深センものがたり 第17回
吾輩は犬である その8
吾輩は犬である。名前はまだ無い。ノラ犬なので当たり前だ。
先月深センにやって来た日本犬に続き、欧州犬が仲間になった。3匹ともノラ犬なので名前は無いが、コラムにするのに呼び名をつけたよ。
陳(深センに住むコラムの主犬公)
健(東京から来た旅犬)
愛(ロンドン生まれの可愛娘犬)
=初冬のある日、深センの公園=
健:ハ~イ、愛ちゃん、ナニして遊ぼうかな?
陳:おいっ、ここはボクのホ-ムや、アウエーの旅犬が仕切るな!
愛:そぉねぇ、あの木陰でティータイムなんかどぉ?
=さすがロンドンっ子である=
陳:よっしゃ!そこらで骨のガムを探してくるで~
=そこらに、そんなものが落ちてるのか?=
健:愛ちゃんの趣味はなに?やっぱりファッションとか、お化粧とかかな?
愛:ふふふ、私はサッカ-が大好き。以前はイングランド代表だったの
=犬のワ=ルドカップなど聞いたことがない=
健:おい、陳、なにやってるんだ?短足がからまってるぜ
陳:サッカ-のフェイントやぁ、見てわからへんのかぁ…ドタっ(短足がもつれて倒れた)
愛:雲ひとつない青空、すっごく気持ちいい~
健:そうだねぇ、深センがこれだけ心地良いところだなんて知らなかったよ
陳:深センでは11月から12月が年中で一番過ごしやすい気候やねん 陽が照っても暑くないし、風も吹いてるし、空気もおいしいやろ
愛:来年の春まで深センで過ごそうかなぁ、私は寒がりだから
健:そうだねぇ、ボクもそうしようかなぁ
陳:おいっ!お前はさすらいの旅犬やろが、はよ旅立たんかい
愛:ねぇ、陳君、なぜ深センは大都会なのに空気がきれいなの?
陳:山と海の風が交互に街を吹き抜ける地形的な特徴と、煙害の工場が少なく、電気自動車が多く、バイク禁止等の政策も要因やねん、 街の東にあるウ-トン山麓は更に空気がうまいでぇ
愛:へぇ~、明日にでも行ってみようよ
陳:うん、自然がいっぱいやで、妖精たちや “ものの怪(け)”にも出会えるで
健:(なに!ものの怪⁉ こわぃ…) あ、あの、明日ボクは用事あるのでやめておくよ
=さて、日も暮れはじめ、食事の時間がやってきた=
健:腹もへったし、メシでも食いにいこうぜ
陳:深センには中国各地の郷土料理店がたくさんあり、レベルも高いで!オレのお薦めは四川省名物『麻辣火鍋』や!たくさんの漢方で発汗を促進し、クコの実や紅ナツメは老化防止、精力増進、美肌にも効果あるねん。
鮮魚やエビ団子は麻辣ス—プが絡み、羊肉を食うたら体がほっかほかになるでぇ~
愛:私は甲冑類が好き!サソリやタガメもあるの?蛇でもいいよ、猛毒キングコブラなんか大好物♪
健:(えっ!サ、サソリ、蛇…)ボ、ボクは用事思い出したのでやめておくよ、ざ、ざんねんだよ…
=意外にヘタレな旅犬である=
さて、長くお付き合い頂いたが、このコラムはしばらくお休みさせてもらう。これからも深センの街で自由気ままに暮らすよ。
吾輩は犬である。名前はまだ無い…。
深セン在住18年のベテランコンサルタント
宮城 紀生
miyagi@waya.net.cn
深セン華日(ワーヤ)コンサルティング
会社設立・運営、法律相談、会計財務税務
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