NAC 香港ビジネス通信① 香港法人の休眠・撤退手続き

2024/03/13

スクリーンショット (2534)ビジネスにおいて、現在、すでに香港に拠点があるが、事業発展のために営業流通形態の変更を計画していたり、何らかの事情により「事業縮小」や「撤退」を検討することになったり、一方で、これから香港へ新規事業進出を進めているが、撤退方法もあらかじめ理解したい等、さまざまな環境で知っておきたい情報として、今回は、「香港法人の事業停止方法」について説明します。

1. 休眠会社
「弊社の香港法人は、休眠会社です」と説明を受けることがあるのですが、よくお話を伺ってみると、その会社は営業活動をしていないだけのペーパー会社(事実上の休眠会社)であることがあります。休眠会社として正式に登記していない場合、その会社は、通常の営業活動中の会社と同様に、年次報告書提出等の年次コンプライアンスにかかる諸手続を全て行っていく必要があります。
一方、会社登記局と税務局へ申請をすることにより、正式に休眠会社として登記した場合には、①監査人の任命及び監査報告書の作成、②年次報告書の提出、③年次株主総会の開催の実施が免除されます。ただし、この場合には、銀行口座等も閉鎖し、会計取引が生じない状態を保つ必要があります。一旦、事業活動を中止するが、将来の事業再開の可能性を残しておきたいケースや、現在の会社名をほかにとられないように確保しておきたいケースに利用されます。
なお、事業活動を再開する場合は、取締役会、臨時株主総会を開催して承認後、会社登記局、税務局へ休眠登記解除通知を提出することによって、活動が再開できます。休眠解除後、事業が再開した期末から4カ月以内に法人税申告書を税務局へ提出する義務があります。

2. 撤退
撤退の方法として、大きく「登記抹消」と「会社清算」の2つの方法があります。

①登記抹消
登記抹消とは、会社法に基づき、会社登記局と税務局へ申請して会社を解散させる方法で、以下の条件を全て満たせば、清算人を選任せずに、全株主の承認で申請することができます。
登記抹消手続にかかる期間は、税務局の審査期間などにもよりますが、概ね9カ月から1年ほどになります。
申請条件
・会社の全株主が登記抹消に同意していること
・会社は、設立後、全くビジネスを始めていない、あるいはビジネスを停止してから3カ月以上経過していること
・会社には一切の負債がないこと
・法的手続の当事者となっていないこと
・会社の資産に、香港に登記されている不動産の所有がないこと
なお「登記抹消」の場合は、登記抹消手続完了後20年間は、債権者が裁判所に申し立てを行い、裁判所がそれを認めた場合、登記抹消を取消して復活させる可能性があります。

②会社清算
会社清算には、債務返済能力が有る会社が実施できる「株主による任意清算(Members’ Voluntary Liquidation)」、債務返済能力が無い会社が実施できる「債権者による任意清算(Creditors’ Voluntary Liquidation)」、「裁判所による強制清算」の3つがあります。ここでは、株主による任意清算の手続を説明します。

株主による任意清算(Members’ Voluntary Liquidation)
清算開始日より12か月以内に全ての負債の弁済が完了でき、株主への残余財産の分配が可能な場合に採用することができます。スクリーンショット (2525)

弊社では、香港法人の設立を始めとして、年間に実施すべき監査手続、税務申告などの法人維持管理サポート、休眠、撤退に関わる各種手続のほか、事業縮小に伴う香港法人の管理サポートを、オーダーメイドでリーズナブルに提供しております。まずは下記までお気軽にお問い合わせください。

 

NAC Global Co., Ltd.
nac
香港法人 一括管理サポート
人材紹介・ビザ・給与計算
無料会計ビジネス相談室

NACグループは、香港・深セン・東莞・広州・上海・蘇州・北京・大連・ベトナム・タイ・インドネシア・シンガポール・オーストラリアなど、中国アジア23拠点を広くカバーする総数300名の公認会計士・専門家集団です。

Suite 2408, 24/F., Tower 2, Lippo Centre, 89 Queensway, Central
(852)2537-2146
info@nac.com.hk
www.nacglobal.net/hk

Pocket
LINEで送る