Working Woman特集 PartⅡ

2020/03/25

【労務】【医療】【保険】のプロに聞いてみた!
働く女性に役立つトラブル管理

働いているからこそ遭遇するトラブルや、体のこと、お金のこと。気になっていながら、 女性 ついつい日々の忙しさに追われ、後回しになってしまっているという方も多いのでは?!
そこで、<労務><医療><保険>のプロに、『働く女性のためのお役立ち情報』を 聞いてみた。これで、社内でのトラブルも、健康管理も、お金の管理もバッチリ。

 

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  嫌なものは嫌と本音ではっきり話せる環境があることが一番ですよね。受けた側が行動を起こさなければ相手側の行為がエスカレートすることもあるのです。また、場合によっては精神的にダメージを受けて病気になったり、退職せざるを得なくなったり、退職後も心身に影響を受けるなど、軽視してはいけない問題なのです。まずは一人で悩まずに、同僚や上司、人事担当などの会社窓口に相談しましょう。

 香港では、パワハラの定義はまだ含まれていませんが、4つの差別条例(性的差別条例・障害者差別条例・家族状況差別条例・人種差別条例)があります。各差別条例の執行·調査権を持つ独立した法定機構として機会均等委員会(EOC)があり、苦情の受付・調停・訴訟手続きの支援など専門的な法的サポートを提供しています。社内で相談や解決ができない場合、EOCを利用することもできます。電話相談も可能です。

 私は職業柄、企業窓口担当者の方と、相談者(被害者)・加害者とされる人·第三者との面談に同席させていただくこともあります。いつ・どこで・誰に・どんなことをされたのかハラスメントの内容や、行為を受けたときの自分自身の対応、目撃者や証拠の有無、心理面を含めた被害の状況など、メモでもよいのでぜひ記録しておいてください。そして、心配ごとやどのような解決を望むのか、恐れずに話して聞かせてください。

 私は常々、誰かが我慢しなければならない環境は健全ではないと思っています。それには双方ともに正しい知識も必要です。ハラスメントとは何なのか? そんなつもりではなかった、行為を行なった側の言い分もあるかもしれません。最初はコミュニケーション上の行き違いから始まってしまうこともあります。受けた側がどう感じるか? 相手の立場に立って考えること、お互いに正しい知識を持つこと、そして、本音で話せる関係や組織を築くことが解決への道だと思っています。

 


Anaxis_Photo牧野 祥子さん
Anaxis Ltd. 董事総経理
2005年より会長の飯泉とともに香港で人事労務コンサルタントとして従事。企業向けコンプライアンスセミナーや労働関連法講座など開催実績多数。香港の日常人事労務管理から合併·閉鎖・解雇まで、年間2,000件近くのご相談に幅広く対応。

Anaxis Ltd.
住所:Suite 8, 12/F., Tower 2, China Hong Kong City, 33 Canton Rd., TST
電話:(852)2180-2005
メール:hkinfo@anaxis-asia.com
ウェブ:www.anaxis-asia.com

 

 

 

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 働く女性に一番多い問題は、乳腺刺激ホルモン(プロラクチン)が増え過ぎてしまうことです。多くの場合、ストレスによるもので、プロラクチンの増加により月経が止まってしまうなどの症状が現れます。無月経も3ヵ月を超えるようであれば、医療機関を受診しましょう。当院の考え方としては、月経周期が21日未満、もしくは、42日以上が年に2回以上ある場合は、医師に相談するようすすめています。また、月経がしっかり始まらないまたは終わらない場合や、中間期(排卵期)に出血がある場合、異常な強さの腹痛がある場合も何らかの病気の疑いがあるため、自己判断せずにすぐに病院へ行きましょう。

