いくつ知ってる?中国八大料理&中国茶
粤菜~広東料理~
「食は広州にあり」と言われるその言葉通り、広州には美食が集まる。広東料理はこの広州料理(広府菜)、潮州料理、客家料理、順徳料理など各地の料理が融合されてできた料理のこと。
広東料理は別名「粤菜」(普通話でユエツァイ、広東語でユッチョイ)と言われ中国八大料理の代表的なジャンルのひとつ。海に面したこのエリアでは、豊富な魚介類を使った海鮮料理が有名なのは在住者ならご存知の通り。その調理法はいたってシンプルで、ネギやショウガ、少量の醤油だけで味つけされ、素材本来の旨味を活かすことでも知られる。食材そのものの旨味を活かす調理法の代表格は「蒸す」こと。なるほど、広州料理の定番「飲茶」はセイロを用いる蒸し料理のひとつ。また、潮州料理は「海鮮なくして宴はできない」と言われるほど、海鮮がふんだんに使われる。アワビやフカヒレ、オイスターなどは潮州料理の代表的な高級食材だ。反対に鶏や豚など肉類を使い濃い味付けが特徴の客家料理は、広東エリアに移住してきた客家族から派生した。「梅菜扣肉(豚肉と漬け菜の蒸し物)」や「塩焗鶏(鶏肉の塩蒸し)」などは必ず食べておきたい伝統的なメニュー。順徳料理は広州南郊にある順徳で食べられるもので、川魚にショウガ、ネギで味付けされたものが有名だ。せっかく広東に住むのだから、下記に紹介する生粋の粤菜をお召し上がりいただきたい。
宝石箱のような宴をここで
欣圖軒 Yan Toh Heen
2022年にリオープンしたリージェント・ホテル香港。尖沙咀のヴィクトリアハーバーを一望できる贅沢な立地だ。立地に負けない実力を持つレストラン「欣圖軒」は2022ミシュランで二つ星を、フォーブストラベルガイドで五つ星を獲得。30年以上の経歴を持つエグゼクティブシェフ劉耀輝氏は「食材の鮮度や旨味を一番引き出す調理法にこだわっています」と胸を張る。
おすすめは「ソフトシェルクラブ黄金揚げ蟹肉添え(Golden Stuffed Crab Shell with Crabmeat)」。細かい衣をつけ軽く揚げることで、蟹そのものの旨味が凝縮され、弾力ある蟹肉を堪能できる。宝石箱を開けたようなラグジュアリーな内装と夜景の美しさ、そして美食、口福感に包まれること間違いなしだ。
Lower Level, Regent Hong Kong, 18 Salisbury Rd., TST
https://hongkong.regenthotels.com
(852)2313-2243
月~土 12:00~14:30(L.O)18:00~22:00(L.O)
日・祝日 11:30~14:30(L.O)18:00~22:00(L.O)
若者に人気のカジュアル広東料理
口利福 Ho Lee Fook
香港の若者から絶大な人気を誇るカジュアル広東料理の同店。
深紅、きらびやかに輝くゴールド、どこか懐かしさを感じさせる照明などの独特な内装は近年リニューアルされたばかりのもの。オーストラリアやシンガポールで修行を積んだ香港人シェフArChan氏おすすめは、自身も小さい頃から大好きだという「ローストチキンやダック」「炭火ハニーチャーシュー」などのロースト料理。特製のタレに1日以上漬け込み、強火でローストすることで、余分な油を落とし、外はパリっ、中はジューシーな弾力あるお肉が楽しめる。
豪華な料理に少し飽きたら、「ニラとイカの炒め物」など白ごはんに合うメニューもあり。カジュアル感が心地いい、いつでも通いたくなるお店だ。
G/F., 1-5 Elgin St., SoHo, Central
www.holeefook.com.hk
(852)2810-0860
火、水、日 18:00~23:00
木~土 18:00~0:00
ミシュラン獲得シェフによる自信作を
牡丹軒 Peony
ディスカバリーベイに来たら海辺よりも赴かないと損するスポットがここ。
「王者の風格」「高貴」という花言葉の店名通り、唯一無二のご馳走をいただける広東料理レストランだ。この道25年というベテランシェフでミシュラン獲得店での経験がある朱定國氏のモットーは「使用する油や塩は少なく、お客さまに素材そのものの新鮮な味を食べてもらうこと」。彼のこだわりを感じるなら「三蔥爆龍蝦」をオーダーしよう。ネギやショウガなどの自然な香味が海老の旨味や食感を引き出す一品だ。香港でベスト美食賞にも選ばれた自慢の料理でもある。
なんと点心師もミシュラン獲得経験者なのだとか。職人の技を、こだわりを感じるなら同店へ行こう。
Shop 153A, 1/F., Block C, DB Plaza, Discovery Bay
www.dbpeony.com
(852)2215-0833
月~金 11:30~15:00、18:00~22:00
土日・祝日 10:00~16:00、18:00~22:00
川菜~四川料理~
起源は秦の始皇帝時代から三国時代にかけてと言われ、成都や重慶で主に発展してきた料理。湿度の高い盆地のこの地で生活してきた人々にとって、辛いもので発汗を促すことは欠かせない健康法だ。古くから「香り高く辛いもの」がよしとされる食文化が根付いた。
四川料理といえば、「麻(しびれ)、辣(辛さ)、香(香り)、鮮(鮮やかさ)、咸(塩味)」が特徴。「花椒(ホワジャオ)、胡椒(コショウ)、辣椒(唐辛子)」を「三椒」と呼び、「蔥(ネギ)、薑(ショウガ)、蒜(ニンニク)」を「三香」と呼ぶ。そのほか、豆板醤や豆豉などもよく使われる。
四川料理は3つに分けられるのをご存知だろうか? 一つは「麻婆豆腐」や「宮保雞丁」などに代表される成都宮廷料理の蓉派(上河幫)。豆板醤と砂糖で調味される比較的あっさり目の料理だ。また、塩が主産業だったエリアで派生した鹽幫派(小河幫)は「水煮牛肉」や「擔擔麵」が有名。最後に庶民の味として親しまれた渝派(下河幫)には「麻辣火鍋」、「辣子雞」、「酸菜魚」が挙げられる。さてあなたはどれが好き?
