総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:健康三計
健康三計なるものをご存じだろうか。一般的な言い方ではありませんが、これは日本のある医師が提唱しているもので、健康を維持管理するために一般家庭に備えておくべき体重計、体温計、そして血圧計の三種類の健康機器ことを指しています。この中で血圧計の所有率はほかのものに比べるとかなり低いのかもしれませんね。
メディポート代表:堀 真
さて、これらの機器の利用法についてお話ししましょう。そんなことわかりきっていると言われてしまいそうですが、使用法と利用法とでは意味が違います。それぞれの機器をうまく利用して、自身の健康の管理・増進に生かして欲しいものです。
体重計
体重は急に増えても、反対に減っても良くはありません。健康状態に問題がなくても時々体重計に乗って、大きな変化がないか確かめるべきでしょう。肥満傾向がある人の場合は、毎日同じ条件で体重測定し、その記録をグラフに記録しておくと良いそうです。壁に大きなグラフを張っておくことで、自然に体重増加に歯止めがかかり、減量にも有効であるとか。健康診断で、脂質はもちろんのこと、肝機能や尿酸値、さらには高血圧傾向を指摘された人で肥満が原因であるとほぼわかっている場合には、体重を1㎏でも落とすことができれば確実に健康状態を向上させることができます。俗にいう中年太りの場合は、体重の増減が健康状態を確認するためのバロメーターになることを理解しておきたいものです。基本的に血液検査を受けることができるのは年に一度の健康診断の時だけですから、普段の健康状態の良しあしを体重の変化で推測できるのです。もちろん急激な体重減少も良くはありません。日々の体重測定は、肥満予防という目的だけではなく、自身の健康状態を知るためにとても大切なデータです。
体温計
どこの家にもあるのではないでしょうか。女性であれば基礎体温計なども普及していることでしょう。今はインフルエンザ流行シーズン。その種類にもよりますが感染発症すると急激な体温上昇を招きます。インフルエンザに限らずウイルスは外因性発熱物質であり、感染を受けた体内ではサイトカインなどの内因性発熱物質が産生されて発熱します。実際には発熱するときにはもっと複雑なメカニズムがありますが、発熱は一概に悪いものではなく、患者の免疫力を増すものであるという考え方が主流になってきており、やみくもに解熱剤を飲んでしまうのは好ましいことではありません。症状がひどくなければ、体外から冷やして熱を奪うようにすることをお勧めします。ただし、子供の場合など、脱水を起こしやすくなるので、とにかく水分摂取に心がけてください。
血圧計
血圧には問題がないと思っている人でも、血圧は一日の中でも大きく変化していることがあるので、自分自身の血圧がどのように推移しているのかを知っておきたいものです。特に朝起床時に急激に血圧上昇(血圧サージ)していることがありますが、それ以外の時間には正常血圧で問題がなくても循環器系疾患のリスクがかなり高まることがわかっています。血圧計は高血圧を指摘されている人だけが使うものではありません。体調が悪い時などに血圧が上昇していることもあるので、自分自身の血圧がどのように変化するのかも知っておいて損はありません。もちろん高血圧治療を受けている人にとっては、降圧剤の効果を知るためにも服用後の血圧変化を記録して主治医に報告することをお勧めします。
人生百年といわれるこれからの時代は、寝たきりにならないためにも健康の維持増進を個人が積極的に行っていくことが望まれます。食事や運動に気を遣うことはもちろんのこと、このような一般家庭向けの健康医療機器をぜひ活用して欲しいものです。