教えて!総経理!第3回【日通NECロジスティクス(香港)森川氏】
NECとNXグループのノウハウを併せ持つ
電子部品のトップ物流企業
日通NECロジスティクス(香港)
総経理 森川 香織氏
日通NECロジスティクス株式会社の香港現地法人として1997年に設立、九龍湾にオフィスを、そして荃湾に総面積3万㎡の自社倉庫(全棟借り)を構える。NECが持つ物流ノウハウとNXグループの物流インフラを併せ持つ半導体や電機精密部品に特化したプロ集団だ。今回は、業界内では数少ない女性総経理の森川 香織氏(以下、森川氏)にお話を伺った。
Q.貴社の業務内容を教えてください。
輸出入手続き代行、陸・海・空の貨物輸送、倉庫運営などが主な業務です。
現在は日本からの駐在員が4名、倉庫のスタッフを含めると200名超の大所帯です。そういった中でも弊社のこだわりは、社員構成を正社員100%としている点。精密機器や半導体電子部品といった繊細なものを取り扱うため、いわば電子部品の専門家である必要があります。その為、業務・製品両方の知識を養う社内トレーニングを徹底する必要があり、ただ単に貨物を輸送するだけでない、お客様に付加価値をご実感いただけるオペレーションを実現しています。
Q.荃湾にある貴社倉庫の特徴は何ですか?
半導体商社をはじめ、電子部品、時計、電子機器メーカーなど日系企業45社以上の製品を保管・管理しています。倉庫は空調機等により取扱製品に最適な温湿度管理を行っており、床はダスト対策として防塵塗装が施されています。全10フロアからなる各フロア天井の高さは8mと倉庫にしては低いですが、当社の取り扱い製品が電子精密部品であり細かなピッキングと大量の入出荷トランザクションが必要である事から、より作業効率を重視したレイアウトとなっています。
また、物流ハブとしての立地から、この倉庫より全世界に製品を輸送するゲートウェイとしての役割があり、強固な梱包を行う必要があります。そのため経験を積んだスタッフが、オペレーションフローに従って的確に梱包作業に当たっています。
私どもが得意とするのは、お客さまに代わり最適な物流を行うこと。例えば、インボイス作成など書類作成代行のほか、製品を開梱し、仕向地用のラベル貼付、検査、組み立て、ソフトウェアへの書き込み作業などが挙げられます。時計メーカーのケースならば、出荷前に倉庫内の施設にてソーラー腕時計の充電といった作業にも対応し、配送を行っています。また、一部稼働し始めたサービスとして、お客様の電子部品を弊社で分析・解析しいち早く不具合を見つけ、修理のために輸送を繰り返す手間と時間の節約を図っています。
Q.環境要因に弱い電子精密部品に対する特別な対策をしているそうですね?
はい。私どもの扱う半導体などの電子部品は静電気による損傷を受けやすい特徴があります。倉庫内の静電気放電(ESD)管理エリアでは、専門スタッフが静電気対策を行った上で、半導体の小分けもしくはアルミバック破損の場合はアルミバック交換を行っています。その手順は真空梱包を破り、移載、ICトレイからの小分け、選別などを行い、新しい乾燥用シリカゲルと湿度インジケーターを入れて、再度真空梱包をします。お客様の商品品質を落とさず管理することが私たちの使命ですね。
Q.貴社の今後の展望を教えてください。
駐在員の竹内と倉庫長のピーターがタッグを組んで現場をまとめていますが、香港人スタッフはしっかりとトレーニングをし、方針を伝えると応えてくれる優秀な人材です。またお客様のサプライチェーンを止めないことを使命としているので、コロナ禍ではスタッフ同士の接触を少なくする等、スタッフの自発的な提案によりBCP対策をとりました。スタッフを1/3と2/3のグループに分ける同対策はスタッフが自発的に提案してくれたものです。今後も現場のスタッフの声が通る風通しのいい職場環境を目指していきたいですね。また更なる差別化として倉庫の自動化やDX化による業務効率化などNECのDNAを持つ当社ならではのサービスモデルを検討していきたいと思います。
日通日電物流香港有限公司(NECL)
1994年に香港で業務を開始し、97年に現地法人化された。NECの物流子会社で培った物流サービス(ソフト)に、日本通運の物流インフラ(ハード)が加わり、現在では8ヶ国に21拠点のグローバル体制を敷いている。
董事総経理 竹下 敦
オフィス
Suite 2002, Exchange Tower, 33 Wang Chiu Rd., Kowloon Bay
(852)2723-1569
倉庫
G/F., 100 Texaco, Tsuen Wan, New Territories
(852)3447-3800
www.nipponexpress-necl.com.hk
教えて!総経理!第4回目
OWNDAYS株式会社 濵地 美紗氏
のインタビュー記事は
こちら