味よし、雰囲気よし、サービスよしの店
GRAND MAJESTIC SICHUAN
セントラルは歷山大廈(Alexandra House)に入るオシャレな四川料理をご存知?
1970年代のオールディーな装飾、サテンやシルクであつらえたテキスタイルが、高級サロンのような雰囲気を醸し出す。サーブされるのはすべて小さなポー
ションのお料理なので、ワインを飲みながら少しずついろいろな味を堪能することができる。シェフは13歳から家族で経営する四川料理店にて修行を積んだRobort Wong氏。ミシュランの常連というからその腕前はお墨付きだ。
同店の料理は食べ物というカテゴリーだけでなくアート作品のような見た目も特徴。写真は「四川糖醋脆皮魚」だ。カリカリに揚げられた川魚に、これまたカリカリの唐辛子がトッピングされ、香り、食感、味わいにおいて新しい食体験を味わえる。
Shop 301, Alexandra House,
18 Chater Rd., Central
https://grandmajesticsichuan.com
(852)2151-1299
18:00~22:00
シェフの経験とセンスが光るお皿たち
念川居 CHUAN Palace
オーダーが入ると自ら厳選した香辛料やソース、紅油をブレンドし、塩漬けされた鶏肉にまわしかけ、テーブルに提供する「正宗口水雞」。20年以上四川料理のシェフとして腕を振るってきた李志光氏のこだわりはここだ。唐辛子、花椒、ソース、辣油などの配合は四川の味を変えずに何ひとつ手を抜かず、水分量、塩分などがベストな状態のものをお客に食べてほしいという思いが散りばめられている。
同店では5つ星ホテルで経験を積んだ点心師の陳世輝も在籍し、四川料理だけでなく広東のエッセンスも盛り込んだ豊富なメニューが食せる。食材の味はもちろんだが、ベテランシェフたちの経験とセンスからでしか生み出せない至極の四川料理を堪能しよう。
Shop501, 5/ F., MOKO, 193 Prince Edward Rd. West, Mong Kok
https://lubuds.com
(852)2339-1900
10:00~22:00
浙菜~浙江料理~
浙江料理の歴史は長く、杭州、寧波、紹興、温州などの土地で栄えてきた料理。この当たりでは古代から山や河の水が澄んでおり、淡水魚、エビ、魚介、野菜など豊富な食材が採れる場所でもある。中国のことわざで「上有天堂,下有蘇杭」とは、天国と同じくらい美しい杭州や蘇州のことを指す。
調理法にはさまざまなこだわりがあり、炒める、煮る、揚げるなど、基本的に食材そのものの味を大事にする調理法が挙げられる。有名な料理は「龍井蝦仁(エビと龍井茶葉の炒め)」、「西湖醋魚(淡水魚の甘酢あんかけ)」、「東坡肉(皮付き豚角煮)」など。また紹興酒で有名な紹興の名物と言えば「紹興醉雞(蒸し鶏紹興酒漬け)」。紹興酒とマリネされた鶏肉は柔らかく、さらにお酒の芳醇な香りも楽しめる一品。「三絲敲魚(切り身川魚のとろとろ煮)」で有名な温州料理はこの中でも塩味のさっぱりした味わいだ。どの料理も、その土地で採れる食材の長所を生かした先人たちの知恵が散りばめられている。
アートのような美食を堪能
蘇浙 Jardin De Jade
豪奢でシックな内装。きらびやかさの中にも奥ゆかしさが感じられる店内。姿勢のいいウエイターが運ぶのは美しく盛り付けされたアートのような料理の数々。ここは上海、北京、マカオ、杭州など世界的に展開するラグジュアリーレストラン。同店は6年連続でミシュラン一つ星に選ばれた輝かしい経歴を持つ。その功績はエグゼクティブシェフ、劉海軍氏の信念から得られたと言っても過言ではない。上海料理を中心に浙江や江蘇などの美食を、素材にこだわり、調理法にも鍛錬に鍛錬を重ねて日々提供している店だ。人気メニューは薄いもちもちとした皮にジューシーなスープが熱々の状態で提供される「蘇浙湯包(小籠包)」。熱々なのにどんどん平らげてしまうほど。他にも「素鮑魚(ベジタリアン鮑)」も必食メニュー。こんにゃくや海藻などの材料を煮込み鮑の食感に似せたもので、コリコリさっぱり感にリピーターが絶えない。わさびをつけて召し上がれ。
Shop G3-4, G/F., Sun Hung Kai Centre, 30 Harbour Rd., Wan Chai ほか全2店舗
(852)3528-0228
11:30~15:00、18:00~23:00
偉人たちが愛した実力店の味
杭州酒家
