【香港】広東料理店 厳選リスト一覧
香港・華南と言えばやっぱり広東料理。中国語では【粤菜(ユッチョイ)】とも呼ばれており、昔から「食は広州にあり」と言われているように、広州、潮州、客家、順徳料理を合わせたものを広東料理と呼んでいるのだ。同じ華南地区に属する香港が誇る料理と言えば、この広東料理。また、香港の代表する食習慣のひとつ【飲茶】。小籠包などの点心を摘まみながらのティータイムである飲茶も外せないキーワードだ。
宝石箱のような宴をここで
麗晶軒 Lai Ching Heen
2022年にリオープンしたリージェント・ホテル香港。尖沙咀のヴィクトリアハーバーを一望できる贅沢な立地だ。立地に負けない実力を持つレストラン「麗晶軒」は2022ミシュランで二つ星を、フォーブストラベルガイドで五つ星を獲得。30年以上の経歴を持つエグゼクティブシェフ劉耀輝氏は「食材の鮮度や旨味を一番引き出す調理法にこだわっています」と胸を張る。おすすめは「ソフトシェルクラブ黄金揚げ蟹肉添え(Golden Stuffed Crab Shell with Crabmeat)」。細かい衣をつけ軽く揚げることで、蟹そのものの旨味が凝縮され、弾力ある蟹肉を堪能できる。宝石箱を開けたようなラグジュアリーな内装と夜景の美しさ、そして美食、口福感に包まれること間違いなしだ。
Lower Level, Regent Hong Kong, 18 Salisbury Rd., TST
https://hongkong.regenthotels.com
(852)2313-2243
月~土 12:00~14:30(L.O)、18:00~22:00(L.O)
日・祝日 11:30~14:30(L.O)、18:00~22:00(L.O)
香港ローカルグルメの代表
添好運 Tim Ho Wan
日本にも支店を持ち、今や香港飲茶の代名詞「添好運」は、ミシュラン1つ星の常連店。誰もがおいしいと認めるクオリティーなのに、リーズナブルな値段で大人気のローカルグルメだ。日本からの出張者や家族のアテンドには、やはり香港らしい店内と雰囲気の中でいただくのがうってつだろう。外せないのは「海老の蒸し餃子(4個入り)」やトロトロのチャーシューが入る「チャーシュー入りメロンパン」など。メロンパンのサクサク感と、ジューシーなチャーシューのアンサンブルはやみつき注意だ。同店のメニューはいたってシンプルなので、オーダーする時も迷わないのがいい。ひとつ、お酒の提供がないので、酒好きお父さんはすこし我慢!中国茶を味わいながら楽しい飲茶タイムを。左写真の深水埗本店は2022年にリニューアルしたばかり。新しくなった店内でローカルグルメをどうぞ。
(本店)G/F., 9-11 Fuk Wing St., Sham Shui Poのほか全4店舗
9:00~21:00
平均予算:HKD80~100/名
オールド上海を感じながら美食を堪能
逸東軒 Yat Tung Heen
植民地時代だった頃のオールド上海がテーマの店内では、心地よいジャズの音が静かに響く。ここは駐在員の間でも穴場の接待兼普段遣いにも使える飲茶レストラン。ミシュラン一つ星の評価は、この内装、サービス、そしてメニューを見ればうなずける。ランチ時には、2名用セット(HKD688)がおすすめ。本日のスープから始まり、シグネチャーのチャーシュー、オイスターやタイガー海老、酢豚などのメイン料理、野菜、主食、最後にデザートまでと心もお腹も満たされること間違いなしだ。また、ディナーにはHKD880/名~のコースが優秀。アワビやエビなどが広東式に調理され、お洒落なアート作品のようにサーブされる。外したくないここぞという時に常用できるレストランのひとつ、ぜひ足を運んでみて。
B2/F., Eaton HK, 380 Nathan Rd., Jordan
https://www.eatonworkshop.com/en-us/hong-kong/food-beverage
(852)2710-1093
月~金 11:00~16:00、18:00~22:30
土日・祝日 10:00~16:00、18:00~22:30
日本の芸能人も訪れる名店で高級広東料理をリーズナブルに
王子飯店
日本語予約(852)2302-4838(Ms.イバ)
尖沙咀ハーバーシティ店
Shop 113A & B & 115, Level 1, Ocean Ctr., Harbour City, TST
月~土 11:30~17:00、18:00~23:00
日・祝日11:30~16:00、18:00~23:00
(852)2366-1308
九龍駅エレメンツ店
Shop 1028C, Elements, 1 Austin Rd. West, TST
月~土 11:00~16:00、18:00~23:00
日・祝日 10:00~16:00、18:00~23:00
(852)2577-4888
YOHO MALL
