WeChatは中国の公式電子IDシステムとして定着へ

2018/02/13

8359134974_c41e3ea25cテンセントホールディングスの人気モバイルアプリ、Wechatは公式の電子個人識別システムプロジェクトのもと、多くの中国の消費者の日常生活においてますます不可欠なものとなってきている。

国家報道機関新華社通信の報道によると、広州市政府は最近、従来の国家発行のIDカードと同じ目的を果たすバーチャルIDカードを作成するパイロットプログラムを、同市南沙地区のWeChat登録ユーザー向けに開始した。この計画は間もなく州全体に広がり、後に全土に拡大する予定だという。

この試みが成功すれば、2011年にモバイルメッセージングサービスとしてWechatが展開されて以来、同国最大のソーシャルネットワーク、およびメジャーなオンライン決済プラットフォームとなったことに続いて、社史に残る大きな功績を上げることになる。

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深圳に本拠地を置くテンセントによると、9月末の四半期において、Wecha(t本土では微信として利用されている)のアクティブユーザー数は毎月980万人にのぼるという。

WeChatのIDプログラムは、公安省の研究所とTencentのWeChatチームが共同開発し、様々な銀行や他の政府機関によってサポートされている。このプロジェクトは仮想IDカードが承認される前に顔面認証技術を使って申請者を確認するため、オンラインID盗難の防止に役立つことが期待されており、認証されたユーザーは、WeChat IDを使用してホテルを利用したり、身分証明書無しに政府のサービスを申請することができる。

実は広州のWeChatプログラムは、スマートフォンアプリで電子IDカードを利用可能にするものとしては中国初の試みではない。2016年6月、既に湖北省中華圏の首都である武漢市公安局支店で、Alipayと提携して電子IDカードサービスを既に開始している。中国最大の決済プラットフォームオペレーターであり、アントファイナンシャルサービスグループの一部であるアリペイを使ったこのプロジェクトは、ホテルのチェックインや鉄道、空港でのセキュリティ検査などの場面において、電子IDカードの使用を促進することも目的としていた。アントファイナンシャルはアリババ・グループホールディングスの関連会社であり、武漢のAlipayアカウントユーザーは約40万人いるという。WeChatとAlipayは共に身分証明書のほか、ソーシャルセキュリティカードと本土ユーザーの運転免許証のデジタル化サービスを別々に開始している。

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