広東デザート(お菓子)「双皮奶と砵仔糕」仏山市順徳区
広東には、とっておきの美味しいお菓子がある。午後のティータイムに地元のお菓子を選んでみてはいかが?今回紹介するのは次の二品。
【大良双皮奶】:普通話ではDa liang shuang pi nai (ダーリャン シュアンピーナイ)、広東語ではダーイリョン ションペイナーイ。これは広東省仏山市順徳区大良鎮発祥の牛乳プリンだ。材料は地元産水牛のミルク、卵白、砂糖で、お椀で蒸される。大良は順徳料理の中心地、水牛などのミルクを使う料理・食品が地元料理の特色だ。水牛ミルクが使われることのほか、このプリンが特別なのはその調理工程にある。一度水牛ミルクをお椀に入れてよく蒸し、表面に皮が張ったところで、皮の端を少し破っていったん中身のミルクを出す。ミルクに卵白と砂糖を加えてよく混ぜてから、残しておいた皮が表面を覆うように静かに器に戻し、再び蒸すという二段蒸しの工程で作られる。そのため、できたプリンには、最初の膜と二回目に無した時の薄い膜の二重の膜ができる。「双皮」の名前の由来はこの工程から来ている。双皮奶を上手に作るのは簡単ではない。新鮮なミルクを使うなど材料の吟味のほか、各材料の配合や火加減によって皮のできや滑らかさが変わってくる。まさに熟練の技だ。最高の双皮奶をお探しなら、広州市第十甫路にある「南信甜品店」のものがおススメ。できたてアツアツを食べてもよし。一度冷蔵庫で冷やしてから食べてもよし。
【鉢仔糕】:砵仔糕とも表記され、普通話はBo zai gao(ボーザイガオ)、英語ではPut chai ko(プッチャイコー)。手のひらに収まるかわいらしいお菓子だ。主な材料は、上新粉(粘米粉)、浮き粉(澄面)、ショ糖(蔗糖)、あずき。なんとなく日本のういろうにも似ているので、親しみを感じてしまう。とても軟らかいので、磁器の小鉢や小さな容器(アルミ箔)などの型に流し込んで作られる。発祥は、広東省の台山市といわれ、80年代半ばに人気絶頂となり、露天商が路面一面に荷車を引いて砵仔糕を売っていた。現在では、あずき以外にもパイナップルやチョコレート、山楂、ぶどうなど色とりどりのものが楽しめる。アイスキャンデーのように2本の竹串に刺していただくこともある。
地元民が愛してやまない素朴でかわいらしいお菓子たち。お店によってお味や食感が異なるので、お気に入りの一品を見つけてみよう。