Shop 1045-1046, 1/F., Yoho Mall, 9 Long Yat Rd., Yuen Long
月~土 11:00~23:30
日・祝日 10:00~23:30
(852)2347-4988
詳しいレストラン情報はこちら
ミシュラン星も取得!伝統的な実力派広東料理
逸東軒
伝統的な広東料理が食べられると人気の「逸東軒」。1990年に香港店をオープンし、20年以上に渡って、観光客や地元住民の舌を唸らせている。同レストランは1000年以上前から中国に伝わる東洋医学をメニューに取り入れているため、料理を食べるだけで滋養強壮が期待出来る。シェフのレベルも高く、中華圏の料理人が腕を競うコンペティションで、毎年のように賞を獲得している。
2010年から2012年までは香港・マカオエリアのミシュラン一つ星レストランにも選ばれており、その実力は誰もが認めるところ。食材にはもちろん、盛り付けの美しさ・エレガントさにも拘っているため、舌だけではなく、目でも料理を楽しむことが出来る。ダブルボイルスープ、豚の丸焼き、チャーシュー、土鍋といった料理が定番メニューとなっており、ランチタイムには、飲茶や小食もオーダー可能。
旧正月に向けて、是非トライしてほしいのが年糕(ネンガオ/正月もち)だ。年糕には「仕事と生活が年々繁盛しますように」という意味が込められており、中国ではこの時期に必ずといっていいほど食べられている料理だ。調理方法も蒸し物、揚げ物など様々で、味付けも甘いものから辛いものまである。お気に入りの味付けを見つけてみるのも面白いだろう。また店頭では、シェフが秘伝のレシピで調合したXO醤を購入することも出来る。干貝、乾燥エビ、中国式のハム、唐辛子などの辛味と旨みが凝縮しているので、どんな料理との相性も抜群だ(HKD148)。また、同レストランのホームページでは、凄腕シェフ直伝のレシピも公開しており、だれでも手軽に広東料理にチャレンジ出来る(http://www.yat-tung-heen.com)。
春節に向け、香港の街も賑やかになりつつある。家族・友人らと過ごす時間も多くなる時期。同レストランで広東スタイルの楽しいひと時を過ごしてみてはいかが?シーズン中は込むことが予想されるので、予約をしたほうがベター。
逸東軒
九龍店
住所:Basement 2, Eaton, Hong Kong, 380 Nathan Rd.
電話:(852)2710-1093
香港店
住所:2/F., Great Eagle Centre, 23 Harbour Rd., Wanchai
電話:(852)2878-1212
時間:月曜~土曜 / 11:00~16:00 18:00~23:00
日曜・祝日 / 10:00~16:00 18:00~23:00
季節の食材を取り入れることがモットーの老舗広東料理店
翠亭邨 Tsui Hang Village
40年以上にわたり上品で繊細な広東料理で人々を魅了し続けている「翠亭邨(Tsui Hang Village)」。新鮮な食材、優しい味付け、清潔で明るく気持ちのいい店内、豊富な品揃えで在住の家族連れはもちろん、観光客やビジネスマン達からも常に支持されている。
季節の食材を取り入れることを大切にしている同店では、6月30日まで春と初夏の季節にふさわしいメニューを期間限定で提供する。冷菜、スープ、主菜、デザート、ドリンクから全12品登場する新メニューの中には滋養回復や視力減退解消など中医学的効用が望めるものが多数含まれており、体調を崩しがちな季節の変わり目にぴったり。
オススメはデトックス作用を持つグァバをライムとともにソース状にミックスさせた「グァバとライムソースのスペアリブ(HKD148)」。ライムのさっぱりとした味わいと、スペアリブのどっかりとした肉質が病みつきになる一品。グァバ茶には高い利尿作用があり、普段から意識的に取り入れているという人も多いというほどその効果はてきめんだ。また、アンチエイジング効果が望める生姜とニンニクをふんだんに取り入れた「チキンフィレのソテー、生姜とガーリック和え(HKD198)」は女性に特にオススメのメニュー。生姜には強い抗酸化作用があるため、近頃鏡をのぞき込むごとに少し疲れが見えるようならぜひ取り入れてほしい食材。また、黒トリュフが味の決め手となっている「帆立とマッシュルームの黒トリュフペーストソテー(HKD188)」は歯ごたえがある良質な帆立を香り高い黒トリュフで包み込んだ珍しい一皿。噛むごとに口の中に広がるトリュフの香りに酔いしれよう。締めのデザートは梨の形が可愛らしい「エッグカスタード点心(HKD40)」をどうぞ。広東料理の定番モルテンエッグカスタード饅を同店流に繊細にアレンジしており、お腹いっぱいのはずなのにペロリと食べきれてしまう美味しさ。
同メニューは現在中環(セントラル)店と尖沙咀(チムサーチョイ)店で提供中。旬の食材を使用した広東料理で滋養に効く料理を美味しく堪能しよう!
