世界を取り巻く金融の本質。Borderless Management & Investment Ltd.

2015/01/05

Borderless Management & Investment Ltd.

どこかインチキ。。
投資や金融に携わっている身でそう言ってしまっては身もフタもないが、それが世界のマネーというものに対する私の率直な感想だ。我が国の通貨である日本円はこのところ急激な下落に見舞われているのは周知の通りである。約2年前は1ドル=80円ぐらいだった。12月下旬は1ドル=120円ぐらいで推移している。スターバックスのラテのグランデサイズはアメリカでUSD3.55である。これを日本円に換算すると2年前は284円だった計算になる。今アメリカで同じラテを注文すると426円もする。まったく同じコーヒーが50%も割高になっている。

 

日本円の価値は著しく減耗した。この主な原因は2013年4月に日本銀行が日本円の発行量を大幅に増やす「金融緩和」を決めたことだ。2つの交換可能な通貨の関係において、一方の通貨の量が増えればそれはもう一方の通貨に対して安くなる。かくして量の増えた日本円は米ドルに対して安くなり、284円でコーヒーが買えなくなった。良い悪いの話をしているのではない。実際に金融緩和をおこなった2013年以降、消費税増税の影響を除けば日本の景気が回復しているのは多くの人がが感じている通り。これを悪いことだという人は少ないだろう。

 

重要なのは自分の持っているお金の価値が政府や中央銀行の政策の決定ひとつで簡単に変わってしまうということだ。我々の資産は我々の力が及ばない「何者か」の決定によって増えたり減ったりするのだ。2008年、大事件が世界の金融界を揺るがした。アメリカの低所得者層向け住宅ローンであるサブプライムローンに関連して、投資銀行リーマンブラザースが破綻、その余波で世界中の株式市場が暴落した。いわゆるリーマンショックに端を発する世界金融危機である。あのあとアメリカがQEと呼ばれる大規模な金融緩和を始めた。米ドルを刷って刷って刷りまくった。目的は国内に潤沢な資金を供給し内需を活性化させ、ドル安の状況を作り出して輸出を振興し経済危機を脱することである。

 

一方でその頃、日本は円高とデフレに苦しんでいた。国内において日本円の価値が高まると物価が下がりデフレを引き起こす。外国為替市場において日本円の価値が高まると円高を引き起こす。デフレは商品の販売をする企業の売上を悪化させ、ひいては従業員の所得を下げる。円高は日本製品の海外における価格を割高にして、やはり企業の売上を下げ、従業員の所得を下げる。デフレや行き過ぎた円高は国内の景気を急激に悪化させるのである。このデフレや円高に対する特効薬がある。いままで何度も名前が出てきている「金融緩和」だ。だが、そのとき日銀は抜本的な金融緩和は行わず、日本経済はむざむざデフレと円高にもがき苦しみ続けた。不景気は長引き、就職氷河期、非正規雇用、格差の増大と国民生活に甚大な悪影響をもたらした。日銀がようやく金融緩和に踏み切ったのは2013年4月のことだった。その後の経緯はさきに述べた通り、デフレが克服され、今度は円安になった。お上が作り出す為替変動に対し、我々庶民にできるのはできるだけいろいろな通貨で資産を保有する、つまり通貨分散を進めて行くしかないのかもしれない。

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玉利将彦

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