風水の奥義を行く!これから先を読み取る、の巻
中国で生まれ五千年以上の歴史ある風水。
ここでは香港の伝統的な風水をご紹介しながら風水の奥義に迫ります。
第138回 これから先を読み取るの巻
◆AIが鑑定する風水◆
「困ったよ、お客さんから全然依頼が来ないよ。」
香港人の仲間の風水師から最近こんな声を聞くようになりました。風水鑑定もAI化しているようで、顧客からAIを活用している風水師さんに住所や建物の平面図等をSNSで送るとすぐにアドバイスが返ってくるので、伝統的な風水を貫く孟意堂の仲間たちへの依頼が減ってしまったようなのです。
このAI風水師さんは実は現場には現れません。だから風水師さんとのアポイントに時間を取る煩わしさもなく、鑑定によるアドバイスも玄空飛星法という分かりやすくシンプルなアプローチのみで、その対策も簡単便利、誰にでもできることばかりだそうです。風水には興味があるし鑑定しないとちょっと不安、でも実際に鑑定してもらうと料金は決して安くはない、という消費者のニーズに寄り添い、AIのみを使った風水で対応しているからなのでしょうか。時代はどんどん変化してるんだから古臭い方法で風水鑑定なんてしているんじゃないよ、AIを駆使することが進化した風水なんだよ、と云わんばかりに香港ではAIの風水が受け入れられ始めてきているようなのです。
◆第九運という変化◆
後天第八運(2004年-2023年)から後天第九運(2024年-2043年)へと移り、風水に対する人々のニーズだけではなく我々風水師の心のあり方も変わっていくことは、風水師であればもう随分と前から知っていたはずです。
実際、時代が後天第八運から後天第九運へと移行していく中、状況はどんどん変化しています。変化しているのはそれだけではありません。後天第八運は八卦では「艮(うしとら)土」が司る時代、つまり土エネルギーが旺じる時期です。土エネルギーの業界である風水は、同じく土エネルギーの不動産業や建築業と共に後天第八運という時代を牽引してきました。ところが後天第九運は八卦の「離(り)火」が司る時代、言い換えれば火エネルギーが旺じる時期で、火エネルギーの業界であるテクノロジー、IT、ゲーム、携帯電話等がより活躍できる時期に移ります。ちなみに火エネルギーの業界には上記以外に電気ガス、照明、飲食業、エネルギー関係、そして美容や宗教、芸術、エンターテーメントなどの華やかな産業も含まれます。
後天第八運から後天第九運への変化は人々の心のあり方にも影響しています。土エネルギーの影響を受ける後天第八運には大地のようにじっくりと考え慎重に行動する傾向がありますが、後天第九運に入ると火の如く、強いと思えばすぐ弱くなり、しょぼんとしていると思えば急に熱くなる。つまり変化が激しく、そのため人々は不安になりやすい傾向が表れるのです。
◆孟意堂風水的これから先を読み取る奥義◆
風水は「玄空飛星法」や「八宅法」や「水法」等のどれか1つの手法だけでは判断しにくいものです。洋菓子のミルフィーユが何層にもある味わいを合わせて食べることで美味しいと思えるように、何層にも重なる手法を総合的に検討し最適な方法を見つけて実践するのが本来の風水の醍醐味です。こうしたことはAIやARが発達しても人にしかできないのでは、と思います。
それからもう一つ。今年開業していいのか、もう少し先の方が良いのか?今の仕事を辞めてしまってもいいのか?昇格のチャンスはあるのか?今年引越しをした方が良いのかそれとも数年後にする方が良いのか?といった人生の重要な問題に対してAIのように蓄積された情報から答えを見出す方法はもちろんあるでしょう。しかし、これから先という観点から見て今後何が起きるのかを予測し、何を選択したら良いのかを見出す方法はありなはずです。人のチカラは無限大。AIと争うつもりは毛頭ありませんが、人間である私たちにしかできないことはまだたくさんあります。それをその時代に合った風水に改良していく術は、ちょっと難しいですが人がきっと見出せることだ、と思っています。
彦坂 久美子
<プロフィール>
名古屋市出身。中国古代からの知恵である風水に魅かれ、著名ブランドが認めた風水師デビッド・ソー先生の弟子として無常派風水に師事。易経を含めた玄学に長年携わり、漢五派第七十三代嫡系・孟意堂として住宅、事務所、店舗等の風水、開業や引越し、結婚等の日取りの選定、四柱推命で人生の様々な問題やニーズに対応している。著書に「金運を引き寄せる孟意堂風水(廣済堂出版)」がある。
孟意堂
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