Tsui Hang Village
ウェブ:www.miradining.com/tsui-hang-village-central
中環店
住所:2/F, New World Tower, 16-18 Queen’s Rd. Central,Central
電話:(852)2524-2012
尖沙咀店
住所:Shop 504, L5, FoodLoft, Miramar Shopping Centre, 132 Nathan Rd., TST
電話:(852)2376-2882
ミシュラン3つ星に輝いた中華レストランで舌鼓
唐閣 T’ang Court
尖沙咀(チムサーチョイ)といえば香港でも人気の観光、ショッピング、そしてグルメスポットの一つ。観光客が減少したと言われているここ最近でも、やはりダントツ人気のエリア。そんな尖沙咀には数多くの最高級ホテルが軒を連ねる。香港を代表するホテルの「ザ・ペニンシュラ香港」をはじめ「ザ・インターコンチネンタル香港」「フレットハウス香港」など挙げていけばキリがなく、その中でも特に女性やカップルに人気なのは1881ヘリテージの背面に構える「ザ・ランガム香港」だろう。便利な立地はもちろんのことゴージャスなエントランス、清潔感溢れる宿泊部屋、ラグジュアリーなプール・ビーチエリア、充実のアメニティなど優雅で安心のひと時を約束してくれる。また、ホテル内にはスパや人気のレストランがあり、都会の中のオアシスともいえるホテル。
同ホテルの一番の自慢は何といっても2016年ミシュラン3つ星に輝き、12月に発表された2020年ミシュランガイドでも引き続き輝く3つ星を獲得した広東料理レストラン「T’angCourt」だ。3つ星を獲得した広東料理レストランは「T’angCourt」を含む小数店舗のみと言うから、その味とサービスは折り紙付き。
同店では、厳選した季節の新鮮な蟹の身と玉ねぎを炒めたものを詰めて揚げた「BakedStuffedCrabShell」が有名だ。
この度旧正月を迎えるにあたっての新メニューが発表された。さっそくそんなメニューのいくつかを紹介しよう。まずは、セミドライオイスターをフライパンで炒めてエビのペーストを和えた「Pan-friedSemi-driedOysterFilledwithShrimpPaste」。牡蠣の甘さをエビペーストの塩気のバランスが絶妙。点心にはキヌガサタケにペースト状のエビを挟んで巻いた「BambooFungusRollFilledwithShrimpPaste」食感が楽しい。その他、美容にも良いといわれている燕の巣を詰めた点心「BakedPastryFilledwithBird’sNest」は女性に大人気。蒸したエビとセロリを詰めた蒸し餃子は金箔をあしらって見た目も上品に。
同店はこれらの料理を通常メニューに加えて1月31日まで期間限定で提供する。さあ、さっそく新年は2020年も引き続きミシュラン3つ星を獲得した由緒あるお墨付きのレストランで贅沢に新年のお祝いをしてみてはいかが?
唐閣 T’ang Court
住所:8 Peking Rd., TST(The Langham Hong Kong内1 & 2階)
時間:月~金 12:00~15:00、18:00~23:00 土日祝 11:00~15:00、18:00~23:00
電話:(852)2132-7898
ウェブ:www.langhamhotels.com/en/the-langham/hong-kong/dining/tang-court
素材を活かした広東料理の達人シャフがいる尖東(チムトン)地区の店!
