カバーストーリー 2022年9月第3週号「 秋こそ乾燥に注意」

2022/09/14

9月に入り、すっかり秋の陽気を感じる広州。あの蒸し暑い夏も背中をこちらに向けてあっという間に来年のシーズンへと去っていった。中医学では、「春夏は陽気を養い、秋冬は陰気を養う」と言われるように、これからの季節は夏に疲れた心身を養生する時期なのだ。秋冬の天候は乾燥しやすいため、特に肺を乾燥から守る必要がある。生活の中にあるささいなことから気をつけてみよう。スクリーンショット (1868)

起居養生
秋は早寝早起きをし、羽織ものなどで体温を上手く調節し、風邪で肺を傷つけないように気をつけたい。

精神養生
秋冬になると気温も下がり、憂鬱な気持ちになる人が多く見られる。秋こそ心の静けさを保ち、楽観的に物事をとらえるように心がけたい。すべての悩みを捨て(なかなか難しいことではあるが)、悲観的な考えを避けるようにすることで、肺を養生すると考えられている。

飲食養生
秋は酸性の食べ物を多くとることをおすすめする。例えば、リンゴ、ミカン、キウイフルーツ、大根、梨などを多く食べて、肺の気を高める効能があるそうだ。反対に、ネギやショウガなどの辛い食べ物を少なく摂ることで、下痢を避けることができる。また、豆腐、百合、蜂蜜、もち米、ゴマ、もやしなどは肺を潤す作用があり、注意してとりたい食品。また、鶏スープなどで栄養を蓄えることもおすすめ。

運動養生
「スポーツの秋」と日本でも言われるように、秋は運動をする絶好のチャンス。中でも、登山、太極拳、水泳など、有酸素運動と言われる長時間に渡るスポーツを行うことで、心肺機能を高めることができる。

薬物養生
漢方による栄養補充の目的は、秋は特に身体の潤いを補うことが最優先。よく使われる漢方は西洋参(アメリカ人参)、砂参(シャジン)、芡实(オニバス)、玉竹(アマドコロ)などである。これらは単独で豚肉と一緒にスープに入れ、飲むことが多い。スクリーンショット (1867)

上記以外に、秋は口や鼻、皮膚、大便などが乾きやすい「燥」の季節とも言われている。そのため、イライラしやすく不安などの症状があり、医学的には「秋燥症候群」と呼ばれている。こんな時、漢方医は麦冬(バクドウ)、キクの花、ユリなどを水に煎じて飲み、陰を養って肺を潤すことをすすめている。

つらい暑さも過ぎ去り、美しい紅葉やピクニック、森林浴など外出が楽しくなる秋。生活リズムを少しずつ気をつけながら、身体の調子を整え、充実した「秋」ライフを過ごしていただきたい。(PPW編集部)

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