旺角(モンコック)特集1・地名の由来とマップ
多くの日本人が行きかうチムサーチョイ(尖沙咀)から、もう少し足をのばして、ネイザンロードを北に向かう。すると、国際色はほとんど薄れ、ローカル色満載の街、モンコック(旺角)となる。地図的にいえば、九龍地区の北の端ウォータールー・ロードから界限街までのエリアがモンコックだ。
モンコックの由来
「旺角」の中国語の読みでは、本来なら英語では「Wong Kok(ウォーンコック)」となるはずなのに、なぜ「Mong Kok(モンコック)」になるのだろうか。そのルーツをみてみよう。
モンコックは、その昔、海辺にあるススキ(中国語で「芒草Mongcao」)に覆われた土地だった。その形が牛の角のように海に向かっていたことから、そこにできた集落は「芒角村」と命名され、以来、この地は「芒角」と呼ばれるようになった。イギリス人が19世紀に香港へ来て、英語の名前をこれで訳し、「モンコック」と命名した。
だが、1930年代に土地不足が原因で、埋立地を大量に作り出す政府のプロジェクトの中にモンコック周辺も含まれた。海岸線が埋め立てられた土地に、「牛の角のようなススキ」の代わりに現れたのは、軽工業の工場だった。そこで、これから産業が発展するように、との祈りもこめて、「盛ん」という意味を持つ「旺」を用いて、「芒角」から「旺角」へ地名の漢字が変更された。だが、愛着のある読み方だけは残され、現在も地下鉄に乗ると、「下一站係旺角。The next station isMong Kok.」と案内が掲げられている。
一方、1992年に当時まだプリンスであったエドワード8世がモンコックの一本の道を見学したことから、その道が「プリンスエドワード道」と命名された。その後1979年MTR社が路線を整理するため、プリンスエドワード道の周辺に新駅を設置することになり、つけられた駅の名前が「太子(Prince Edward)」だった。つまり「プリンスエドワード」は正式的なエリア名称ではなく、ただ道の名前をもとに名づけられたものなのだ。現在多くのローカルの人もその由来を知らないまま、このエリアを「太子旺角一帯附近(プリンスエドワードとモンコックのあたり)」と呼んでいる。
現在のモンコックは・・・
モンコック駅周辺のネイザン・ロードと西洋菜南街に挟まれたあたりには、続々と若者向けのショッピングセンターが登場するが、このエリアにはまだローカル色が濃く残った街並みが残っている。同業種の店が集まった専門店街がたくさんあり、ゴチャゴチャと並んだ商店街を行列状態で行き来する人の群れ…。活気があり、吸引力のある街、そして24時間眠らない街でもある。この街の魅力を伝えるため、編集部は金魚、鳥、ペット、花…、それぞれの専門店街をピックアップして取材した。この特集を片手に、モンコックをたずねて、ディープな香港を体験してみよう!
【旺角MAP】ディープな香港を体感しよう!
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