桃里 Tao Li
腕を振るうのはこの道40年以上、広東料理の達人シェフ。そんな彼が手掛けるスープは広東料理には欠かせないもの。なかでも「魚の具だくさんスープ(Fish HeadBroth with Bean Curd, Black Mushroom and Egg 鳳凰魚雲羹)」はシェフのおすすめ。丁寧に骨をとったとろとろの魚の頭と、鶏肉レバー、バーベキューポーク、タケノコ、みかんの皮などが絶妙なコンビネーションを生み出している。また、広東語で“金錢雞”と呼ばれる「ポークと鶏肉レバーの3層挟み(Barbecued sliced porkwith chicken liver 香燒金錢雞)」は、最も伝統的な広東料理のひとつ。バーベキューポーク、鶏肉レバー、半透明になるまで砂糖とチャイニーズローズのリキュールで煮込んだ豚バラ肉が3層に重なったユニークなこの料理は、各層が見事に融合し絶妙なハーモニーをかもし出している。そして、香港内に数ある中華レストランのなかでもわずか数店でしか食べることができないという「豚肉のスパイシーソース炒め(Stir-fried Pig’s Stomach with Black Bean and Pepper Sauce 豉椒炒豬肚尖)」は、豚肉のなかでも市場にはほとんど出回らない最高の部位を使って作られる。柔らかく、それでいて肉の食感と風味が感じられるようにベストなタイミングで調理された身が、ちょっぴりスパイシーなソースに絶妙にマッチ。この機会にぜひ伝統の広東料理を堪能しよう。
桃里Tao Li
住所:2/F, New World Millennium Hong Kong Hotel ,72 Mody Rd., TST East
電話:(852)2313-4225
時間:ランチ12:00~15:00(日祝10:00~15:00) ディナー18:00~23:00
ウェブ:http://www.newworldmillenniumhotel.com
淺水湾に新たな風を吹き込むモダンカジュアル広東料理
粥粉麵飯Meen & Rice
レパルスベイ(淺水湾)にあるショッピングセンターThe Pulseにある広東料理レストラン「Meen & Rice 粥粉麵飯」。同店は、数々のホテルおよびレストランを経営し、これまで名だたる賞を獲得してきた若手女性オーナー、イェン・ウォン氏が手掛けるカジュアルダイニング。本場の広東料理の味と、ローカルな雰囲気をスタイリッシュにアレンジした空間が楽しめるレストランとして、香港の飲食業界に新しい風を吹き込んでくれることが期待されている。
店名にもある「粥粉麵飯」とは、その字の通り、お粥、米粉麺、小麦粉麺、ご飯を表し、中国料理の4大発明と言われるもの。同店ではこれらをベースに、「新鮮エビのワンタン麺(Fresh Shrimp Wanton Noodle Soup/HKD38)」、「手打ちライスヌードル(Home MadeRice Noodle Rolls/HKD32)」、「香港式バーベキューポーク飯(Barbeque Pork Rice/HKD68)」など、香港で古くから親しまれている広東料理を提供している。手ごろな価格も魅力的だ。
窓際の席に腰掛け、海から吹く春の始まりを知らせる風を感じながら味わうローカル料理は、街中でいただくそれとはまた違った美味しさ。66席ある店内は、香港の人達に今も愛される大排檔(ダイパイドン)と呼ばれるフード屋台を彷彿とさせるが、その庶民的な雰囲気はそのままに、壁に吊られたメニューボードや天井からぶら下がった麺の湯きり網がアートな雰囲気をもかもし出している。
Meen & Rice 粥粉麵飯
住所:Shop 113, Level 1, The Pulse, 28 Beach Rd., Repulse Bay
電話:(852)2566-8886
時間:11:30~22:30
フェイスブック:http://meenandrice.com
ゴールデンクラブ(黄油蟹)のシーズンなら尖沙咀のこのお店!
天龍軒 (Tin Lung Heen)
毎年夏に始まるゴールデンクラブ(黄油蟹)シーズン。ミシュラン2つ星を獲得した「Tin Lung Heen」では、今年も質の高いカニをふんだんに使ったコースメニューが登場した。夏はゴールデンクラブの交配期。黄金色の卵を持ったこの時期のゴールデンクラブは、秋の味覚「大閘蟹(上海蟹)」を凌ぐともいわれるほどに絶品だ。そんな旬のゴールデンクラブをシェフが腕によりをかけて調理するのが全6品のこちらのコース。
まずは「Simmered Golden Crab Meat Soup with Crab Roe」。弱火で3時間コトコトと煮込んだ透き通ったこのスープはカニの身の贅沢な味に加えて、体に優しい生姜の風味が漂う。「Steamed Seasonal Golden Crab」は美味しい部分だけを、ジューシーさが存分に感じられるよう200グラム以上も用いて作った一品。その味わい深さと豊かな海の幸の香りに、食べる者は天にも上るような気分を感じるかも。中華スープに良く使われる葛根をクリーミーなカニの卵と合わせたのは「Wok-Fried Kudzu Root with GoldenCrab Leg Meat」。葛根が持つ本来の甘さと歯ごたえの良い食感が癖になりそうだ。四角く切った
ボリューミーな豚のバラ肉にカニの身と卵を丁寧にトッピングした「Braised Pork Belly with Golden Crab Meat and Crab Roe」は、まるでギフトボックスのよう。肉汁溢れる豚肉と海の幸とのコラボレーションを楽しんで。また、新鮮なアヒルの卵とグルテンをたくさん含んだ小麦粉で作った自家製エッグヌードル「Braised Duck Egg Noodles with GoldenCrab Meat and Crab Roe」は、もちもちの麺にカニの身と卵のソースがよく絡みたまらない美味しさ。
夏の旬料理を探しているならぜひ「Tin Lung Heen」へ。黄金色のカニ、ゴールデンクラブを思う存分味わおう!
