銅鑼湾(コーズウェイベイ)ラーメン「金田家」大将の金田和浩さんインタビュー

2015/06/30

 

金田家大将

 

銅鑼湾に金田家がオープンして1年が経った今でも定期的に味のチェックに香港を訪れるという金田さん。ロンドンでも一世を風靡している金田家が香港で誕生したストーリーを改めて伺った。

 

◉香港に出店したきっかけは何でしょうか?
トニー(金田家香港オーナー)が2013年8月に福岡のお店に一人で来ました。彼は東京からラーメンの食べ歩きをして、福岡県行橋市の金田家の本店に辿り着いたんです。金田家のラーメンをとても気に入ってくれて、どうしても香港とロンドンに金田家を出店したいと申し出てきました。それから一週間通い詰めて来たんですよ。彼の決して諦めないという姿勢と情熱に心を動かされたんです。彼をサポートしてやりたいとね。自分のところのラーメンをやりたいと聞いて嬉しかったですね。
◉トニーさんが来る前から海外出店は考えていたのでしょうか?
全く考えていなかったですね。東京や大阪にもいずれ出せたらいいな、と漠然とは思っていましたが、とりあえず本店を守れればいいという感じでした。

今までもフランチャイズをやりたいという人たちが大勢来ましたが、トニーの情熱は彼らたちのそれとは違いましたね。
◉香港店をオープンするまでには様々な苦労があったかと思いますが…。
同じ年の11月にトニーの共同経営者のサムとアーロン(現ロンドン店店長)が修業に来ました。二人ともラーメン作りなんか全然やった経験は無く、最初はよくスープを焦がしてくれましたよ。特にサムが。しかし彼が一番伸びましたね。とて
も頑張っていましたから。
香港での苦労は何もかもが日本とは違うこと。水、豚骨、作り手、環境、まるっきり違う。腐った豚骨を持って来られた時もありましたよ。ゼロから日本と同じ味のラーメンを作るのって大変なんですね。同じ味でないと看板は出せませんから。

金田家のラーメン
◉金田家のラーメンと言えばあの「泡」が特徴的ですが…。
泡立つラーメンがごく自然に生まれたきっかけは・・・。出来上がったラーメンを見たら泡が立っていた。ただそれだけなんです。泡は狙っているわけではなかったが、泡は濃厚じゃないと出ない。金田家のラーメンは濃厚だがクドくなく、アクを丁寧に取っているので臭みも無い。とにかく丁寧に丁寧に。ただひたすら丁寧に作っています。
◉大将の経歴も興味深いですね。
わたしは元々競輪選手でした。ある日、交通事故に遭って首を痛めてしまいました。一応復帰はできたのですが、ほどなくして現役を引退しました。それから3年間プータローをしていました。第2の人生をどうするか考えていた時に一生懸命になれるものを探したらラーメンだった。小さい頃からラーメンが大好きだったんです。しかし年齢が年齢なだけあって修業をさせてくれるお店は無かった。それからラーメン店を食べ歩き、自宅の庭の納屋で独学で作り始めました。金田の家から始まった。だから「金田家」。そのままです。人に食べてもらえるレベルになったのは1年半から2年くらい掛かったで
しょうか。47歳のときの2009年に、行橋市のひと気のあまり無いエリアの長屋の一角にオープンしました。
◉これからの香港店はどうなっていくでしょうか?
色々と難しいところはたくさんあるが、前に進んでいくしかない。香港人は濃いよりもさっぱりしたものを好んでいるかもしれないが、スタンスは変えたくない。お客さんのニーズに合わせるのも大事だが、自分の店の色が消えたら意味がない。貫く。変えないでいく。変えないで昨日よりも今日、今日よりも明日。ただ美味しいラーメンを提供するだけですね。
★食べログ「福岡ベストラーメン 2012、2013」第1位
★「北九州ラーメンフェスティバル」2011,2012年人気投票2年連続第1位
★2013年最多売り上げ賞(5時間で1901杯)
金田家
住所:G/F., 34 Tang Lung St., CWB
電話:(852)2889-3355
時間:12:00~23:00 無休
フェイスブック:kanadayahk

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