香港の著名な武侠小説家「金庸」が生前、同店の味にいたく感動し、直筆の書を贈った話は有名だ。その書は同店の壁に飾られ今もなお存在感を放っている。そのほか同店の味の本物さがゆえ美食家や作家などが常連として頻繁に足を運ぶ店でもある。名物「東坡肉」は外せない料理。ほろほろの五花肉、ツヤ、香り、甘さ、ジューシーさ、どれをとっても文句のつけようがない。ふわふわとした饅頭に包んでいただけば、口の中で広がる幸福感に、手はさっそくおかわりをしようとしてしまうほど。そのほか、「筍乾萬年青(筍と青菜の漬物)」も前菜の代表メニュー。筍の食感とほどよく効いた塩分に箸が止まらない一品だ。5年連続ミシュラン一つ星獲得店の実力を確かめに行かない手はない。
1/F., Chinachem Johnston Plaza,178-188 Johnston Rd., Wan Chai
(852)2591-1898
11:45~14:30、17:45~22:30
蘇菜~江蘇料理~
蘇菜(スーツァイ)は江蘇料理のことで、江蘇省で発展したもの。上海料理の原型とも言われている。始まりは南北朝(2000年前)と言われ、唐宋時代になると経済発展にともない、蘇菜は「南食(南方で食べられる代表料理)」の一つとなった。素材の味を大事にし、塩味や甘味の多い味付けが特徴で、盛り付けも美しい。南京、揚州、蘇州などエリアごとにそれぞれの特徴がある。明代の都であった南京では金陵菜、富豪が集まった揚州で発展した淮揚菜、蘇州や無錫など湖水地帯で栄えた蘇錫菜などに分類される。写真は淮揚菜の「獅子頭(肉団子のスープ蒸し)」。これら淮揚菜は国菜として国宴などでも多く提供されるほど、格式高く人気の料理。
魯菜~山東料理~
魯菜(ルーツァイ)は、中国八大料理の中でももっとも歴史が古く、広東料理や四川料理のように他地域の影響を受けた料理系統ではない自発型の料理と言われている。北京、天津など北方で食べられている料理だ。文献では夏代の頃から山東地方では魯菜の原型となった料理が登場しており、後の春秋戦国時代(約2,400~2,700年前)には頭角をあらわした。山東省は気候も穏やかで、黄河が流れ、海に面し、平原などもあることから、その土地柄、牛、羊、豚などのほか、海鮮や野菜などの豊富な食材に恵まれた。
山東の曲阜には孔子廟があることから、孔子に捧げる料理を作るための調理法が独自に洗練され、後の宮廷料理へと発展していく。「糖醋鯉魚(鯉の揚げ焼き甘酢あん)」が有名。
湘菜~湖南料理~
湘菜(シャンツァイ)は湖南料理とも呼ばれ、漢の時代からひとつの料理ジャンルとして形成されていく。唐、宋以来、とくに明、清朝時代になると湖南料理はさらに発展、中国八大料理のひとつとして確立された。土地柄、温暖で湿度の高いこのエリアでは、辛い物を食べて体調を整える昔ながらの伝統がある。中国を代表する辛い料理として有名な湖南料理だが、麻辣(しびれる辛さ)の四川料理とは違い、唐辛子を多用するので「鮮辣」とも言われ、人によっては四川料理より辛いという人もいるほど。湖南料理は強火で揚げ焼きする調理法が有名で、唐辛子がふんだんに入ったあざやかな炒め料理が人気。写真は淡白な魚と酸味のきいた辛さが味わえる「剁椒魚頭」。
閩菜~福建料理~
福建料理(閩菜ミンツァイ)は、漢民族文化と福建省の原住民、越族文化が混ざり合って形成された料理。両晋、南北朝時代(300年頃)の「永嘉の乱」以降、中原(黄河中流域)地方から漢族が福建へ入り、先進的な科学技術や文明および文化をもたらした。晩唐五代(900年頃)、武将の王審知兄弟は福建省に「閩国」をたて、勢力下に置いたことを機に、福建省の飲食文化の繁栄に貢献したと言われている。福建料理は山と海の珍味が多く使われることで有名で、鮮やかな色と香り高さが特徴だ。「福建炒飯」に代表されるように甘酢もよく使われる。また、スープも福建料理の神髄とも言われ、その代表の「佛跳墙」は、いろいろな乾物を時間をかけて煮込んだ濃厚な味わい。
徽菜~安徽料理~
安徽省の料理、徽菜(フイツァイ)は800年前の南宋時代に起源したもの。南部にある徽州という地では「徽商」と呼ばれる商人たちが東晋時代より交易を行ってきた。徽商は内陸でとれるお茶や、生薬を売り、外地から塩や布を買い入れ経済を潤し、やがて生薬を発展させる薬膳の調理法に力を入れていった。安徽料理の代表とも言われる「火腿燉甲魚」は、スッポンをハムからとれるダシで煮込んだもの。血流をよくし、高血圧などの成人病予防にも効果が高い。このエリアではハムは伝統料理であり家庭料理。多くの家庭でもハムを燻製して食すほど人々の生活の一部になっているそうだ。
日本にも2022年進出!
