風水の奥義を行く!第88回  地域活性のキーワード、の巻

2019/06/12

中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。

◆街に根付く産業◆

70歳を軽く超えているであろう、熟練運転手のタクシーに乗った時のことです。

この運転手さんは

「この辺り(湾仔の利東街周辺)は結婚式の招待状や名刺の印刷屋さんが多くてね。」

と言うのですが、今はそのような光景はありません。

「運転手さん、それ、二、三十年前の話よ。」

と言い返すと、運転手さんはニンマリ笑いながら相槌を打っていました。この運転手さんが言うように湾仔の利東街(リートンアベニュー)はかつて結婚式の招待状や名刺の印刷屋さんで賑わっていた街です。ペーパーレスが進む中、この街には招待状や礼是を販売するお店があり、昔の名残があります。

香港の街をよく見てみると、街の名称とマッチしたビジネスが根付いています。たとえば、西環(サイワン)の海味街(乾物問屋街)は今も活気がありますし、中環(セントラル)の金融街はアジアの金融センターとしての地位を築いています。その名称が持つ五行エネルギーがその地域のビジネスの発展の鍵を握っています。

◆名前が持つ五行エネルギー◆

四柱推命で人を看る場合、木、火、土、金、水の五行エネルギー全てを持って生まれてきた人は非常に少なく、多くの人が五行の何かが欠けています。また、五行全てが揃っていても歩んでいく運が悪ければバランスが崩れ、それによって人は辛い思いをしたりものごとが上手く進まなかったりします。環境や名前によって後天的にその人に必要な五行エネルギーを補うことは、その人の運気を好転させることにつながります。

例えば、火エネルギーが必要な人が火エネルギーを持たないで生まれてきた場合、賢明な両親が環境や名前によって後天的にその子に火エネルギーを与えることできれば、その子は本来持っている宿命とは違った人生を送ることになります。ただし、その子が太陽の火エネルギーが必要なのか、人工の火エネルギーが必要なのかを考える必要があります。その音の響きも関係します。

逆にその子にとってプラスにならないエネルギーを持つ名前を命名してしまうと、辛い思いをする、或いは本来持っているはずの力が発揮できなくなってしまいます。

人と同じように、その街の名称は、立地条件や土地柄を超えたところで大きな力を発揮します。たとえば、前述の西環(サイワン)の場合、「西」は金エネルギーで「環」は土金エネルギーを意味するので、水エネルギーのビジネスである「乾物を流通させる商売」に大きく役立ちます。これが、火エネルギーの強い尖沙咀(チムサーチョイ)や火土エネルギーの強い紅磡(ホンハム)に立地していれば、西環(サイワン)のように商売が長くは続かないでしょう。

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◆孟意堂風水的地域を活性させる奥義◆

国連の世界人口推計によると2050年の世界人口は現在の約76億人から90億人にまで増加するそうですが、その一方で、30年後に日本や中国の人口が減少すると予測している人たちもいます。人口が減少すれば経済規模も先細りになると考え、国外に自社商品の販路を見出したり海外進出を検討している人たちもいます。

しかし、人口が多い地域をターゲットにして輸出すれば何でもかんでも売れるとは限りません。その地域の特徴や人々のニーズを分析し、戦略を持って展開すべきです。生産する側もどのエリアの名称がそのビジネスを発展できるかを考えて行動すれば持続性あるビジネスとして根付くでしょう。地域によっては面白い展開が息づくかもしれません。香港ではこうした分野でも風水の原理を活用しているように見えます。そして、香港という街が生き生きしている理由もここにあると思います。

「風水の奥義を行く!」もおかげさまで88回を迎えました。これからも風水の奥義を深掘りし紐解いていきますので、今後とも応援よろしくお願いします。

 

彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド•ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。

孟意堂
<問い合わせ先>
住所:Rm. 1104, Crawford House, 70 Queen’s Rd. Central, Central
電話:(852)9841-6366
ファックス:(852)2961-4800
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