総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:食欲の秋と健康

2020/10/21

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 hori prof いつの間にか蒸し暑い夏が去り、とても心地が良い爽やかな季節を迎えました。今年はなんとなく秋の訪れが早いと感じるのは私だけでしょうか。これからハロウィーンからクリスマスにかけて街は華やかになりますが、あっという間に年末を迎えてしまうことでしょう。新型コロナの影響で、今年は楽しさも半減してしまうのでしょうか。ワクチンさえ完成すれば明るい展望が開けそうです。その開発は世界170もの機関で開発が進められており、すでに最終的な臨床試験を終えようとしているものも出てきています。中にはフライング気味に、小規模ではあるものの一般接種を開始したところもありますが、有効性はもちろん安全性が担保されないままに接種開始されることには不安が残ります。残念ながら特効薬の開発にはかなりの時間を要するので、既存薬、あるいはほかの目的で開発中の薬の中で有効であるものを探し続けているのが現状です。またウイルス検査の技術に関してはとてつもないスピード感をもって改良されており、簡便で早く判定結果が出るようになってきました。誰でも簡単に操作できる迅速診断技術が確立されれば、出入国時の検査件数が劇的に増え、国際的な人的交流を一気に進めることができるのではないかと期待しています。さて、今回は食欲の秋にちなんだ話題です。

 

食欲の秋

 春から夏にかけてはイチゴ、桃、サクランボなど多くの果物が出回ります。さらに季節が進むとブドウやナシなどが店頭に並ぶようになり、まだ残暑が厳しい時期であっても季節が進んでいることを感じさせてくれます。本格的な秋を迎える前にも美味しい収穫はたくさんありますね。晩秋にかけて柿も美味しくなりますね。高価でなかなか口にすることができないマツタケも、栗と並んで店頭に並べられているだけで秋の到来を強く訴えてくれます。四季折々、それぞれの味覚はあるものですが、秋の味覚にはほかの季節のものとは違う特別なものがあります。栗やサツマイモ、そしてなんといっても新米です。これらに共通することはいずれもでんぷん質に富むということ。新米を特別なものとしてこだわる民族は日本人くらいではないでしょうか。神事にも使われる米には伝統的文化の香りもするものです。主食として日本人の大切なエネルギー源とされてきた米は、ヒトの食生活の根幹を支えてきたものでもあります。イモも同じです。サツマイモは子供のおやつの定番でもありました。そんなことを考える前に、美味しいものが出回る秋は、我々の食欲を刺激し、ついつい食べ過ぎてしまうものです。

 ところで、秋になると美味しいものがたくさんあるから、つい食べ過ぎる。だから太りやすくなると思われがちですが、実は秋に太りやすいことは生物学的に説明できることなのです

 

秋になると太る原因

 このところ日が落ちるのがとっても早くなってきましたね。朝もなかなか明るくなってきません。12月の冬至に向けて日照時間がどんどん短くなって、反対に夜が長くなります。この季節に合わせるかの如く脳内の神経伝達物質セロトニンが減少します。このセロトニンには様々な働きがありますが、その作用の中に「食欲増進」があるのです。これは多くの動物に認められるものであり、低温で餌が不足する過酷な環境から身体を守るためにも、餌が豊富な秋にしっかりとエネルギーを蓄えさせるように働くのです。ちょっと極端ではありますが熊を例にとるとわかりやすいと思います。冬眠に備えて体内にエネルギーを貯め込まなくてはならず、彼らは生存をかけてとにかく食べまくります。開発や気候変動で山に餌が不足すると、普段は怖くて出て行くことができない人里にまでも降りてきてしまうのです。熊は冬眠に備えて必死です。冬眠することはない動物であっても日照時間が短くなることで冬の到来を知り、寒さに耐えるため体内にエネルギー源としての脂肪を貯めるのです。ヒトも同じですが、冬でも食糧不足になることがないうえに、住環境も快適になった現代社会に身を置く我々にとって、日照時間が短くなってセロトニンが減少することは、意図しない肥満をもたらす要因の一つになるのです。いくら我々の生活が動物の世界と乖離しようとも、ヒトも野生動物のDNAを持ち続けているので、その性質に共通なものが少なくありません。野生動物にとって生存のための性質が、現代人にとっては、残念ながら健康を害してしまう要因にもになっているのです。

 

ちょっとした肥満対策

 太りやすいといわれる秋が過ぎてもクリスマス、新正月、そして春節と、外食イベント等が続きます。今年は新型コロナで生活パターンが変わっていることから、外食機会が減って、すでに減量できている人も少なくないようです。太ることは摂取カロリーと消費カロリーのバランスが取れていないからですね。食欲に任せて無節操に食べていると確実に太ります。常に摂取カロリーを意識するとともに、体を動かすことが大切です。今の時期、湿度が下がって好天が続くので運動には最適。今運動しなくて一体いつするのでしょうか?ただし、無理な運動は体を壊します。日常生活で歩く機会を増やしましょう。階段を使うこと。そして、週末に少し長距離を歩くのです。決して無理をしてはいけません。何のために運動するのか、なぜ減量が必要であるのかを考えながら。なお、減量の必要がない人にとっても運動は将来のフレイル(身体機能低下)予防のために必要であることは当然です。

 誰にとっても苦しいだけの運動は続きません。爽やかな今の時季、自分に合った方法で楽しく体を動かしてみませんか。

 


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