日本の常識・中国の常識「電話応対」

2018/04/06

日本ではあたり前のマナーが海外では全く通用しないという経験、海外生活をしている方なら一つや二つあるはず。マナーにはそれぞれの文化の違いが如実に表れるもの。今回は電話のマナーについてのお話。日本では社会人としての基本中の基本として必ず教えられる電話応対。特にビジネスにおいては、電話のかけ方・受け方ひとつで会社のイメージが左右されることもある。そんな常識を持つ日本人は、中国に赴任してとても驚かされることになる。どんな違いがあるのか探ってみよう。

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日本の常識:かける側は、まず自分の会社名、部署、氏名を名乗る。その後、「いつもお世話になっております」といった挨拶、そして用件を告げる。 ビジネスシーンにかぎらず、日本ではかけた側がまず名乗るのは常識だ。受ける側は、「お電話ありがとうございます。(会社名)でございます」と、名乗る。かけた側も受けた側も自分が誰で相手が誰かを確認する作業が最初に行われ、その後用件となる。

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中国の常識:かける側は、何の前置きもなく「○○いますか?」と言ったり、その人が直接出たことがわかればいきなり用件に入る。受ける側も一応、「はい、もしもし」に相当する䏟、你好(ウェイ、ニイハオ)」と言いましょうとはいわれるが、「喂(ウェイ)」だけの場合も多い。中国では電話で最初に名乗るという習慣はあまりみられない。「䏟、你好」と言ってくれる相手はなかなかの会社で、更に会社名を名乗ってくれるなら相当丁寧な対応ということになる。こんな対応をしてくれるのは恐らく外資系企業と取引のある会社ぐらいだろう。受けた側は、相手がわからない場合、「請問,你是哪位?(どなたですか?)」と尋ねる。すると、相手は「○○会社です」と、会社名を教えてくれる。それでも自分の名前を名乗ることはほとんどない。たとえその会社が従業員数千人規模の会社でも「わたしは○○会社だ」と名乗る。

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中国人同士のプライベート電話でも名乗ることは少ない。登録してあれば相手の名前が表示されるので、相手が誰かわかるとしても、よほど親しい相手でもないかぎり日本人にとっては抵抗がある。しかも、「請問,你是哪位?(どなたですか?)」と言うと、相手が声を覚えてもらえていなかったとショックを受けるので気軽には言わない。ちなみに日本では携帯にかける場合相手の都合を確認するが、中国ではこの習慣もない。ただ、相手の都合の良い時間を考えて電話をする習慣はあるようだ。例えば、午睡(昼寝)の習慣がある中国北方の地方都市ではこの時間の電話を控える人が多い。この時間に電話が鳴ると何か緊急事態があったのかと相手を驚かせることになる場合もあるとか。 相手に失礼がないようにというのが日本流、とにかく用件を伝えるのが中国流。電話作法も「郷に入っては郷に従う」、多少の抵抗はあるかもしれないが中国流に慣れて円滑なコミュニケーションを図ろう!

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