カバーストーリー 2023年1月第4週号「アーティスト 高瀬統也 インタビュー」
期待のアーティスト 高瀬統也
インタビュー
昨年末のクリスマス、香港のとあるライブハウスはものすごい熱気に包まれていた。
多くの若者がつめかけ、会場は満員。数日でソールドアウトしたチケットを購入できなかったファンは会場の外で長蛇の列をなしていた。
ファンのアツい眼差しの先に立っていたのはアーティスト・高瀬統也、今注目を集めるシンガーソングライターだ。昨年の香港音楽チャートで1位を獲得、配信サービスSpotifyでは月間最大50万人のリスナーを記録した。香港から先行して人気が出たことは音楽界では異例中の異例だが、その人気は日本にも派生し、代表曲の『どうしてfeat.野田愛実』においては、今やSNS再生回数1億回を突破するほどの勢いがある。
初の来港で香港が大好きに
インタビュー当日、楽屋で明るい笑顔で迎えてくれたのはまぎれもないその人、高瀬統也さんだ。物おじしない態度の中にも物腰の柔らかさを感じる。今回の2日間に渡る初香港ライブのために渡航した彼は、前日にフライトを終えたばかりだという。そんな弾丸スケジュールの中、シンフォニーオブライツこそ間に合わなかったが、百万ドルの夜景は観ることができたそう。「到着日の夜に火鍋を食べました。香港のご飯は最高ですね」と香港でのひとときを楽しんだ。
きっかけはボイストレーナーの祖母
ハイトーンボイスと、Electronic、R&B、POPSなど多ジャンルを取り入れた音、一度聴くと耳に残るキャッチーなメロディーラインが特徴の彼の楽曲。音楽を始めたきっかけはボイストレーナーの祖母の存在が大きかったそうだ。「僕、もともとすごく音痴だったんですよ。あまり歌も好きではありませんでした。しかし、祖母が人前で歌う時に恥ずかしくないようにとレクチャーをしてくれたおかげで歌が好きになりました」。高校では音楽の時間にカバー曲を披露する機会があったが、数ヶ月でカバーに飽きてしまったという高瀬さん。もっと音楽を楽しみたいと自ら作曲を始めることに。卒業後、路上ライブを行う中で知名度も上がり、レコード会社と契約を交わすなど、順調満帆な出だしだったという。
自分が納得する曲作りを
しかし、21歳の時に、自分のやりたい音楽と周囲から求められる音楽との間にギャップを感じ、ウツになってしまったそうだ。「本当にやりたいことは何か」をもがき追求した結果、レコード会社を離れ、嘘偽りのない本当の自分という意味で、本名の「高瀬統也」をアーティスト名にした。「僕が曲作りの中で一番大切にしているのは、誰にもこびない曲を作るということです」と力強く話す。また、最近ではメッセージ性のある歌詞作りにもより力を入れているという。
今後の目標を尋ねると「香港ではより大きな規模のStar Hallでライブをしたいですね!」と話す。23年は日本国内だけでなくアジアツアーも予定している。期待のアーティスト・高瀬統也の今後の活躍が楽しみでならない。
シンガーソングライター・高瀬統也
洗練されたセンセーショナルなミックスボイスと中毒性の高いキャッチーなフレーズが持ち味。2022年1月に配信された2nd EP「13月1日」では、香港を中心としたアジア圏のみならず、オーストリアなどのヨーロッパ圏でもアルバムトップチャート1位を記録し、香港でのアルバムトップチャートでも逆輸入シンガーソングライターとして3冠を達成した。同年6月には収録曲の『どうして(feat.野田愛実)』が日本国内でバイラルヒットし、Billboard Japanをはじめ各ストリーミングチャート上位にランクイン。
オフィシャルサイト
https://t-toya.com