香港ローカル味を求めて大行列
赤と黒のひときわ目を引く外観の店の前に長蛇の列があった。香港・シンガポールで85店舗を展開する大人気スープヌードルチェーンがいよいよ日本に上陸というニュースに、麺好き、辛い物好き、海外グルメ好きのファンがつめかけた。2022年3月に新宿、その後、吉祥寺、恵比寿と若者に人気のエリアに展開したのが「譚仔三哥(タムジャイサムゴー)」だ。
もとは雲南名物の米線。米と水だけで作られたもちもちとした食感が特徴だ。うどん、そば、ラーメンなど多様な麺文化を持つ日本では、あまり馴染みのない麺かもしれない。味、食感、のどごし、歯ざわりなど、日本人の麺への要求は高いものがある。そんな麺大国の日本でも、譚仔三哥上陸のニュースは瞬く間に広がり、注目が集まった。
「本場香港で食べられている味を再現することを大切にしています」と譚仔日本マーケティングが教えてくれたように、麺やスパイスなどにこだわり、オープンまでの準備も本場の味を変えないよう最大限の労力と時間を費やしてきた。
「辛味、酸味、旨味の三位一体スープがクセになります。つるっと、もちっとした麺も食べ応えバッチリ!」、「おいしくて箸が止まらない! クセになる辛さ!」と日本のお客さんからも大好評だ。旅行に行かずとも、香港ローカルの味が食べられるのならば、行列も厭わない気持ちも大いに理解できる。
名前の由来は?
創業ヒストリー
香港を代表する米線のチェーンは2つのカンパニー「譚仔雲南米線/譚仔三哥」に分かれる。香港で暮らす私たちにとってこれらの看板を見ない日はないと言っても過言ではない。その歴史は1996年にまでさかのぼる。
譚(タム)一家は中国の湖南生まれ。その後広東から香港に移住し、1996年長沙灣永隆街にて「譚仔雲南米線」を開店したのが始まりだ。当時は米線を扱うお店もほとんどなかったが、「米線は近い将来、香港の麺文化の主流となる」そんな譚氏の先見の明が後に見事的中することになる。この米線と四川の麻辣を掛け合わせた画期的な発想に、着々と香港中でファンを獲得していく。
譚一家の両親が亡くなった後の2007年、4女夫婦と5男が「譚仔雲南米線」を引き継ぎ、3男のタム・チャップ・クワン氏と6男が「譚仔三哥」を出店。「譚仔三哥」はこの頃よりミシュランガイドの「ビブグルマン」に認定されるなど、めきめきと頭角をあらわすことになる。
時は2017年、日本の丸亀製麺母体のトリドールホールディングス傘下に入ると、さらに出店エリアをワールドワイドに広げていく。「譚仔雲南米線」は華南地区などの中国市場へ、「譚仔三哥」はシンガポールや日本など全世界で約180店舗を構えるビッグカンパニーとなった。近年ではグルメ雑誌アワードの常連であり、アジアブランド発展協会からベストブランド賞を獲得するなど、不動の地位を誇っている。特に3男のタム・チャップ・クワン氏の香港での知名度は非常に高く、その起業家精神、情熱、決断力、インスピレーションなどは、香港の若者へ絶大な影響力を与えている。
「譚仔三哥」人気の秘密
今までにないスープ
私たち日本人からするとスープといえばとんこつ醤油、味噌、塩、ちゃんぽん麺などラーメンのスープを連想するかもしれない。さらには、ラーメンのトッピングといえば、海苔やチャーシュー、コーン、キャベツなど選択肢はそこまで豊富ではない。そんな当たり前のラーメン事情を、この米線はくつがえしてくれた。譚仔三哥では6種類のスープ(三哥酸辣、番茄湯、麻辣、辣、酸辣、清湯)を提供、自分好みのテイストを選ぶのはもちろんだが、前回は麻辣を選んだから、今回はトマトの番茄湯にしよう、など、その選択肢の多さゆえ、いろいろな味の開拓ができる楽しさもある。
また、前述した具材の種類の多さも大いに魅力的。ラーメンといえばチャーシューしかないが、米線ならば牛、豚、鶏肉以外にも、あぶら揚げ、シイタケや、チンゲン菜など、完全なるカスタマイズができるのだ。
※香港の店舗では一部異なるので、 以下紹介するのは日本店舗の内容であることを覚えておいてもらいたい。
三哥酸辣(サムゴーサンラー)
中国酢から来る酸味とスパイスの辛味が合わさり、さらにコクと旨味が加わって、やみつきになる味わい。
番茄湯(トマト)
女性に大人気。トマトのフレッシュな甘さと酸味にスパイスの豊かな香りが相まった、タムジャイ自慢の「驚きのトマト」。
麻辣(マーラー)
花椒(ホアジャオ)オイルとチリパウダーによる辛さとしびれにコクと旨味が合わさった、あざやかで奥深い麻辣スープ。
煳辣(ウーラー)
タムジャイサムゴーでしか味わえない、言葉で表現することが難しい中毒性のある味。焦がしスパイスの香り、風味が際立ったスープ。
酸辣(サンラー)
辛さと酸味があらかじめ調和されてサーブされる。他のスープとは違い、辛さの選択はできない。
清湯(クリアスープ)
なめらかで、すっきりしていながら、濃密な味わいと香りのスープ。全てのスープのベースとなっている。
店員に聞かれる究極の選択「辛さ」。度胸試しのような質問に、少し背伸びしてしまう方は要注意。不辣から特辣までの10段階で、中辣(中辛)でも日本人には辛く感じることも。小辣から始めることをおすすめする。
今回は香港店メニューを掲載しなかったが、この記事を読んでお腹が鳴った方はいますぐ譚仔三哥の店舗へ急いでほしい。香港店限定メニューもあるのでぜひチェックを。また、テーブルに料理が運ばれてくるとポーションが大きいことに驚くかもしれない。具材の食材をついつい頼み過ぎてしまうこともあるので、たんぱく質一品、野菜一品などあらかじめメニューを絞っておくといいだろう。辛さの選択も注意が必要だ。大辛をチョイスした方は、飲み物と鼻水用のティッシュをお忘れなく!