Tin Lung Heen
住所:Level 102, International Commerce Ctr. 1 Austin Rd. West, Kowloon
電話:(852)2263-2270
期間:~8月31日
時間:ランチ 12:00~14:30(月曜~金曜), 11:30~15:00(土曜、日曜、祝日)
ディナー 18:00~22:30
メール:restaurantreservation.hk@ritzcarlton.com
シンプルでも満足!旬の食材たっぷりのヘルシー広東料理
沙田18
味が濃い、肉が多い、油っぽいイメージのある広東料理に飽きてしまう人もいるのでは。素朴な広東料理を味わいたい方は、ぜひ沙田ハイアットホテル内にある「沙田18」まで足を伸ばしてみよう。従来の中華料理のイメージを覆すような同店では、旬の冬の食材を使用し丹精込めてヘルシーかつ美味しい新メニューを始めた。
早くもサプライズ感を与えてくれる前菜。中華料理では珍しいアボカドを主役とした「紫蘇とアボカドの漬物(紫蘇蒜醋牛油果)」。こってり系のアボカドが油っぽいと思う人はぜひお試しを。冷えたアボカドが黒酢とガーリックと混ざると、その特有の濃厚感が中和され、誰もが好むような食感となる。絶妙な甘味と酸味を持つ紫蘇を加えるとさらにフレッシュな味わいに。アボカドが苦手な人でも、これを食べれば好きになってしまいそうな一品だ。次の「鱈のガリ漬け(手拆薑茅臘鱈魚)」は手でほぐした鱈をガリと生姜ソースと一緒に頂く、旨味満点の1品だ。スープは「酸菜と魚の浮き袋の煮込みスープ(胡椒鹹菜燉花膠)」。冬になると香港人の食卓によく出る料理の1つであり、コショウの辛みで身体の芯から温めてくれ、体質補強効果にも優れたものだ。
メインディッシュの中でオススメしたいのは「魚スープの蓮の実とカボチャの煮込み(魚湯湘蓮煮南瓜)」。湖南から直輸した新鮮な蓮の実やカラシナと旬のカボチャをケンヒーで魚スープに加えた、簡単そうで実は大変手間のかかる体が温まる一品だ。蓮の実は苦味がほとんどなく、清らかな甘味で実に癒される。そして、「ミニホタテとオクラのマレーシアソース蒸し(馬拉盞帶子粒蒸秋葵)」も必食。日本人に馴染みのあるオクラとまるで真珠のようなホタテを自家製のマレーシアソースで蒸しており、豊かな香りがする1品。食べるとついついご飯をお替りしたくなってしまう。
デザートで締めようとしても、同店で提供しているデザートは選ぶ際に迷うほど種類が多く珍しいものだらけだ。まずは「杏の実のチョコケーキ(杏脯朱古力蛋糕)」。熱々のチョコレートケーキと爽やかな杏の砂糖漬けを一緒に口に運ぶと、意外と相性のいい組み合わせですぐに完食してしまう。もう1つ逃してはならないのは、なんと中華と西洋のチーズがコラボした「腐乳チーズケーキ(腐乳芝士蛋糕)」!腐乳と言っても全く臭くなく、チーズの美味しさをより一層引き出せるよう計算された新感覚のチーズケーキだ。ヘルシーを重視する上に美味しさも忘れない沙田18の冬メニュー。1回食べてみると、忘れられない不思議な味わいだ。
沙田18
住所:4/F, Hyatt Regency Hong Kong Sha Tin, 18 Chak Cheung St., Sha Tin
電話:+852-3723-1234
時間:ランチ 月~金 11:30~15:00、土日祝 10:30~15:00
アフターヌーンティー 土日祝 15:00~16:30
ディナー 17:30~22:30
ウェブ:http://hongkong.shatin.hyatt.com
創業50年の老舗海鮮料理店、繊細な味付けはまさに日本人好み!
