばれ、広東省は珠三角のほか、粤東=広東省東、粤西=広東省西、粤北=広東省北と大きく3つに区分されている。
今回は粤東潮汕地区(汕頭、潮州、汕尾)における文化を紹介する。

スクリーンショット (871)潮汕地区は6,000年の歴史があるとされ、中国の有名な歴史文化名城。言語は潮汕語、中国古来より使用される公式言語の一つである。潮汕語は古中国語、マレー語、英語が混合し、中国の九大語系と称され、「古中国語の生きた化石」と呼ばれている。人口は1,800万人余りで、総面積は16189.5㎢。広州、深圳なども非常に多くの潮汕人がおり、統計によると、広州・深圳の潮汕人の数は地元の人+北方からの外来人口総数の2.5倍なので、春運のたびに、広州深圳から潮汕までの交通機関は特に忙しくなる。潮汕も有名な華僑郷、香港・マカオ・台湾などと同様に重要な祖籍地の一つであり、統計によると、香港・マカオ・台湾と海外には3,000万人以上の潮汕人がいる。スクリーンショット (876)
また、有名な中国国家級歴史文化名城、アジア玉都、漢方薬名城、紡績、金属、ステンレス、日用陶磁器産業基地でもある。
中国人がイメージする潮汕人とは「商売が上手」、故に「東方ユダヤ人」と呼ばれている。潮汕地区が海上シルクロード上の都市として知られたのは西漢中期から東漢であり、海外諸国との通商は610年から。宋代には外国商が潮汕に来て商売を行うため往来した文献がある。そこから潮汕人の生まれつきの長所として商売上手と言われるようになった。

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潮汕料理系は広東三大料理系の一つとしても有名で、2004年に潮料理は第5回全国料理技術試合団体金賞を受賞し、潮汕料理は3回公式に中国の飲食文化の唯一の代表として万博に参加することとなった。潮汕地区は海に近いことから海産物を主とし、現地の人たちはほとんどの毎日海産物を食している。その他牛肉が多く、潮汕牛肉火鍋、牛肉団子はとても有名。広州、深圳の牛肉火鍋店の大半は潮汕風味。またお茶を飲むことも好んでおり、どの家もほとんど毎日お茶が出される。「潮州工夫茶芸」は潮汕特有の伝統的なお茶の習慣で、潮汕茶道は、「潮汕人は風雅を学び、振舞いが優れている」と言われる象徴で、「潮州工夫茶」は中国国家級の無形遺産に登録された。

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スクリーンショット (883)潮汕人の宗教は仏教、道教を織り交ぜて信仰している。現在まで、本土の民間信仰は、三山国王と妈祖が最も代表的。特殊な祝日(労働節、国慶節、春節、清明節、中秋節など)ともなれば、盛大な祭祀儀式を行うことが多い。これは古くから多くの人が海に出て商売や漁をすることと関係があり、神様が海に出て仕事をしている人の無事を守ってくれるよう願掛けをするからである。
現在中国では多くの地域の祭祀儀式が徐々に消えている。しかし潮汕地区の伝統文化は完全に残っており、老若男女が祝日の祭祀に参加し、多くの若者は街で「英歌舞」、「蜈蚣舞」などの伝统的な祭祀舞踊を踊っている。スクリーンショット (882)
「英歌舞」は漢族舞踊の形式の一つで、広東潮汕地区(汕頭、揭陽、潮州、汕尾)で流行している。英歌舞の主な演技形式は大型集団舞で、ダンサーは両手でそれぞれ1本の短い木の棒を持ち、上下左右に互いに強いリズムと動作でぶつかり合う。3000年伝わっているこの踊りの起源は百越部族の傩舞で、上古の民衆が神に対する崇拝と信仰を体現している。この踊りは歴史の変遷を経て、演劇、舞踊、武術などのエッセンスを融合させ、長きに渡り潮汕地区の人に愛されている。英歌舞は主に水滸伝の梁山泊好漢の英雄物語を基調として表現されるため、一般的には最大108人。地方によって異なり、出演者は主に20から40歳前後の青壮年を主としている地元の住民で構成される。英歌舞は公演時間が長いため、青年だけで行うのはいささか難しく、現在では未婚の女性たちで構成された英歌舞隊や、子供たち、老人のみのグループの英歌隊も相次いで設立された。スクリーンショット (873)
それ以外にも潮汕は有名な観光地で、名茶の郷、美食の郷、柑橘皇后の郷、蕉柑の郷、青梅の郷、ブドウの郷、竹の子の郷、ライチの郷、潮州料理の郷などと呼ばれ、観光名所が揃っている。東方面へ遠出する機会があれば足を運んでみよう。
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