中国人家庭の定番、中華料理にはトマト

2014/07/23

中華料理にはトマト

「中華料理の定番といえば?」日本で尋ねたら、餃子、マーボー豆腐、チャーハン・・・といった答えが返ってくる。中国で生活している方はお気付きだろう、たいへんポピュラーでしかも日本人の口にも合う中華料理が、日本では意外に知られていない。その1つがトマトを使った料理。今回はトマトにまつわる中華をご紹介したい。

トマトのふるさとは南米と言われ、百年以上前に中国に伝わった。広い中国、北と南でトマトの呼び方にも違いがある。一般に、北方の人々は「西紅柿(xi-hong-shi)」と呼び、南方の人々は「番茄(fan-qie)」と呼ぶ。「西」と「番」は、共に外国から入ったものであることを表しているが、それぞれ連想するものが違った。一方が「柿」、もう一方は「ナス(茄子)」だった。いずれにせよ、新たに入ってきたこの食材は中華料理に取り込まれた。

代表的な料理は「トマトと卵の炒めもの」(「西紅柿炒鶏蛋」または「番茄炒蛋」)というシンプルな料理だ。この料理、作り方は簡単、味も最高、見た目もきれいと三拍子揃っていることもあり、あっという間に中国各地に広まった。今では、中国の国民的なメニューとして知らない人はいない。単品のおかずでも良いが、ご飯やゆでた麺にかけて食べるなど、いろいろなバリエーションがある(ご飯にかけたものは「番茄炒蛋蓋澆飯」、麺にかけたものは「番茄炒蛋蓋澆面」または「西紅柿炒鶏蛋拌面」)。

トマトと卵を使った料理は中国人にとってはとても身近な誰もが知るメニューなので、卵とトマトの炒めものやスープと聞くと、食べたことのない人にとっては意外に思えるかもしれない。でもちょっと考えれば、オムレツにトマトケチャップをかけて食べるように、この組み合わせはとても良く合うのだ。本場の手軽で美味しい中華料理、まだ食べたことがないならぜひお試しを!

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