竹園海鮮飯店
海鮮料理の名店として名を馳せている「竹園(Chuk Yuen)」の目玉メニューは、新鮮なロブスターの肉質と旨みがやみつきになる「ロブスターのクリームチーズソース和え」。高級食材を取り揃えた「蟹子と蟹身のフカヒレスープ」も定番だが、伝統的な潮州料理を味わいたいなら「貝付き帆立のガーリック和え」と「潮州式フカヒレの蒸し煮」はマストオーダー! ランチには飲茶も味わえるため、昼夜ともに海鮮を思う存分食べたい方にオススメだ。
尖沙咀店には日本語を話せるスタッフが、そして上環店と跑馬地店には英語が堪能なスタッフが在籍しているため、スムーズなご飯タイムが過ごせる。帰国前の中華海鮮の食べ納めは「竹園」で決まり!
竹園海鮮飯店 Chuk Yuen Seafood Restaurant
〈尖沙咀店〉
場所:Basement, Hong Kong Pacific Centre South Wing, 28 Hankow Rd., TST
電話:(852)2722-0633
〈上環店〉
場所:G/F., 3 Connaught Rd. West, Sheung Wan
電話:(852)2668-9638
〈跑馬地店〉
場所:G/F., 7-9, Wong Nai Chung Rd., Happy Valley
電話:(852)2893-8293
時間:月~土 11:00~23:30、日 10:00~23:30
ウェブ:http://chukyuen.com.hk/
香港ならではのコロニアル調レストランで
これまで味わったことのないような飲茶体験を!
譽滿坊
ウッドテイストの店構えに金色の看板が目を引くハッピーバレーの飲茶レストラン「譽滿坊(ヨウ・ムン・フォン)」。人気の理由はコロニアル調のノスタルジックな内装と、新鮮な食材を使用して作り出される繊細な味付け。定番の「海老餃子」や「シュウマイ」はもちろんのこと、芳香なバターの香りが食欲をそそるサクサク生地の「鮑とチキンの角煮パストリー」や、「カニ子と帆立と海老の蒸し餃子」など珍しいメニューも取り揃えている。
2009年にはミシュランも獲得している同店。メニューは中国語、英語、中国語、韓国語を用意しておりスタッフのサービスも申し分ない。帰国直前に香港の雰囲気を堪能したいなら訪れるべき名店だ。
譽滿坊 Dim Sum The Art of Chinese Tit Bits
住所:G/F., 63 Sing Woo Rd., Happy Valley
時間:月~日 11:00~17:00、18:00~22:00
電話:(852) 2834-8893
コスパ抜群の広東料理ならココ!
香港ローカルの心髄を見よ!
陳根記
沙田の川沿いから西に一本入った通りに今となっては珍しい屋台レストラン大排檔(ダイパイドン)の老舗「陳根記」がある。地元香港人の憩いの場となっている同店は夜間と週末は特に激込みとなっており、席を探すのに1時間かかるなんてこともざら。
地元香港人に愛されているとだけありメニューにも豊富な広東料理を取り揃えている。クラゲとカニ子とワサビドレッシングが和えられた「ワサビチキン」や、クリスピーなにんにくで味付けされた「カニの唐辛子炒め」、塩と酢でいただく「イカのフライ」、まろやかなナスが美味しい「豚コマ肉のナス煮込み」などオススメを挙げていけばキリがない。1日の終わりにビールとともに頂けば、あなたも真の香港人だ!