情報元:株式会社譚仔日本
www.tjsamgor.jp
01 好麺線
上級者よ、四川の味を堪能せよ
担々麺慣れした方にしかおすすめしない店。四川の本場を味わうならここだ。
特製の花椒と唐辛子、粉々に砕かれたピーナッツが文字通り舌で踊る。
注文を受けてから茹でるもちもちの麺とヘビー級のスープを一口含むと、予想以上の辛さと幸福感に襲われる。
59 Public Square St., Yau Ma Tei
(852)2332-7938
11:00~22:00
02 稻成亜丁Dab-pa Peking&Sichuan Cuisine
味の秘密は10種類以上の香辛料
真っ赤な辣油がクリーム色のスープに浮かぶ様を目にする。
見るからに挑戦的なスープを一口ほおばるとやってくる辛み。10種類以上の香辛料がブレンドされているだけあり奥深い味わいだ。
豚肉のほかに、ザーサイ、豆鼓、キノコなどここの肉味噌は種類が豊富。
Shop1047, 1/F., Elements,
1 Austin Rd., West Kowloon
(852)2196-8699
月~木 11:30~16:00、16:30~22:00
金~日・祝 11:30~22:30
03 詠藜園
素朴な味わいが根強い人気
ミシュラン獲得のローカル四川料理店。日本人でもここのファンは多いはず。
手打ちの細麵はとにかくしっかりとしたコシがあり、麺をすすること自体が楽しい。
香辛料がしっかりと主張するスープがうまい。改良版にはたくさんの肉味噌が入る。
Shop 102-103 & 105, 1/F.,
Gourmet Place (Site 8),
The Whampoa, Hung Hom
(852)2320-6430
11:00~15:30、18:00~22:30
04 倫敦大酒樓
老舗飲茶の見事な脇役
ガイドブックにも載る有名飲茶店の担々麵は見事な脇役に徹している。
ポーションは小さめだが、肉味噌にはエビとガーリックと大粒のピーナッツ。
そこにゴロゴロと入ったネギがシャキシャキっとした食感をプラスして、箸がまったくとまらずに食べきってしまう。
Good Hope Bldg.,
612-618 Nathan Rd., Mong Kok
(852)2771-8018
7:00~23:00
05 夏麺館
最後まで飲み干せる旨さ
香港に6 店舗かまえる上海料理のチェーン店。
上海料理独特の太麺を使用、もちもち感がたまらない一品。
肉味噌は甘辛く、濃厚な味わい。辛さが苦手な方におすすめできるクリーミー派の代表と言えるかもしれない。
最後の一滴まで飲み干せるほどスープが旨い。
Shop 115C, 1/F., Pionner Ctr.,
750 Nathan Rd., Prince Edwardほか
(852)2111-3998
11:30~16:30、
17:30~22:00(土日祝は通し営業)
06 翡翠拉麺小籠包Crystal Jade
ミシュラン獲得店の麺は格別
麺職人が打った手作り麺。その表面はツルツルで、のど越しが気持ちよいほどいい。
スープだって負けない。豚骨、鶏ガラ、金華ハムなどの食材を8時間以上煮込んだ旨味エキスが凝縮されたスープのとろみと、もちもちの麺が上手に絡んでいる。
Shop3328, 3/F., Gateway Arcade,
Habour City, TSTほか
(852)2622-2699
10:00~23:00
07 上海婆婆336
スープの赤、麺の白、美しい紅白
見た目ほどは辛くない、むしろピーナッツソースがまろやか。
スープの中には特製香辛料のピリッとした香り、そして奥行きも感じる。
つるつるとした真っ白な手打ち麵がスープとからみ、胡麻、ニンニク、豚ひき肉の楽しい食感が加わる至極の一品。
Shop 605-606, 6/F., iSquare,
63 Nathan Rd., TST
(852)2806-1833
11:00~15:45、18:00~21:30
08 Dim Sum Library
四川のスープ&日本の麺が融合
豆板醤、花椒、辣椒などのスープのベースは四川から、
うどんとのど越しが似た麺は日本製のものを使用するこだわりの麺。
そこへこれまた日本から輸入した桜エビに、豚ひき肉、半熟卵、ザーサイをプラスし、
何層もの食感、味わいを楽しめる。
見た目が日本のラーメンのようなのは同店だけ。
Shop 1028B, 1/F., Water Zone,
ELEMENTS, 1 Austin Road West, TST
(852)2810-0898
10:30~21:30
09 上海老家
香港ローカルが愛する味
知る人ぞ知るローカル店でいただく上海風担々麵も悪くない。
辛さを楽しむというよりは、スープのまろやかさとあっさり感を堪能しよう。
それに反してボリューミーにONされた豚の背油を使った肉味噌がインパクト大。
G/F., 61 Chung Wui St., Tai Kok Tsui
(852)9162-3308
11:00~15:00、18:00~22:15
10 鼎泰豊
シンプルだから旨さがひきたつ
みんな大好き鼎泰豊で小籠包に負けない旨さの汁なし担々麵。
