ど・ローカルグルメ「腹を鳴らせば」第20回
科学の前では人はみな平等
ローカルグルメの前でも!?
前々回の記事で、「体重の増加」はウソをつかないと記したが、本当にウソをつかなかった。と言うのも、旧正月とコロナの影響で延びた日本滞在の2ヶ月、毎食おいしいご飯をお腹いっぱい食べ、夜にもなればビールに日本酒にワインにウイスキー、日本はお酒もおいしい。中国に戻ってきてから、薬局の前にある体重計になんとなく乗ってみたらまぁびっくり、自分史上最高の体重を記録してしまったのである。なんでも記録というのは更新することに意味があるとは言うが、体重の記録の更新ほど絶望的な記録はない。
極端なことを言うと、体重過多になれば健康にも影響するし、それで身体を壊してしまえば、おいしいものを食べることができなくなり、グルメライター失格である。おいしいものを常においしく食べられるように、適正な体重、健康状態を維持することはグルメライターの義務と言ってもいいだろう。
そんなわけで単純ではあるが、ジムに行って運動をしようと思った次第である。僕にとって運動と言えばランニング。昔から走るのが好きで若い頃は1時間くらい平気で走っていた。ところが、である。僕が最近教養のために視聴している某メンタリストのYouTubeで衝撃的な真実を知ることになったのである。それは「ランニングでは痩せない」ということ。それはあくまでも科学的に証明されている事実であり、むしろ科学界ではいたって当たり前の事実とのこと……。科学は時に残酷である。僕ら大衆にとって当たり前に言われていることやそうだろうなと思われていることは、実は科学の前では平然と否定されることが少なくない。食事関連で言うと「炭水化物ダイエット」。食事で炭水化物を抜くと痩せるという一時流行ったアレである。アレも科学的に言うと正確ではなく、炭水化物を摂取するから太るのではなく、あくまでもカロリーの摂取量が過剰になると太るというわけである。

お供にオススメの牛杂汤
実は炭水化物を摂るから太るのではない、とわかったところで、今回は炭水化物系のローカルグルメをご紹介(無理矢理?笑)。
今回ご紹介のローカルグルメは「湿炒牛肉粿/shi1chao3niu2rou4guo3」。これまた、以前にも何度か紹介したことのある「潮汕/chao2shan4」の名物グルメであり、ちょっと久しぶりになった「中大グルメ」である。「湿炒」という文字からも見て取れるように通常の炒め方に比べ水分がある。その水分というのは調味料などが加えられた「くずあん」であり、それとともに炒められているのである。それにより、通常の炒め方による中華料理特有の油っこさが軽減されるのも嬉しいポイントかと思う。ダイエット中ならなおさら!?

実は2階に席あり
また主食となる「粿条/guo3tiao2」とは米粉でできた麺状のものになるが、非常に似たローカルグルメに「河粉/he2fen3」というものもあり、原料はほとんど同じであるが粿条は河粉に比べて細めになる。個人の好みももちろんあると思うが、僕は粿条の食感、口当たりが非常に好きである。そこに柔らかい牛肉が乗り、粿条の滑らかな口当たりと共に箸を進めさせてくれる。
ちなみにこのお店の湿炒牛肉粿は潮汕人もおいしいと勧めるくらいのお墨付き店舗である。特にお昼時ともなると中大市場の「小弟/xiao3di4(中大市場で生地を運んだりしてくれるボーイズ)」達でごった返す。さて、僕もおいしく湿炒牛肉粿をいただいたところで、某メンタリストお墨付きのダイエット方法、プチ断食(16時間程何も食べない)をしようと思う。
百聞は”一食“にしかず、是非ご賞味あれ。

湿炒牛肉“面”もめちゃくちゃうまい!!
潮汕好味牛肉店
住所:中大生地市場「純陽観」近く
時間:11:00~20:00頃
佐藤 健太
通称さとけん、中国歴6年。中国在住当初より、住まいが中心から遠く、周りにはローカルグルメしかなかったこともあり(?)日々ローカルグルメを食す毎日。今では明らかに現地人しか行かないであろうご飯屋を攻めるスタンス。近頃は何なら言動が現地人よりも現地人と言われる始末。一番好きな食べ物は妻の手料理、本職はフクヅクリ。