僕の香妻交際日記 第30回「気持ちは分かりますが」
世の中には自分が頑張れば変えられることと、どんなに頑張っても変えられないことがあります。
では、変わらないと分かっていてなぜ続けるのか?
そこにはもはや理由などありません、ただ強いて言えばそれがオレ流だからなんです。
1. 鳴らし続けるクラクション
ただでさえ香港の国土は小さいというのに、この人の数、そして車の数。
道路標識も日本に比べると不親切ですし、路地も多いです。
となれば道を間違えることだって、車が詰まってしまう通りだってあるんです。
だから、そういうことを踏まえた上でクラクションを使いこなしてほしいです。
「なにやってんの!」(スパロボブライトさん風に)
という、運転手の気持ちは分かりますが、前で詰まっちゃっている車の運転手もきっと早く状況を打破したい気持ちでいっぱいだと思いますし、後方からクラクションを鳴らし続けたところでその状況を打破できるわけでありません。
何より、通行人からするとあなたのクラクションの音が一番迷惑です。
2. 押し続ける閉ボタン
香港のビルは伝統的に縦に長い、つまり階数が多いので、エレベーターに乗り込む人の数も自然と増えます。
そうすると、閉まる瞬間にまた人が乗り込んでくるという状況がしょっちゅう起きます。
閉まりかけてまた開いて、が2回続くと、
「早く閉まれよ!」
という、気持ちになるのは分かります。
でも、きっとエレベーターのボタンは連打しても閉まるスピードは変わらないと思います。
エドモンド本田の百烈張り手とか、春麗の百烈脚とはわけが違うんですから。
3. みんな降りるので
バスや電車で自分の降車駅が近づくとすごい勢いでドア付近まで駆けつけて降りる準備をする人がいます。
それはまだいいんです、降り損なうと厄介ですから。
問題は、エレベーターでこの行為をする人です。
地下フロアがないビルの場合、Gフロアに向かって降りているエレベーターに乗っている人はみんなGフロアで降りるんです。
だから、降り損なうことはありません、みんなそこで降りますから。
にもかかわらず、ここでもすごい勢いでドア付近にポジションを取ろうとする人たちがたまにいます。
「早く降りたい」
という、気持ちは分からなくはありませんが、みんな降りるのでそこで急いでもしょうがないでしょうに。
とりあえず、私の背中をそんなに押さないでください。
無理だと分かっていても頑張り続けることを美学と取るか、それとも体力の無駄遣いと取るかは人それぞれです。
しかし、香港人にとってエレベーターのボタンを連打することは、閉まる閉まらないの問題の前に、もはや習慣、つまりオレ流なのでしょう。
逆に言えば、閉ボタンを連打することで私たちも香港人に近づく(周囲の人にあいつは香港人に違いないと思わせる)ことができるわけです。
「叩き続けよ、そうすれば開かれる」(旧約聖書より)
叩いても開かないものもあります。
ではでは。
ルーシー龍(りゅう)
香港人の妻と香港と日本のハーフの娘と一緒に暮らす日本人。狭くて広い香港で何とか一花咲かせようと企みながら早6年。座右の銘は「生きろ」。