 それから、香港など湿度の高いエリアではカンジダ症になりやすいので、こちらも注意が必要です。通常は、ラクトバチルス(乳酸菌)が膣内を綺麗にしてくれるのですが、何らかの原因でホルモンバランスが崩れたり、膣内がアルカリに偏ったりすると、この乳酸菌が減ってしまい、カンジダの症状として現れます。普段から膣口を蒸らさないこと、また、性器は石鹸を使わず水で洗うこと(洗い過ぎないこと)を心掛けましょう。カンジダ用の市販薬も売っていますが、もしそれでも症状が治まらない場合は、別の病気の可能性がありますので、病院へ行くようにしてください。万が一、クラミジア膣炎を罹患していた場合、卵管炎などを起こし、不妊症となる可能性が高いので、早めの治療が必要です。

 香港の病院は、積極的に薬を使った治療を行ないます。ただし、ストレスが原因の症状の場合、このような治療は対症療法でしかありません。本当に大切なことは、根本的な原因であるストレスを発散させることですので、ストレスの原因となる場所(例えば会社)以外にも複数の社会的関係を築くなどして、ストレスを溜めない生活を心掛けることが大切です。習いごとをしたり、サークルに所属したり、自分の居場所をいくつか作っておくとよいですね

 


Photo_Dr.伊原伊原 鉄二郎さん
ロンドン医療センター香港診療所 院長
家庭医。18歳で単身渡英し、ロン ドン大学医学部卒業。1992年ロン ドン医療センターを設立。総合家 庭医として診療診察にあたるとと もに、将来の本格的な日本人家庭 医の育成にも努めている。

ロンドン医療センター香港診療所
(LONDON IRYO CENTRE HONG KONG)
住所:Suite 822, 8/F., Leighton Centre, 77 Leighton Rd., CWB
電話:(852)2398-0808
メール:info@iryohk.com
ウェブ:www.iryohk.com
フェイスブック:London Iryo Centre Hong Kong

 

 

 

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 今回は、最近、特にお問い合わせが殺到している医療保険にフォーカスしてみたいと思います。医療保険にも「掛け捨てのタイプ」と「貯蓄性があるタイプ」がございます。

 前者の代表は、かかった医療費をレシートに基づいて、請求する保険です。香港の医療は、「通院・外来(Out Patient)」と「入院・手術(Inpatient)」がはっきり分かれていることが特徴です。そして、「通院・外来」は、個人の保険でカバーすることがとても難しいです。それよりは、本当に高額な費用がかかりかねない「入院・手術」を保険で備えるという発想です。40代女性の保険請求は非常に多いです。病気にかかってからでは遅いので、「まだ大丈夫」と思っている20~30代のうちからしっかり備えておきましょう。香港には、「VHIS(Voluntary Health Insurance Scheme)」という、保険料を対象とした税金控除がありますので、収入のある皆様はそのあたりも賢く利用されるとよいと思います。

 後者の代表は、「貯蓄型のがん保険」です。こちらの保険は、死因ががんか否かに関わらず、死亡した場合は生命保険。がん・三大疾病を含む、指定の病気(60種類)と診断された場合にはがん保険。しかも、がんなど三大疾病を複数回ご請求いただけます。死亡せず、病気にもかからなかった場合には、貯金として元金以上に増える楽しみがあるマルチな保険です。もちろん男性の加入も可能ですが、乳がんや子宮がんなど女性特有の病気も存在し、働く世代では、男性よりも女性の方ががんの罹患率が高いという事実もあるため、働く女性にぴったりな保険です。

 「貯蓄型のがん保険」は、帰国後でも問題なくご利用いただけます。契約の時点で香港もしくは中国に居住していることが必須ですので、ぜひそのチャンスをお見逃しなく!

 


Ms.Hirahara_001平原 奈津子さん
Manulife生命 保険アドバイザー
2006年来港。日本では14年間株式会社丸井に勤務し、小売り販売を経験。香港では2007年に保険アドバイザーとしての活動をスタート。お客様とコミュニケーションを取りながら自分も利用しているプランを紹介していくことが好き。趣味は運動。香港人の主人と9歳の息子と暮らしている。

住所:23/F., The Lee Gardens, 33 Hysan Ave., CWB
電話:(852)9722-0012
メール:natsuko_hirahara@manulife.com.hk
ウェブ:hiraharanatsuko.hk

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