陳根記 Chan Kun Kee
住所: No.3-5, Wo Che Estate Market, Sha Tin
電話: (852) 2606-1390
「冬鍋トリオ」を提供する上環(ションワン)の店
粤來順 (Yuet Lai Shun)
上環(ションワン)の西港城(ウェスタンマーケット)からほど近いところに位置するレストラン「粤來順(Yuet Lai Shun)」。マスターシェフの確固とした腕前をもとに伝統的な広東料理が味わえるのに加え、香港の昔ながらの学校を彷彿させるような古い外観を特徴にもつ。そんな同店でこの冬、新しい鍋料理が誕生した。高級食材を用いて作られ「冬鍋トリオ」と名付けられた3種類の鍋料理は、私たちの身も心も温めてくれるに違いない。
まず紹介するのは、煮込んだガチョウをスープに加えて調理した「Stewed Goose in Clear Broth Hot Pot(HKD328)」。活力を与えてくれる漢方を用いたオリジナルレシピでじっくり味を染みこませたガチョウと透明なスープの組み合わせがたまらない一品。スープは、キヌガサタケ、レンコン、カブ、胡椒の実を加え何時間も煮込んだものだが、あっさりしている見かけとは対照的に、しっかりした味が楽しめる。ガチョウにつけるソースは、豆腐に麹をつけ発酵させた中国食材の腐乳に唐辛子、コリアンダーなどを加えてローカル好みの味に仕上げている。続いて、「Traditional Lamb Hot Pot(HKD368)」は、凍豆腐にシログワイ、乾燥したタンジェリン(みかんの一種)の皮、氷砂糖、乾燥椎茸、冬筍を中国の合わせ味噌である「柱侯醤(チューフージャン)」で合わせたもの。塩漬けした鴨の足と合わせて、ラム肉が柔らかくなるまで3時間ほど煮込んだ奥深い味が魅力。鍋と共に、3種類の中華野菜がついてくる贅沢な一皿だ。3つ目は、見ただけで辛さが伝わってくる「Spicy Chicken in Beer Hot Pot(HKD288)」。ネギ、ローリエ、八角、ニッケイをベースに作ったもので、そこにしびれるスパイシーチリペーストと鶏肉を加えると、いっきに辛味の効いた香りが立つ。さらに、タケノコやキノコを合わせ、隠し味となるビールをアツアツの鍋に加えて仕上げた食欲をそそる料理だ。
同店ではその他、巨大ガルーパのヒレ煮込み、ポルチーニ茸や野菜・肉を詰めた鴨の煮込みなど冬限定のメニューもいただける。中でも、「中華ソーセージと蒸しご飯」はお見逃しなく。ジューシーなソーセージとご飯の組み合わせは、香港ならではの味だ。アツアツの料理で香港の冬の味覚を満喫しよう。
Yuet Lai Shun
住所:Shop C-G, G/F., Seaview Commercial Bldg., 21-24 Connaught Rd. West
電話:(852)2771-8870
時間:月~金 10:00~16:00、18:00~23:00
土、日、祝日 8:00~16:00、18:00~23:00
カニが食べたいなら、やっぱりココ!
喜記蟹将軍
大ぶりのカニ料理を食べられることで有名な1965年創業の老舗広東料理店、「喜記蟹将軍」。香港を代表する地元美食のひとつ、避風塘料理の元祖だ。避風塘料理とは、銅鑼湾(コーズウェイベイ)のタイフーンシェルター「避風塘(ベイ・フォン・トン)」に停泊する小舟で出されていたもので、70年代から80年代にかけて多くの人に愛されていた。現在は、陸に上がった店で、新鮮な海鮮を多種類のスパイスで香ばしく仕上げた当時のままの味を楽しめる。中でも、創業者の廖喜氏考案の「炒辣蟹」は今や香港名物となっている。香港でこれほど大きな蟹が食べられるのは、同店くらいではないだろうか。2014年には、フランスのグルメ界の権威である「La Commanderie Des Cordons Bleus -de France」の推薦レストランにも選出されている。
喜記蟹将軍
Shop 602, 6/F., iSQUARE, 63 Nathon Rd., TST
電話(852)2366-7565
中環(セントラル)ガチョウのロースト「鏞記(ヨンキー)」
鏞記酒家
鏞記酒家(ヨンキーレストラン)といえば、「ガチョウのロースト」とすぐ言葉が返ってくるほど、香港にあるレストランの中でも広東料理店を牽引するリーダー的存在として位置づけられている。歴史は古く、1942年にオープンし1964年に現在の場所、MTR中環(セントラル)駅から徒歩3分ほどのところに移転、そしてこの度70周年という節目を迎え、グランドフロアのダイニングホールを1,000万ドル以上をかけ改装したのである。眩しいほどの新しい店内となったが、店の持つ高級感と重厚感は昔と変わらない。また伝統を感じられる入口が70年という歴史を持つ店に相応しく、昔を今に伝えている。
