総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:香港の医療サービスって、凄いぞ!

2016/06/20

メディポート海外に住むことが決まったとき、誰もが大なり小なり不安を抱くのが医療のこと。見知らぬ土地で病気になったらどうしよう、医療サービスの質に問題はないのか、言葉の問題もあるしなあ・・・。漠然とした不安が膨らんでしまって、海外赴任が憂鬱になってしまったということはありませんでしたか?特に小さな子供を連れての赴任であれば尚更です。欧米であれば医療水準が高そうなイメージがあるので、香港に比べると心配の度合いは低いのかもしれません。ところが実際には香港の医療にはまったく問題がないどころか、日本人が在住する場合、世界中のどこよりも安心できると私は確信しています。

ところで香港人の平均寿命が日本と同じレベルにあるのはご存知かと思います。これには新生児、乳幼児の死亡率が非常に低いことが大きく貢献しているのです。その背景には、非常に高い医療レベルに加えて、医療費の多くが公的にまかなわれているからです。したがって出産費用を気にすることなく誰もが病院で出産できるわけです。香港の医療サービスの特徴は、基本的には「必要とあれば、誰にでも、最高レベルの医療サービスを施す」ということにあります。十数年前になりますが、来港間もない日本人が夫婦間で生体肝移植手術を受けました。命にかかわる緊急事態の中で、香港での治療を受け入れるしか選択肢がなかったわけですが、この移植手術のレベルはなんと世界トップ!しかも、この夫婦に対する患者負担額はなんと約3万円のみだったのです。当時は日本では肝臓移植手術は健康保険の適応にすらなっていなかった治療で、2000万円ほどのたいへん高額な患者負担があったそうです。これは極端な例ではありますが、現在、どのような病気でも入院治療は1日100ドルとなっています。ちなみに通常分娩の出産は300ドルでOKです。心臓の冠状動脈のステント留置術を受けた日本人もいますが、3日間でやはり300ドルでした。さらに、公立病院に足掛け2年通院して、前立腺がんを完治させてしまった方もいます。患者負担は総計1000ドル程度ではなかったかと思います。

これらのお話は公立病院を利用した場合のこと。日本人の場合、ほとんど公立病院は利用しません。もちろん移植手術のような高度医療の多くは公立病院でしか行えないものも少なくはありませんが、医療保険を利用できる多くの駐在員やその家族にとって、待ち時間が長く、言葉も通じにくい公立病院を積極的に利用することはまずありません。風邪や発熱、あるいはちょっとしたケガなどでは、私立の医療施設を利用したほうが予約できる上に医師も選べるなど、とても効率的で患者にとっては好都合です。もちろん医療レベルにおいてもまったく心配はなく、通訳サービスも充実しているので安心して受診することが可能です。

ところが急病で救急車を呼ぶと、日ごろ利用しているといっても希望する私立病院には搬送されることはなく、最寄りの総合病院に搬送されるのがルールです。そのような事態には遭遇することは極めてまれではあるものの、いつ何が起きるかわかりません。また高度な医療サービス(治療)を受けると、私立病院では医療費がかさんでしまって医療保険では対応できないこともあります。集中治療室にでも入ってしまったら医療費は莫大な金額になってしまいます。それでも会社などが面倒を見てくれるのであれば良いのですが、誰もがそのようなことをあてにできるわけではありません。普段から公立病院の利用法をチェックしておいても決して損にはなりません。最近では、やや特別な持病があり、日本で定期的に受けている治療(経過観察)を香港で継続的に受けたいという駐在員もいますが、このような場合でも公立病院の利用が考えられます。香港の医療サービスは想像しているよりもはるかに優れたものであり、私立と公立の医療施設を使い分けすることさえできれば、長期滞在するにあたって医療面で不安に思う必要はなく安心です。
メディポートINFO

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