総合健康診断サービス「メディポート」健康コラム:太りやすい時期ですね

2020/12/23

太りやすい時期ですね メディポート

 

 hori prof 今年もホリデーシーズンに突入しました。クリスマスから新正月、それが過ぎると春節がやってきます。例年であればイベント続きです。新型コロナウイルスの流行でレストランの利用や集会が制限されているので、今年は皆で集まって飲食する機会が確実に減っています。それでも気分はちょっとだけお祭りモード。これまで新正月と旧正月で、忘年会と新年会を毎年ダブルでやっていた人もありますよね。毎年この時期にはほぼ毎日飲み会があった人も少なくはないはず。ただの酒好きなだけかもしれませんが、今年に限ってはそんな機会も激減してますよね。いつもは年末に帰国して日本で新年を迎えるという人も多いのでしょうが、今年はコロナで身動きが取れずストレスを抱えている人も少なくないでしょう。ほとんどの海外在住者は滞在国でやむを得ず越年という異常事態です。こうなるとヤケ酒にヤケ食い。外では集まれないのでどこかの家に集まってパーティーということもあるのでしょう。本当はそれも止めた方が良いのでしょうけど、特に親しいもの同士で集まりたい気持ちは抑えられませんよね

 宴が終わって気が付くと、例年のことながら体重が一気に増えているという現実に肩を落とす人もいるはずです。しかし、ちょっと待ってください。なぜ肥満を気にするのでしょうか?肥満税なるものがあって、基準体重を超えると納税義務が生じるのであれば大変ですが、太ったふとったと言って気にしているのは、たいがいはその本人のみ。見栄えが悪くなるって?そんなこと誰も思っていませんよ。

 

脂肪の付き方が問題

 食べ過ぎ、つまりオーバーカロリーは肥満の原因になるから良くないと言いますが、本当に体重が増加することは「悪」なのか。多くの方の健康診断結果を見てきましたが、男性と女性とでは大きな違いがあり、体重の増加と健康状態の悪化が比例するのは主に男性です。男性は生理的に内蔵脂肪が溜まりやすく、血中脂質、血糖値、血圧の上昇を招き、さらに肝機能異常も起きやすいようです。おもに循環器系疾患のリスクを高めます。一方で皮下脂肪型肥満が多い女性にはこのような健康上の問題は起きにくいようです。男性と女性で脂肪の付き方が違うのは、生物学的な合理性によるものです

 

太ることが悪いわけじゃない

 太るというのは単に体重が増えるという現象を表しているにすぎません。その多くが過剰な脂肪によるものだと認識されていますが、筋肉量の増加が肥満の原因になっているケースもあります。最近ジムで体を鍛える人が増えており、筋肉量の増加を肥満と判定されてしまう事例もあるようです。内臓脂肪は簡単に落とせますが、皮下脂肪量は食事を減らして運動しても、なかなか期待通りには減ってくれません。皮下脂肪が多い人が体を鍛えても、マッチョな体系になりにくいのはそのためです。これは生理的に皮下脂肪量が多い女性にはもちろん、皮下脂肪も増えてしまった男性に対しても言えることです。体を鍛えているから多少太っていても大丈夫だと言い切ることは残念ながらできません。「健康肥満」と呼べるのかどうかは、血液検査を受けないとわからないことですから。

 

痩せるメリット

 肥満が健康上の問題になるという事実は広く知られています。特に男性の内臓脂肪型肥満では、その影響が顕著に表れます。反対に言えば、肥満が原因となって起きている多くの健康上の問題は、減量で一気に解決されます。また、女性の皮下脂肪型肥満は減量が難しい一方で、健康上の問題は少ないのが特徴です。しかし体重という物理的な負荷を下半身に与え続けるので、ひざや腰を痛めてしまう原因になります。いずれの場合でも体重を落とすことはそれなりのメリットがあると考えられます。

 

特別な運動は無用です

 一般的に考えられている運動は、健康のためには特に必要ないものと個人的には思っています。そればかりか過剰な運動は健康のために良くないものと確信しています。野生動物は生きるために体を動かしています。餌を探したり天敵から逃れたりするためです。ヒトも生物としては同じ性質ですが、自然界で生きる厳しさはありません。産業革命のころから急速に便利な社会になり、人は体を動かす機会が少なくなっていった一方で、摂取カロリーは増えています。もちろん体格が大きくなっているので必要なエネルギー量が増えるのは当然ですが、自分自身で動くことが少なくなった現代人はエネルギー過多の状態になりがちです。日常生活でいかに体を動かすかということを意識してください。とにかく歩きましょう。できれば早歩きを心掛けてください。そして、可能な限り階段を使うことです。

 「健康」であれば太っていても大丈夫!しかし、日常、とにかく体を動かすことが大切です。生物としての基本ですから。

 

 さて、新型コロナに始まった今年も、残すところわずかとなりました。収束のめどが立たないばかりか感染の波が何度も押し寄せ、息が詰まるような思いをしている人もあることでしょう。新年を迎えても状況はすぐには好転しませんが、感染症をめぐる医学の進歩は著しく、これまでにいくつもの大きな成果をあげています。来年はきっと良くなると信じています。

 今年も大変お世話になりました。新年におきましては、皆様がより幸せを実感できることをお祈りいたします。良いお年をお迎えください。2021年も何卒よろしくお願いいたします

 


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