ど・ローカルグルメ「腹を鳴らせば」第26回

2020/11/11

dolocal
「あー、唐揚げが食べたい。」

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 日本人であれば、三日に一度くらいは自然と口からこぼれるフレーズである。我々日本人は子供の頃から食卓に唐揚げが並び、外で買うお弁当のチョイスはもちろん唐揚げ弁当一択、居酒屋で生ビールの次に頼むのは異論なく唐揚げ。僕の若かりし頃は唐揚げ6個ほどあれば白メシ2合はペロリとたいらげていた。僕が今世の中で一番好きな食べ物はダントツで妻が揚げてくれる唐揚げというのは公言済み。というくらい、我々日本人は唐揚げとともにあると言っても過言ではない。

 という完全に偏りしかない持論はさておき笑、唐揚げが好きという人は多いのではないかと思う。中国に住んでいても唐揚げが非常に恋しくなることがある。

 そんな時にオススメな広東省でも食べられる中国ローカル唐揚げがあるのをご存知だろうか。広東省の東に位置する”潮汕”地区の名物とも言われる油炸(揚げ物)がある。

 

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 店先に様々な種類の具材の揚げ物並んでおり、その中に神々しく存在しているのが我らが鶏ももである。黄金の衣を被っていたって、その存在は隠すことができないくらいの主張である。鶏ももとその親友である手羽先ももちろん必食。

 

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 他の具材もそれぞれ1点ずつ注文することができるので、店先に並ぶ揚げ物から好きなものを選ぶも良し、席に座ってからメニューを見てじっくり選ぶも良し。

 

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 あとそうそう、一つ忘れていけないパートナーがいる。子供の頃は唐揚げと白メシは切っても切れない関係だったが、これがいつの頃からか白メシの座はビールに奪い取られ、唐揚げ一口に対して白メシ二口だったのがビール二口変わってしまったのは大人になってしまった自分がそうさせるのか。というわけで、せっかくの唐揚げなのでビールももちろん欲しくなるところ。このお店自体では酒類の提供はしてないが心配ご無用。そう、ここは持ち込みに寛容な中国、しかも隣がちょうど売店というなんとも願ったり叶ったりなポジショニング。お店に行く前に隣の売店で1、2本缶ビールを仕込みそそくさとお店に戻り、食べたい揚げ物を注文。ちなみに途中ビールが足りなくなったらまた隣に買い足しに行くことだって可能笑。

 

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 サクサクの衣にアツアツジューシーな鶏もも肉、手や舌が火傷しそうなくらいのアツアツにかぶりつくのがもう最高。そこにビールを流し込む。中国語でいうところの”完美”の瞬間である。揚げ物の具材の種類がたくさんありいろいろと食べたくはなるが、特に鶏ももはなかなかのボリュームがあるので、ビール500缶に揚げ物3種類くらいで意外とお腹は満たされる。缶ビール代を入れても日本でいう”ワンコイン”でもお釣りがくるコストパフォーマンスは中国の特権。

 この中国ローカル唐揚げは街中というよりも、入り組んだ道端、結構ディープなローカルエリアにあることが多い。ロケーションの意味でも異国の地を感じながらローカルグルメを食すというのも、また味わい深くさせてくれるものである。

 だからローカルグルメはやめられない! 

 

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佐藤 健太
通称さとけん、中国歴6年。中国在住当初より、住まいが中心から遠く、周りにはローカルグルメしかなかったこともあり(?) 日々ローカルグルメを食す毎日。今では明らかに現地人しか行かないであろうご飯屋を攻めるスタンス。近頃は何なら言動が現地人よりも現地人と言われる始末。一番好きな食べ物は妻の手料理、本職はフクヅクリ。

 

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