七輪焼き 「炭寅」
七輪を前に、静かに炭のはじける音を聞く。網の上の一夜干しからは、えも言われぬよい香りが漂ってくる。古来より海産物は「遠火の強火」で焼くのが一番といわれているとおり、炭火の遠赤効果でじっくりと炙るように焼いたものは、美味しさが違う。そんな焼き物を“七輪居酒屋”ならではの落ち着いた和空間で、友人とお喋りしながら楽しんでみたい。
食事とお酒を七輪焼き専門店で
シンプルな木目のインテリアが、和テイストをより上品に引き立て、暖かな光溢れる居心地の良い空間を作り出している。同店は刺身・煮物・釜めしなどの和食を中心に、豊富な居酒屋メニューを取り揃え、お酒とともにじっくりと炭火焼きの味を堪能できる店だ。極上の素材を炭火七輪で焼いて、お酒と共に嗜む贅沢。選んだ具材を七輪に乗せ、自分で焼いて楽しめるスタイルの網焼屋といったところだろうか。同店はよりよいものを提供したいという思いから、メニュー考案には日本人常連客の声なども積極的に取り入れており、料理研究には余念がない。日本直輸入の食材にこだわり、関東よりの味付けには定評がある。
炭火によって引きだされる旨味
七輪焼きにおける“炙りもの料理”は、目の前で焼き上がっていく様を楽しむものであると思う。食材をじっくり眺めて、焼き上がりを待つ時間を大切にしたい。その分、食す時も大切に、じっくりと味わおうと思うことができる。人気メニューは炭寅名物「炙り物五点盛り」や「蟹味噌甲羅炙り」などだ。蟹甲羅のふちからグツグツと焼き上がる様を眺めていると、生唾が止まらない。しかし気分だけのものではなく、本当に美味しく仕上がっているのも事実で、炭火はホクホク感やジューシー感をも生み出してくれる。海産物は余分な水分を抜くと旨味成分が濃縮され、旨味が増すのだ。
炭火料理が美味しいわけは赤外線によるものである。炭火はガス火の4倍ほどの強い遠赤外線を発し、この赤外線がさまざまな「うまい!」の要素を生み出している。表面を均一に素早く焼き上げ、食材を硬化させるため、内部のうま味を閉じこめる働きがあると言われている。そして素焼きでできている七輪自体もまた、加熱されると強い赤外線を発生するという特性をもっている。炭火と七輪は「美味しい」を生み出す最強のコンビだと言っても過言ではない。炭火の不思議なエネルギーはこうした調理法だけでなく、暖かい炭火の炎は眺めているだけで気持ちを豊かに、また、癒しや安らぎ効果を与えてくれる。
こだわりの素材と、豊富なアルコールメニュー
極上の厚切り肉を食すなら「和牛ヒレ肉炭火焼き」だ。オーナー自ら厳選した牛肉を使用し、最も旨みのある部分を最も美味しい状態で食べられるよう、仕込みには多くの手間と時間をかけている。極上馬刺しは、初めて食べる中国人も多く、その深紅に輝く肉刺しは、意外にも好評を博しているという。
一夜干しは一般的に焼酎で嗜むのが通のスタイルと言われているが、オススメは醸造所とのコラボから生まれた同店オリジナル日本酒「炭寅(アルコール度15度)」だ。他にも日本酒には甘辛・辛口・フルーティーな口当たりの甘口日本酒など、自分に合ったお酒を探してみたい(全ての日本酒は一合(180ml)から楽しめる)。ハイボールは「フラワーハイボール」「ミックスフルーツハイボール」「ウィスキーハイボール」など、そしてチューハイ(柚子・マンゴ・もも・りんご・アップル・グレープフルーツ)も種類豊富だ。二つの個室(4名・10名)を有し、最大で45名までの宴会も可能なので、こちらも是非利用したい。
炭寅
住所:広州市天河区体育東路74号2階211舗
電話:(86)20-8551-8986、
(86)134-3533-3106(えり・日本語可)
時間:17:30~24:00(L.O.23:00)