麺と辣油、胡麻とピーナッツソース、そしてふんだんに入る刻みピーナッツというシンプルな役者ばかりなのに力強いドラマを生み出す、必食の一品。
Shop 306, 30 Canton Rd., TSTほか
(852)2730-6928
11:30~22:00
一口に「中国茶」といっても、それらは製法によって大きく六大茶類(緑茶・白茶・黄茶・青茶・紅茶・黒茶)とその他のお茶(花茶等)に区分される。細かく分類すると数千種にも及ぶとされるが、安徽農業大学(安徽省)の教授が茶葉の発酵の仕方、および製造方法によって1978年に大別した。その教授が分類した6種類とその他を紹介しよう。
中国における喫茶
中国では「茶」は「茶 チャ chá」とも「茗 メイ míng」とも呼ばれる。唐代に陸羽が著した『茶経』によれば、神農(古代中国の伝承に登場する三皇五帝の一人で、人々に医療と農耕の術を広めた)の時代からお茶が飲まれてきたと言われている。漢の時代に書かれた詩にお茶を表す文字が見られ、それが最古の文献と言われている。当時は、嗜好品というよりも薬としての役割が強く、次第にスープのような食べ物としても利用されるようになった。
中国茶の歴史
茶の飲用は魏晋南北朝時代に今日の四川省の辺りで始まり、次第に周辺地域に広がった。隋・唐代には、お茶を火にかけ煮出す方法や、抹茶、煎茶など、さまざまな楽しみ方がされ、同時に茶器の原型といわれるものが多数考案された。唐代には喫茶の風習が北方民族に広まり、茶と馬を交換する茶馬交易が始まるなど、茶は重要な産物として扱われるようになる。宋代に入って、お茶の新しい製法が次々に考案され、茶の種類が大幅に増えた。この時代、闘茶(聞き茶ともいう。茶の点て方や、茶を飲んで香りや味から産地を推測するなどして、勝敗を競う遊び。日本でも戦国時代に流行した)などの遊びも考案された。
明代に入り貴族と富裕層に限られていた喫茶の習慣が、一般市民へと普及した。朱元璋が1391年に福建省において団茶(茶葉を蒸して固めた、保存のきく製法)の製造禁止を発令し、中国の喫茶法に変化が生じた。固形茶が廃れ、散茶をお湯に浸して抽出する泡茶法が主流となる。それに応じて茶器のなかでも点茶器が廃れ、茶壺など泡茶器の重要さが増した。清代になり茶文化は最盛期をむかえ、茶器が現在使われている茶器とほぼ同じ物になった。
そしてお茶は主要な輸出品となり、わずかしか生産されない初芽を使った新茶は、かつては皇帝に献上され、現代では国家指導者のためと外国来賓の接待用に北京直送されるという。
中国茶の種類
緑茶
特徴:コレステロール値を低下、血管の老化を防ぐ、神経の緊張を緩和
緑茶は茶葉を摘み取ったあとに加熱処理を行ない酸化発酵を止めた茶、無発酵茶である。
加熱の際に茶葉を蒸さずに釡炒りする方法が主流である(日本茶の緑茶は蒸す方法が主流であるが、釡炒り茶も一部に存在する)。お茶の色は日本茶と変わらない。
中国においても、緑茶はもっともポピュラーな茶であり、中国本土で消費される中国茶全体の消費量の7~8割が緑茶である。
なお基本的には無発酵だが、雲峰などの一部の緑茶では、ダージリンの春摘み茶や烏龍茶や紅茶で行われる萎凋(わずかな発酵)を施すものもある。
黒茶
特徴:脂肪分解力が強い、長期保存が可能、カフェインが少なく低刺激
黒茶は緑茶と同じように加熱処理を行ってから、更に後発酵させたお茶で、産地や製法の違いで多くの種類がある。
日本でもよく知られるプーアル茶は黒茶の代表格であり、天然の状態で発酵を促す「生茶」と、コウジカビによる後発酵を行わせた「熟茶」とがある。
いわゆる六大茶類の中で唯一、微生物による発酵(いわゆる本来の発酵)が施されたお茶である。
他のお茶とは異なり、新鮮なものではなく長期に亘って発酵させたものが珍重される。
保存期間は通常は2年から30年、長いものでは百年以上にもおよび、ワイン並みのビンテージものが存在する。後発酵を行うため、独特の風味がある。
青茶
特徴:「ウーロン茶ポリフェノール」による抗酸化作用
発酵度合は緑茶と紅茶の間、茶葉が発酵過程で銀青色(中国語でいう「青」は「黒っぽい藍色」を指す)になるため「青茶」と呼ばれる。
茶の色見は黄褐色、香り高いことで有名。代表格は烏龍茶。程度発酵を進ませてから加熱処理を行った茶で、半発酵茶とも。
ただし、お茶の種類によって発酵度合は10~80%と極めて大きく異なる。
烏龍茶はよく揉みこまれているため、茶葉のひとつひとつが球状、もしくは曲がりくねった棒状になっている。烏龍茶と呼ばれる理由は、色が烏のように黒く、揉みこまれた茶葉の形状が竜の姿に似ているからともいわれる。
日本茶における「青茶」とは同名ではあるものの製法も味も異なる。
紅茶
特徴:解毒作用、カテキン多め
紅茶は茶葉を乾燥させ、徹底的に揉みこむことによって酸化発酵を最後まで行わせたお茶。
紅茶と呼ばれるのは、茶碗に淹れたお茶の水色が赤くなるからである。
中国で製造される紅茶は茶葉の種類により製法の違いがあり、煙で燻したかのような香りがすることもある。
実際に松葉等で燻す正山小種は、紅茶名「ラプサンスーチョン」としてイギリスでも有名である。