建築を担当したのは、香港でトップクラスの建築家William Lim氏だ。同氏の「シンプルなものこそ美しい」という建築スタイルと同店の持つ質、信頼、サービス、真心の思想を完璧に融合しダイニングホールを一新した。古い魅力的な香港を残しつつ新しく生まれ変わった店内でもゆったりとした往年のレストランに戻ってきた感覚になるだろう。中でも最大の目玉が、全面ガラス張りのキッチンだ。客の前で調理をする様子はステージさながら。そんなキッチンで調理するオススメ料理を紹介しよう。
1940年代から提供しているガチョウの中に食材を詰めてローストした「Charcoal Roasted Goose Web Stuffed with Barbecued Pork, Goose Liver and Cured Sausage」は見逃せない一品だ。丁寧にガチョウの骨を取り、その中にさまざまなローカル食材を入れ、カラメル色になるまでオーブンで焼く作業は老舗ならではの熟練の技が必要だという。また、アスパラと松の実をカエルの肉と一緒に炒めた「Stir-fried Frog Stomach with Asparagus and Pine Nuts 」は1950年代、前菜の定番メニューとして人気を博した。さらに「the Hong Kong International Culinary Classic1999」で金賞を獲得した豚バラの煮込みに松の実を添えた「Smoked Pork Belly with Pine Nut」は、口の中でとろける豚バラ肉が病みつきに。そのほか、定番のガチョウのローストと雲呑麺もお忘れなく。
同店の伝統に注ぐ熱き思いと新鮮な材料を用いたこだわりの広東料理は香港にいるからには一度は味わってみたいもの。ぜひ装いを新たにした同店に足を運んでみて。
70年の歴史を感じる外観
鏞記酒家(Yung Kee Restaurant)
住所:32-40 Wellington St., Central
電話:(852)2522-1624
時間:11:00~23:30
コスパの良さが魅力のお店
甘牌燒鵝 Kim’s Roast Duck(カムズ・ローストグース)
香港の有名店「鏞記(ヨンキー)」創業者のお孫さんが開いた、ローストグースの人気店『甘牌焼鵝 / Kam’s Roast Goose(カムズ・ローストグース)』。香港名物の一つ、焼物専門の路面店でありながら、オープン翌年の2015年度以降ミシュラン1つ星をキープしている実力店。高級広東料理の味を比較的リーズナブルに楽しめるコスパの良さが魅力のお店。お店の前には連日行列ができており待ってでも食べたい味。同店自慢のローストグート「甘牌焼鵝」は、しっとりタイプで皮がパリッとしており、身がギシっと締まっている。胸肉はあっさり、もも肉はジューシー、おススメは両方オーダーすること。味付け的には少し甘めでご飯との相性も抜群。
住所:226 Hennessy Rd., Wan Chai
電話:(852) 2520-1110
時間:11:30~21:30
ウェブ:www.krg.com.hk
創業50年以上の老舗百樂潮州
百樂潮州 Pak Loh Chiu Chow
広東料理のひとつである潮州料理を提供するレストランを香港とマレーシアで展開する“百樂潮州”(Pak Loh Chiu Chow)は、創業50年以上の老舗。シェフ達が知恵を絞ったメニューの中でも「豚バラ肉のカラシ菜煮込み」、50年の年代物の醤油を使った「ガチョウの醤油漬け」、「砂糖と酢を添えたたまご麺のかた焼そば」などは特に潮州料理を語るのに欠かせない料理なのだそうだ。
また、“手工菜”と言われる準備に時間を要する料理が多いのも潮州料理の特徴で、中には提供するまで10日かかるものもあると言う。
各店舗の内装も“百樂潮州”(Pak Loh Chiu Chow)の魅力の1つ。潮州民族の強い絆と、お店の成長のシンボルとして木の根をイメージしてデザインされたタイムズスクエア店、海をイメージし、水中の泡のような特注のシャンデリアが印象的で、パーティ向きなK11店、鳥の巣や鳥籠のイメージを通して “帰る場所”を意識した趣でビジネスでの会食や親族での集まりにぴったりなエレメンツ店など、各店の個性によって使い分けるのがお勧めだ。
奥深い湖州の文化を体験するのに絶好のこの機会。ぜひ親しい人達とお店に足を運んでみて欲しい。
百樂潮州(Pak Loh Chiu Chow)
住所:Shop 1002, 10/F., Times Square, 1 Matheson St., CWB
Shop No 313, Level 3, “K11”, 18 Hanoi Rd., TST
Shop 1028D, Elements, 1 Austin Rd. West
Unit 7E142, Level 7, Passenger Terminal, Bldg.1, Cheong Hong Rd., Hong Kong International Airport
ウェブ:www.buick-hk.com/restaurant/pak-loh-chiu-chow