中国茶「工夫茶舎」PMQ 中環(セントラル)
工夫茶舎
一見トレンディーなものばかりが入っているセントラル(中環)のPMQだが、1階にひっそり店舗を構えているのが、お茶の「工夫茶舎」だ。自家焙煎の茶葉や精緻な茶器の販売の他、店員さんがお茶について親切に解説してくれる講座も行なっている。
今回解説してくれたのは茶芸指導員、劉原亦Yikさん。いつもニコニコと笑顔を絶やさないYikさんは、有名な中国茶専門店「劉裕発茶荘」の3代目だ。品茶文化(お茶そのものを楽しむ文化)が盛んな潮州出身なので、お茶ついての知識は子供のころから自然に身についたという。お茶の中で一番工夫が必要だと言われる「工夫茶」もこなしているが、なぜ現代人にこの芸術があまり理解されないのかと嘆いている。
時間をかけて丁寧にお茶を淹れる工夫茶は、まさにお茶愛好者の究極の楽しみ方と言っても過言ではない。過去にはより深く香りと味を楽しむために発達してきた方法として認識されていたが、生活のテンポが速い現代社会ではゆっくりお茶を味わう余裕もなくなってしまった。そのために、このお茶の楽しみ方を広めたいという思いで工夫茶舎をオープンした。
そんな同店は、近年茶葉と茶器の商売だけでは満足できなくなった。お茶を味わうには、茶の色、香り、味わい、1つを欠けてはいけないというが、誰でも簡単に中国茶を楽しめるようにと、パッケージを工夫したり、お茶教室を開催したりなどの活動に積極的に取り組んでいる。「ただお茶を売るだけではありません。お茶の文化もぜひ理解してほしい」とYikさんは心を込めて語る。
1961年に創立した劉裕発茶荘は、楽富広場に本店を持ちながら、同時に「保育」をコンセプトとするPMQに、工夫茶の素晴らしさを現代香港人に啓蒙するため、「工夫茶舎」を出店した。
お茶をさらに深く知ろうという方にも、茶葉を土産として購入したいという方にも、お気軽に利用できる店だ。
工夫茶舎
住所:S105, Block A, PMQ, 35 Aberdeen St., Central
劉裕発茶荘
住所:Shop 2113, 2/F., Phase 1, Lok Fu Plaza, Kowloon
ウェブ:http://www.teahouse.com.hk