白茶
特徴:血糖値上昇の遅延、中性脂肪の合成を抑える
白茶は茶葉の若葉、もしくは芽を選んで摘み、これらをわずかに酸化発酵(萎凋)をさせたところでとろ火で乾燥させたお茶。
揉みこむ工程がないため、発酵はゆっくり進む。
その若葉の産毛が白く見えるところから白茶と呼ばれている。色は金緑色。
一芯一葉で摘まれることがほとんどであり、白茶には高級品が多い。
黄茶
特徴:精神安定、解熱、食道の保護
全体的に黄色い。黄茶は茶葉の芽を摘み、緑茶とは異なるゆっくりとした加熱処理によって酵素による酸化発酵を行ってから、悶黄と呼ばれる熟成工程を経たお茶。
茶葉と水色が淡い黄色であるために黄茶と呼ばれる。
製造量は年に数百キロにすぎず、六大茶類の中でももっとも貴重品。
その他の中国茶(花茶)
特徴:ミネラル、リラックス効果など
六大茶類に花弁の香りを緑茶に移した花茶(はなちゃ)をあわせて七大茶とする分類が一般的(日本人にもポピュラーなジャスミン茶はここに含まれる)で、レストランで花茶を選ぶ際は「香片(ヒョンピン)」と注文する。
なお、この他に茶外茶と呼ばれる分類がある。
多くの茶葉などをブレンドし、好みで氷砂糖を加える八宝茶や、木の根などを使用して茶葉を使わない漢方茶の類などもこの茶外茶に分類される。
席順
日本にも上座、下座などの区別があるので、中華式の席順はなじみ深く感じる方も多いだろう。
中華の場合は円卓のことがほとんど。出入り口から一番離れた席①がホストもしくは最年長者が座り、①の者から見て左に②、右に③と年齢やヒエラルキーの順で左右交互に着席していく。
もしホストでもなく、どこに座ればわからない場合は、なるべく出入り口近くに座るのが無難かもしれない。
ターンテーブルは時計回りに回そう。
相席(搭檯ダットイ)
香港をはじめ中華圏が長い方はもう慣れっこかもしれない相席事情。茶餐廳などに1人で入ると、相席のテーブルに当然のように案内されたことはないだろうか。
広東語では搭檯と言い、香港ではこれも食事のエチケット、そして食文化の一つでもある。待ち時間を減らし、スペースを省略し、ウエイターの動線を少なくする、もっとも効率的でもっとも合理的な文化だ。
個人のプライベート空間を大事にする日本人からすると、他人と面と向かって座り食事を取ることに抵抗を感じる方もいるかもしれないが、大丈夫、相手はまったく気にしていない! リラックスして香港式に食事を楽しもう。
食器洗い用のお湯やお茶
香港ベテラン陣はいつもの儀式として自然とこなせるかもしれないが、初心者からすれば「どうやって洗えばいいの?」と疑問に思うかもしれない。
わからなかったら周りのテーブルをよく見てみよう。提供されたプラスチックのボウルに一人前のお椀やソーサー、茶碗を入れ、お湯かお茶を回しかける。箸は口がつく部分をボウルに入れ注ぐように洗うといい。一通り洗い終わるとウエイターがそのボウルを下げにくる。
茶餐廳では食器洗い用のみとして提供される品質の悪いお茶もあるので注意。それらは飲まずに、別途メニューからお好きな飲料を選択した方が無難。
乾隆帝の時代が発祥?
香港をはじめ中華圏でお茶を同席の者に注いでもらうと、人差し指と中指を2本立ててテーブルにトントントンとする光景を見たことがあるかもしれない。酒の席でも同じで、言葉で「ありがとう」というと会話が止まってしまうので、指で感謝の気持ちを伝えるジェスチャー。この習慣にはあるエピソードに関係があるそうだ。
清朝第6代皇帝、大のお茶好きとして知られていた乾隆帝。在位60年の長寿としても有名で、その健康法がお茶を飲むことであったとはよく言われている。諸説ある中の一つのエピソードを紹介しよう。民間人に扮することが好きだった乾隆帝はある日、プライベートで赴いていたお茶の視察中、ある茶館で皇帝自ら使用人にお茶を注いでやった。使用人は恐縮のあまり、叩頭(膝をつき地面に額をつけお辞儀をすること)をしようと思ったが、皇帝の身分が周りにわかってしまうため、最大限の感謝の意として、人差し指と中指で叩頭をするようなジェスチャー(テーブルをノックする)をして見せた。皇帝はそれをたいそう気に入って、後世にも広がっていったそうだ。
お茶がなくなったら
ウエイターをわざわざ呼ぶ必要はない。ティーポットの蓋を外すことが、ポットが空になったという合図だ。
これにも清朝時代のエピソードが関係していると言われている。清朝後期、ある悪党が賭博に負けかなりの借金を抱えていた。その悪党がある茶館で空のポットに鳥を忍ばせるという悪巧みを企てたのだ。店主がお湯を足そうとポットを開けた途端、鳥(悪党いわく高級な鳥だったそう)は逃げ、悪党から多額の賠償金をせしめられてしまった。この一件から、茶館では同一のルールを設け、お茶が空になったら蓋を外すことがマナーとなった。
魚をひっくり返すべからず
中華圏の沿岸部、漁業が主産業のエリアで言い伝えられる禁忌。魚を返す、つまりそれは船が転覆することを連想させるのでタブー視されている。
魚をひっくり返さず食べるには、まず魚料理の端から箸で身を取っていくといい。そして背骨を取ればだいぶ食べやすくなるというわけ。
ソーサー派? お椀派? 不要な骨や殻はどこに?
