「システム化の行きつく未来」兆星電脳有限公司(広東省佛山市)

2013/12/30

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【IT時代の到来‒システム化の行きつく未来】

8日頃ITサービスの仕事で広東省を走り回っている身です。今回はITソリューションの話ではなく、つい最近どこかで読んだ景気と雇用に関する記事の内容が頭から離れなかったのでそちらを紹介します。景気の良し悪しは国によって様々ですが、回復基調の国でもなぜか雇用状況は経済に比べて改善していないそうです。この一因は各種業務のシステム化が進んだことにより、ホワイトカラー、つまり事務職の仕事が以前と比べ急速に減っているという内容の記事でした。

メーカーの生産ラインに最先端の機械設備を入れるのは、生産効率を高め一定品質を確保することで利益を最大化させることが目的だと思いますが、事務作業のシステム化も結局は同じです。より少ない人員でより多くの仕事をこなすことが求められ、システム化を進めることで低コスト化、結局は利益の最大化に結び付くのです。単純作業であれば人間の能力より遥かにスピーディでかつ一切間違えの発生しない仕組みとしてコンピュータが人間と置き換わるのは当然のこと。先進国の一部の国ではシステム化の徹底によって伝票整理やスケジュール管理といった仕事が激減したといわれています。以前はシステム化で単純労働者の職がなくなるといわれていましたが、この影響は完全にホワイトカラー層に移っているのです。システムの高知能化はさらに進んでおり、人にしかできないと思われていた分野の仕事も今後は次々とシステム化していく傾向にあります。一例を挙げればクルマ・船・飛行機等の物流手段の自動化。10年後くらいにはトラックは自動運転、船や航空便も自動操縦という時代が到来する可能性はとても高い。そうなるとこの業務に携わっている人の職がコンピュータに置き換わってしまい、システム化が物流を完全に変えてしまう可能性もあるのです。弁護士やアナリストの仕事も同様。データベースの高度な運用を簡単に行えるようになれば、世界中の最新情報を誰もがコンピュータ上で簡単に得られるようになります。つまり専門家がいなくても専門知識を誰もが活かせる時代が来るわけです。

現に何等かの調べ事がある際、専門家にわざわざ聞かずともインターネットで簡単に検索できてしまうとが多い世の中です。今後さらにこの傾向が進化するのは予測できますね。医療分野だってロボット化は進むでしょうし、教育の場でさえも1人の有名教授の授業を全世界の何十万人の学生がネットを通じて一度に聴講するようになるかもしれません。そしてオンラインで宿題が出され、それを専用のシステムが添削して各学生に返答する。このような時代が来てもおかしくありません。その上大学として単位まで認定してしまうところが出てきたらもう完全にITによる教育自由化が実現してしまいます。それくらいシステム化には潜在力があるということですね。

世界中でシステム化が進めばIT関連の仕事は安泰だと思いがちですが、これら業務でさえ大部分がコンピュータに置き換わる可能性は充分あるので、ITサービスを生業としている僕自身も恐ろしく感じてしまいます。冒頭の記事の内容はあながち単なる推測ではなく、実際に起こりうる将来の姿なのではと思うこの頃です。IT化の波は少しずつではありますが確実に押し寄せてきます。

赤座 卓也(あかざ たくや)

兆星電脳有限公司
TERASTARS Computer Ltd.
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