月刊スターツ通信 vol.10

2021/06/30

2021年7月の不動産市場 〜 香港編 〜

21ヶ国34都市に展開し、年間1,000社以上の企業相談を受け持つ不動産の専門家・スターツが、香港・華南地区の不動産市場を毎月解説。


スターツ Starts

 英国の調査会社によると香港は、ロンドン313件、ニューヨーク229件に次いで、166件と世界で3番目にサービスオフィスの多いところだそうです。しかし2016~18年に急速な拡大を果たした後、過剰拡大となり多くが閉鎖されて姿を消しました。ニューヨークを拠点とするWeWorkも今年の春、銅鑼湾にあった8フロアを解約したことなどもニュースになっておりましたね。このように多くのサービスオフィスが淘汰されたことで需要と供給のバランスが取れてきたこと、また更にリモートワークへの移行が増加したことにより最近は市場が活発になってきております。

 香港不動産大手デベロッパーの一つである香港ランドは中環の高級オフィスビル「エディンバラ・タワー」内に6月16日フレキシブルオフィスをオープンしました。プライベートスイート17Fは900~2300sqft、18Fはクライアントのニーズに応じて構成できるそうです。

 サービスオフィスは上記でご紹介したような高級物件からお手頃の賃料価格帯まで幅広く様々なタイプがございます。例えば銅鑼湾あたりですと、一人単価が約HKD5,000だとすると3人部屋でHKD15,000/月の賃料です。観塘あたりですと、一人単価約HKD2,000だとすると、3人部屋でHKD6,000/月の賃料です。しかも管理費・税金も賃料込みで、内装工事も必要ないですし、机椅子などの家具やWi-Fiなども設置されており、初期投資がかからないので手軽に利用開始できます。

 サービスオフィスの3人部屋は約100~150sqft前後の広さです。通常のオフィスですと一人当たりの必要面積が100sqftと言われているので3人ですと300sqftは必要です。なぜなら会議室やパントリーのスペースを確保する必要がありますので、その分の面積も必要になって参ります。その為、通常のオフィスですと会議室などのスペースの賃料を常時支払っている状態です。それと比較してサービスオフィスは必要な時に追加で会議室をレンタルすれば良いのです。最近、メインオフィスの他にサブオフィスとして借りられる企業様も増えてきております。オフィスを分散して配置しておくことにより、通勤時間の短縮やフレキシブルな働き方を実現できるメリットがありそうです。

 それとは別に添付したグラフは通常オフィスの単価を示しております。6月の政府発表のデータでのオフィス賃料平均単価はおおよそ中環HKD100/Sqft、湾仔HKD56/Sqft、北角HKD50/sqft、尖沙咀HKD44/Sqft、九龍湾観塘HKD30/Sqftとなっております。

 

出典:South China Morning Post 2021.6.10
www.scmp.com/business/article/3136657/hong-kongs-co-working-sector-set-stabilise-recover-balance-returns-after
2021.6.16
www.scmp.com/business/article/3137336/hongkong-land-opens-its-centricity-flex-space-central-embracing-flexible

エリア別賃料単価の推移

 


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香港オフィス
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メール:starts@starts-hk.com

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