香港最強パワースポット & 風水事件簿
エネルギーに満ち溢れる香港の中でも、特に訪れたいパワースポットを厳選してご案内!ここに行かずして香港のパワーは得られず!さらには、風水を重視するこの地ならではの一風変わった訴訟やいざこざをご紹介。ちょっと笑ってしまうような、日本では考えられないトラブルの数々をお見せしよう。
一度は訪れたい
香港最強パワースポット
中秋節ドラゴン祭りの点火地「蓮花宮」
銅鑼湾の下町情緒あふれるエリア、大坑(タイハン)にある「蓮花宮(リンファクン)」。1863年に建てられた寺院で、今では香港屈指のパワースポットとされる。建物は特徴的な半八角形をしており、正面には洋風の手すりが付いた小さなバルコニーを備えるなど、香港に数多ある寺院のなかでも異彩を放つ。内部の見どころは、何といっても天井を舞うドラゴン。中秋節の伝統的な祭り「大坑舞火龍(タイハン・ファイヤードラゴンダンス)」に出てくる火の龍が描かれており、祭りの際に無数の線香で作られる龍の眼もここで点火される。4年ぶりに完全復活する大坑舞火龍もお見逃しなく!
Lily St., CWB
www.ctc.org.hk
大坑舞火龍2023
9月28・29日20:15~22:30(29日22:45~23:30はビクトリアパークでも開催)、9月30日20:15~22:00
おすすめ鑑賞場所は大坑・浣紗街
www.taihangfiredragon.hk
“無限”に並ぶ木柱が神秘的「心経簡林」
心経の教えが刻まれた38本の木柱が、無限を意味するインフィニティの形に並んでいる「心経簡林(ハート・スートラ)」。ランタオ島にある世界最大の屋外大仏、天壇大仏から徒歩15分ほどの場所にあるが、ここは風水的に気の集まる場所とされている。天に向かって立つ大きな木柱は青空にもよく映えるが、山の中にあるため霧に包まれることも多く、天気の悪い日でも神秘的な雰囲気をかもしだす。
Ngong Ping, Lantau Island
www.tourism.gov.hk/wisdompath
全ての望みを叶えてくれる「黄大仙廟」
香港イチ有名なパワースポットと言っても過言ではない「黄大仙廟(ウォンタイシンミュウ)」は、道教・仏教・儒教の3つの宗教が融合した三教同源の寺院。年がら年じゅう多くの参拝客が訪れる秘密は「有求必応」にある。「求めれば必ず応える」、つまり「全ての望みを叶えてくれる」という意味だ。この寺院、獅子山(ライオンロック)のふもとに建てられているが、これは風水的観点からくるもの。この尖った山から降りてくる殺気を和らげ、周辺住民を守っているのだとか。
2 Chuk Yuen Village, Wong Tai Sin
www.wongtaisintemple.org.hk
受験や仕事の成功祈願に「文武廟」
上環の荷李活道(ハリウッドロード)に突如現れる「文武廟(マンモウミュウ)」は、1840年代に建立された香港最古の道教寺院。天井から吊るされた無数の渦巻き型線香が有名な観光地でもあるが、ここも言わずと知れたパワースポットだ。学問の神とされる文昌帝と、三国志の英雄で武の神と崇められる関羽(関帝)が祀られているため、勉学やスポーツに勤しむ人たちの強い味方とされている。
124 Hollywood Rd., Sheung Wan
www.man-mo-temple.hk
実際に起こった
香港おもしろ風水事件簿
風水で裁判沙汰に!?
香港天文台と村民の対決
香港政府は人々の信仰心に敬意を示すが、風水により政府と民衆の間で訴訟問題までに発展した事件をご存じだろうか?2012年、香港天文台は新界にある大欖涌(タイラムチュン)に空港用のウインドシア・レーダーの建設を開始した。しかし、これに村民たちは猛反発。理由は、レーダーが風水の四神のひとつである「青龍」の位置にかかるため、村の風水が乱され、その結果、寿命が縮んでしまう人や健康と財産に悪影響を及ぼす人がでるから、というもの。ところが政府はそんな声を聞かず計画を続行させた。そこで村民の1人が高等裁判所に訴訟を起こし、司法による再調査を要求。「建設を実行して風水が乱されたら、それに対する補償を政府が村民に支払うべきだ」と訴えた。しかし、高等裁判所は司法による再調査は必要ないと判決。天文台は建設を続けたが、村民の意向を汲み、設置場所を17メートルずらし、建物は2階建てから平家に、樹木を植えてレーダー基地を隠すなど、風水への影響を最小限に抑えるよう計画を変更した。
突きつけられたナイフに大砲で応戦!?
大手銀行の風水戦争
香港では、金融業界というシビアな世界でも(あるいはそういう世界だからこそ?)、風水が良ければ業績も上がると信じられている。そのため中環(セントラル)の金融街にあるオフィスビルでは、風水師を雇ってデザインを決めるのが当たり前。しかしその建築デザインをめぐって、かつて滙豐銀行(HSBC)と中国銀行の間で、風水が深く関わる「戦い」が繰り広げられた。 世界最大級のメガバンクであるHSBCの本店ビル。1985年に建てられ、中環のなかでも特に風水を深く取り入れた建物として知られている。一方そこから目と鼻の先にあるのが中国銀行タワーだ。70階建と超高層で、形はまるで鋭く光るナイフのよう。その刃先がちょうどHSBCビルのほうを向いており、高い位置から斬りつけているかのようにも見える。この中国銀行タワーはHSBCビルが完成して5年後の1990年に建てられたのだが、完成後まもなくHSBCの業績が悪化。するとHSBCは斬りつけられていることによって運気が下がったと激怒し、今度はそれに対抗するかのように中国銀行側に向けて大砲(の形をした窓拭き用ゴンドラ)を設置したのだ。その後しばらくして、これら2棟の間に長江センターが建てられた。このビルは鎧で武装しているかのように頑丈な枠で四方を覆われており、中国銀行タワーの刃とHSBCビルの大砲による攻撃をかわしつつ両者の仲を取り持つ形になっている。この長江センターの存在により、長らく続いた大手銀行間のけん制合戦は終わりを迎えたそうな…。
屋根の色で大問題!?
ピンシャンで起こった風水事件
1899年、新界・屏山(ピンシャン)に警察署が建設された際、その建物を巡ってとある風水問題が勃発した。小高い丘に建てられたこの警察署は、目立つよう屋根が赤色に塗られたのだが、この色が悪かった。風水師によると、元々、屏山を囲む3つの丘は、中心の丘が甲羅、両側の丘が爪としてカニを形成しているという。風水では「毛蟹局」と呼ばれ、住民に幸運をもたらすと信じられていた。しかし料理されたカニを表す「赤い」屋根の警察署は甲羅の位置に建設されたため、警察署がカニを殺したと地域住民は大反発。色を変えろと反対運動が起こったが変更はされず、警察と住民との間にわだかまりが残った。これは政府が風水を考えなかったために起きた出来事だ。そこから長い年月が経ち、屏山警察署建物はタン族伝統博物館に改築されたが、それに伴い屋根は「赤」から、生きているカニを表す「緑」へ塗り替えられたことで、全ては丸く収まったという。