月刊スターツ通信 vol.27
2022年7月の不動産市場 〜 香港編 〜
21ヶ国34都市に展開し、年間1,000社以上の企業相談を受け持つ不動産の専門家・スターツが、香港・華南地区の不動産市場を毎月解説。
1997年以降、この25年間で香港内で約600社あった証券会社のうち約半数以上が中環を離れて、湾仔、銅羅湾、尖沙咀だけでなく九龍から新界へオフィスを移転されているそうです。
理由としては高すぎる中湾の賃料と電子取引の出現により、中湾の住所が不可欠だった時代から大きく変化したことが挙げられます。
エバーライトセキュリティーズも現在銅羅湾にオフィスを構えておりますし、その他KGIキャピタルアジアは湾仔、旺角、荃湾にオフィスを構えています。証券規制当局である証券先物委員会でさえ、2020年に中湾から鰂魚涌へ移転しています。
2010年代から、中環と他のビジネスエリアの賃料差が拡大しオフィスの移転がされ始めたようです。
中環と湾仔、銅羅湾の賃料差は1997年の25%から2022年には41%に拡大しました。
中環と尖沙咀の賃料差も1997年の39%から53%に上昇しました。これは、尖沙咀へオフィスを移転させることによって賃料が約半額になるということです。
中環のAグレードのオフィス平均賃料単価は1997年では、HKD56/sqftだったのが、2022年5月では、HKD93.5/sqftでした。ただ、2019年7月のピーク時から見るとHKD130/sqftでしたから、約28%下落している状況です。3月、4月で空室率が9%代が続いていたところを見ても賃料下落は避けられなかったでしょう。
その為、直近では、中環の安くなった賃料にメリットを感じて、中環へ戻ってくる例も出てきているようです。
South China Morning Postによると、米国の法律事務所Dorsey&Whitneyが中環の賃料下落の中で、あのラグジュアリ―ブランドのDolce&Gabbanaやプラダ、サンローランがテナントとして入っているAlexandra Houseのオフィススペースへ移転したとのことです。元々は金鐘のパシフィックプレイスに20年以上オフィスを構えていたようです。
また、4月には同じようなNYに本社を置く米国の法律事務商White&Caseも中環の香港ランドのYordHouseに3フロア25,000sqftのオフィスを借りたそうです。
香港のオフィス移転も時代の流れによって様々な移り変わりを見せております。グラフは政府発表の直近4月のオフィスのエリア別の賃料単価を示しております。中環HKD95/Sqft、湾仔HKD58/Sqft、北角HKD47/Sqft、尖沙咀HKD43/Sqft、九龍湾・観塘HKD30/Sqftとなっております。
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