レトロな歴史建造物、広州の西堤を散歩

2014/03/17
愛群大廈

ホテルと歴史建築物の2つの側面を持つ「愛群大廈」

西堤と呼ばれるエリアは、ガイドブックなどで紹介されることは少ないが、西洋文化の影響を受けた建築物が残され、街の散策にはもってこいの地域だ。
最寄り駅は地下鉄だと海珠広場。A出口を出て珠江川沿いの大通り沿江西路を、西に約15分歩くと右手にホテル「愛群大廈」が見えてくる。1937年に建築された、中国で初の高層鉄筋構造のビルだという。1937年~1967年の30年間、「広州第一高楼」として威容を誇った同ビルは、三角形の構造で、繁体字で「愛羣」と書かれているのが趣深い。13~17階には「陶源居」という老舗広東料理レストランがあり、昼は飲茶を求めて地元客で賑わう。さらに西に進むと「広東郵政博覧館」がある。建物は既に約百年の歴史があり、2002年から省級文物保護単位と公的に認定された。現在、郵便サービスの提供だけでなく、郵便局の歴史なども学ぶことができる施設になっている。
広東郵政博物館そしてハイライトは「粤海関博物館」広州分館。1916年にイギリスの建築家・David CDick氏によって設計、建築され、「海のシルクロード」の玄関口、広州の海関(広東税関)として使われていた。海関としては上海などよりも歴史があり中国で最も古いという。興味深いのは、同建築物の英語表記が「CUSTOM HOUSE」ではなく、「CVSTOM HOVSE」となっていること。これは竣工当時、ラテン文化が流行しており、ラテン語の「U」と「V」が共通するという習慣もそのまま使われたと考えられる。
雲南より運ばれた大理石で建てられた建物の中に入ると、重厚感のある作りに圧倒される。高い天井、太くどっしりとした柱、レトロな柄の床、階段、各部屋に設けられた暖炉・・・そこかしこに当時の西洋の香りを感じることができる。一般の見学者に開放される時間は極めて短いので、興味のある人は下記インフォメーションを要チェック。

粤海関博物館広州分館

 

愛群大廈
住所:広州市越秀区沿江西路113号
広東郵政博物館
住所:広州市越秀区沿江西路43号
粤海関博物館広州分館
住所:広州市越秀区沿江西路29号
時間:入館は毎週水曜日のみ。
パスポート持参、開館時間は要確認。
電話:(86)20-8110-2362
アクセス:広州市内から車で約1時間

※2014年2月の情報です。料金や営業時間などは変更することがあります。
※沿江西路は交通量が多く、建物全体を見るために道を渡るときは車に要注意。

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