ミシュラン星付レストランで上海蟹「香港甬府」湾仔
この時期マストな食材といえば…そう! 上海蟹。9月頃から翌年2月頃まで楽しめるが、特に10月から11月中旬は、メスの上海蟹が究極に美味しくなる時期。蟹みそと卵が絶妙なバランスで、濃厚な味わいを堪能できる。逆にオスが旬の時期を迎えるのは、11月下旬頃から。冬眠に備えてさらに大きくなるオスは、白子のもちもちとした食感が堪らない。
このベストシーズンに合わせて、いま大注目のレストランから美食家たちの舌をうならせる上海蟹料理がお目見えした。
2022年度の香港版ミシュランガイドで1つ星を獲得した「香港甬府(ホンコンヨンフー)」。上海の南西に位置する浙江省の都市、寧波(ニンポー)で生まれた料理を提供する同店は、2019年のオープン以来、多くの食通香港人の喝采を浴びてきた。素材本来の味を活かしたあっさり塩味に仕上げるのが特徴の寧波料理。特に甬府では、鮮度の良い食材のみを使う質の高さが売りだという。それでは同店でいただくことのできる4種類の上海蟹料理を紹介していこう。
ねっとり感がたまらない「Sorghum Liquor Marinated Hairy Crab(上海蟹の高粱酒漬け)」(HKD298/匹)は、マリネされた生の上海蟹。卵をたっぷり抱えたメスの上海蟹を、白酒とも呼ばれるアルコール度数50%以上の高粱酒に4時間漬けたあと、自家製ダレにさらに2~3日漬け込むという手間のかかったこの一品。蟹をマリネすることで身が締まり、本来の風味が引き立つだけでなく、安心して生でいただくことができるという。 次に紹介するのは、オスの蟹を使った「Baked Minced Pork Hairy Crab(上海蟹のポークミンチ焼き)」(HKD398/名)。豚挽き肉を特製の寧波ペーストで炒め、200~250gほどあるオス蟹と一緒に蒸し焼きにする土鍋料理だ。素材の旨味と香りの相乗効果で、今までに経験したことのない上海蟹が味わえることだろう。
また「Dry Fish Noodles with Hairy Crab(汁なし撈魚麵の上海蟹添え)」(HKD3,980/8名)は、シェフの職人技が光る伝統的な寧波料理。コシのある自家製麺の美味しさもさることながら、さっと絶妙な時間で揚げられた上海蟹は、引き立った甘みと食感がパーフェクト。感動的な味わいに仕上がっている。ほかにも、旬の寧波産里芋と塩漬け豚を焼き、蟹と合わせた「Grilled Hairy Crab with Taro(上海蟹と里芋のグリル)」(HKD368/名)など、とにかく趣向を凝らした料理をいただくことができる。いつもとちょっと違った上海蟹をお探しなら、ぜひ足を運んでみて。
香港甬府
住所:Shop 2, G/F. & 1/F., Golden Star Bldg.,
20-24 Lockhart Rd., Wan Chai
時間:12:00~15:00、18:00~22:00
電話:(852)2881-7899
ウェブ:https ://yongfuhk.com