Working Woman特集 PartⅠ Vol.2
香港・華南エリアで働く女性2名に突撃インタビュー
この土地で働き始めた経緯、働き方、仕事に対する考え方など、様々な視点からインタビューを行なった。
性別、年齢、仕事の有無を越えて、きっと多くの方にとって参考になることだろう。
ライフストーリーを教えてください。
父の仕事の関係で、小さい頃マレーシアに住んでいた時期がありました。それがその後の人生に大きく影響している気がします。マレーシアは多民族国家なので、多文化、多宗教、多言語になります。当時小学生だった私は、ローカルの華人学校で学び、家に帰れば隣に住むインド系マレーシア人の友達とインド尽くしの毎日でした。インドカレーを食べ、インドダンスを習い、インド映画を見る。ほぼインド人でしたね(笑) 中国系、インド系、マレー人と、様々なルーツを持つ友達たちと遊ぶ中で自然とそれぞれの文化に合わせて、自分を“変える”ということを学んでいました。おかげで違うということを否定するよりも、とりあえず受け入れてみる(笑) という海外向きな性格に成長したようです。なので、初めての海外赴任ですが、あまり不安はありませんでした。新しい環境に飛び込むのが、怖いよりも楽しみなのは、幼い頃に学んだ多様性を受け入れるということがベースなのかなと思います。
今の仕事を選んだ理由とは?
もともと物を作ったり、書いたりするのが好きでした。小さな時からずっと詩を書いていて、そんなことから大学卒業後に、やっぱり“言葉を使った仕事”がしたいと思って、コピーライターになりました。
めいりんさんの仕事に対する価値観とは?
いつか過去を振り返った時に“好きな仕事をした”と思いたいと、思いながら生きています。
“好きなことを仕事にしない”という考え方もありますが、どうにも性格上、好きじゃないと長続きしないので、自分の気持ちに歯向かわないようにしています(笑) とはいえ、もちろんそれだけだと息が詰まってしまうので、旅行に出かけたり、お酒を飲んだり、ギターを弾いたり、他の時間も作ってインプットを増やしながら、自分のアイデアが枯渇しないようバランスを取るようにしています。
働いている中で悩みはありますか?
日本にいて意識することはなかったのですが、広州に来てからは同じ境遇の日本人女性に会う機会が少ない(もっと出歩けばいいのですが)のが悩みですね。やっぱり中国の仕事の仕方って日本とは全然違いますし、びっくりするようなことが度々起きて、毎回血の気が引くのですが、そういう時に愚痴が言い合える仲間が欲しいですね。絶賛お友達募集中です(笑)
働きながらの子育てや結婚について
両立って本当に難しいと思います。なので、私は“手抜き”でいいと思っています(笑) マレーシアに住んでいた頃は、住み込みのフィリピン人のお手伝いさんがいました。というより“お姉さん”のような存在で、たくさんの事を彼女から学びましたね。フィリピン料理だったり、英語だったり、パンケーキの作り方だったり。いい思い出が沢山あるんです。なので、私は“お手伝いさん大賛成派”です。もちろん予算があればですが…。どうしても日本の考え方って、全部やるのがヨシとされていますが、私はそういうのはナンセンスだと思ってますね。頼れるところは、ガンガン頼る(笑) そんな風にして、自分を消耗しすぎないスタイルを目指しています。
昔描いた夢と現状のギャップはどうでしょう
最初は天文学者、それから詩人、あとは植村直己物語を見て冒険家になりたかったですね。犬ぞりに乗って未開の地を発見するんだ!って。
でも、夢見る大人のためどれも諦めていません(笑) 天文学者には、もうなれないけどいつか宇宙に行けるかもしれないし、宇宙関連の広告があったら作ってみたいです。詩はライフワークとして今も書いているのでいつかベストセラーを目指して···。犬ぞりで未開の地は発見できないけど、最近は広州のディープな局面を探索するぞ!と意気込んで出かけることも。なので実はあまりギャップはないのです。
今後の展望をどうぞ
今年はいろいろ計画していましたが、コロナが全てを消し去っていきましたね(笑) ですが、そのおかげで、最近、今までに旅をした場所の旅行記を書き始めました。18歳からバックパッカーを始めて、いろんな国へ行きいろんな人に出会いました。そんな物語を、忘れてしまう前に書きとめようと思っています。あとは仕切り直しですね(笑)
小暮 めいりんさん
1980年生まれ。大学で陶芸を学んだ後、デザイン会社に就職。無印良品などのコピーライティングを担当。その後、広告代理店に入社し、CMも手がけるように。2018年より広州に赴任し、日系企業の広告を担当。