多くの中華料理店ではお椀の下にソーサーが置かれている。香港の人はお椀をメインで使い、ソーサーは骨や殻を置く用途で使う人も多いが、ソーサーに食べ物を運び食してもマナー上なんら問題はない。
また、骨や殻、あるいは食べられない食材などは空いたお椀やソーサーに置こう。
テーブルに置いてもマナー違反にはならないので安心して。
料理は少し残した方がいいの?
「料理をきれい残らず平らげるとまだ足りないという印」として中華料理ではNGというしきたりはもう過去のもの。
今では食べ物の廃棄の方が重要視されているがゆえ、気兼ねすることなく食べよう。
ただし、平らげる前に一度、周りにエキスキューズすると親切かも。
香港ではチップが必要?
ほとんどのレストランでは10%のサービス料が含まれるので、基本的にチップは必要ない。
一部サ料のない店舗でもし、いいサービスを受けたり、おいしい料理を堪能できた場合はお釣りの端数をチップとしてトレーに置いておくと○。
茶餐廳は基本チップは必要なし!
上記のほか、お会計時の「買単(マイタン)バトル」は中華の席ではかなり白熱する。「自分が払う」と主張し、請求伝票を取り合う光景はこの国ならではの心温まるものなのかもしれない。
以上、最低限のテーブルマナーを知って楽しく食事タイムを過ごそう!
LockCha 楽茶軒
中国中を旅して見つけた良質な茶葉
30年以上にも渡り続けてきた茶葉の開拓。創業者Yip氏は、中国中をその足で歩き、良質な土地から作られた良質な茶葉だけを追い求めてきた。1991年、みずからも茶芸師であるYip氏によって創設、同店は香港でも茶文化を牽引する有名ティーサロンに。旗艦店の大館店をはじめ、香港公園店、西九龍の戯曲中心店という有名スポットに店舗を構えている。同店の涼茶(ColdTea)を飲んでいただきたい。お茶の芳醇なアロマの香りと苦すぎず、それでいて奥行きのあるテイストに誰もがとりこになるだろう。暑い夏は特に、同店の涼茶を買い求める客や、ティーサロンで涼む客が絶えない、人気店だ。
大館店ほか全3店舗
G06-07, Block 01, Tai Kwun, 10 Hollywood Rd., Central
(852)2276-5777
www.lockcha.com
Yú teahouse 瑜茶舎
ビクトリア湾を眼下にホッと一息
ニューヨーク生まれ、ロンドン育ちの香港人Catherine Yung氏。ここは国家高級茶芸師の彼女が2013年にオープンさせたティーサロンだ。初めて雲南の茶畑を旅したのは2006年。高いビルばかりが連なる都会で育った彼女を魅了したのは、茶葉の香りとお茶を飲む時の静けさ、そして落ち着き。いくつものプランテーションに赴き、彼女自身も勉強や経験を積み、やがては国家高級茶芸師、国家高級茶評員となった。今では某大手ホテルなどにもお茶のコンサルタントとして手ほどきを行う、その活躍ぶりは多岐にわたる。ここでは300種類以上の茶葉を取り揃え、客の好みに合わせてチョイスしてくれるほか、定期的にワークショップを開催。お茶の楽しみ方、茶器の選び方、親子で楽しめるワークショップも人気だ。
L230, 2/F., The Eslite Spectrum, Star Annex, Star House, 3 Salisbury Rd., TST
(852)3419-1089
www.yuteahouse.com
10:00~19:00
Plantation by Teakha
お気に入りの茶葉や茶器が見つかる憩い
「すべての茶葉は忍耐と技術と愛情をかけて育てられたもの。だからお茶農家の方々を私はヒーローと呼ぶの」と話すのは同サロン創始者のNana Chan氏。香港においてモダンティー文化を定着させたのは彼女の貢献が大きいかもしれない。さて、究極の茶葉とは、丹念に手摘みされた良質な茶葉を、これまた丹念に焙煎させていくこだわりの製造過程が特徴。自身もお茶好きと豪語するNanaさんは「小さな頃から家族が一緒になってする下午茶が好きなの。一日の最も幸せな時間だわ」、そんなよき思い出をシンプルでナチュラルな内装のサロンの中に散りばめている。中国、台湾、インド、日本などから取り寄せた茶葉を、常駐するお茶マスターが試飲させてくれたり、中国茶マスター講座なども随時開催中。ふらっと癒しの時間を過ごしに出かけてみよう。
18 Po Tuck St., Sai Ying Pun
(852)3482-2660
discover@plantation.hk
12:00~19:00