ど・ローカルグルメ「腹を鳴らせば」第7回
「平成最後」の腹を鳴らせば新旧元号に乾杯!!のお供にピッタリ!?
去る4月1日、日本中の注目を集めた新元号が決定し公表された。僕はスマホの速報の通知でそれを知ることになったわけだが、公表された新元号は「令和」。聞きなれない響きに初めは多少の違和感すら感じていたが、時間が経つにつれて、少しずつしっくり感じてくるようになるのは、中国の生活が少し長くなったとは言え、自分はまだまだ日本人だからだろうか?初めは違和感を感じていても次第にそれがしっくりきて、最終的にはそれが当たり前になる、という同じような感覚をどこかで感じたことがあるなと思っていたら、そう!ローカルグルメ!!誰しもがこの異国の地、中国にきたばかりの頃は、言葉ももちろんわからなければ、何を食べたらいいかもわからない。それが、気がつくと少しずつ、言葉もわかるようになれば、いつの間にか近所のローカルご飯屋さんが行きつけになっていたり。今回、平成最後の「腹を鳴らせば」で紹介するものも、最初の見た目や食材だけでは違和感を感じてしまうかもしれないが、食べれば手が止まらなくなるほどクセになるザ・ローカルグルメ。
高速鉄道や長距離列車の車内で、中国人の方々は口寂しさをしのぐのに、果物であったり、ひまわりの種のようなものを食べているのをよく見かけると思う。その中で、ビニールの手袋をして、なんだか黒い骨のようなものを食べている光景を見たことはないだろうか?もしそのような光景を見たことがなくても、電車等の主要ターミナル駅で恐らく誰しもがこのお店を見たことがあると思う。
お店の名前は「周黒鴨」。店名にも入っているが、主に鴨が食材として使われており、鴨の様々な部位を鹵(香辛料や醤油のだしで煮ること)した商品が並んでいる。この周黒鴨、経営上の戦略なのか、ちょうどいい具合に主要ターミナル駅にお店のあることが多い為、列車に乗り込む前に買って車内で食べるものに選ばれる確率が高いのではないかと僕は思っている。
鴨の様々な部位と言ったが、オススメは周黒鴨の看板商品かつ人気商品である「鴨脖(鴨の首肉)」と「鴨鎖骨」である。写真を見てもらえば気付くと思うが、これまたパッと見、正直何かわからない笑。骨のついたものをあまり食さない日本人の視点で見ると、食材といい、見た目といい、違和感や抵抗感といったものを感じざるをえないのではないだろうか。
ただそこで既読スルーは機会損失というものだ。ビニールの手袋を手にはめて、一思いにかぶりついてほしい。日本にある食べ物や他の食べ物には代え難い、絶妙な辛さと味付けがその一口で伝わると思う。更に一口、二口と進めていくと、辛さが徐々に増してきて、ヒーヒー言い始め、舌と唇がビリビリとさえしてくる。そんな時に身体が欲するもの、言うまでもなくビール。日本のものに比べて比較的あっさりした中国のビールが合うなんてもんじゃない!!辛いもの好き、ビール好きの方には特に是が非でもお試しいただきたい。
僕の妻も初めは見た目で敬遠していたが、食べ始めたらハマりにハマり、今では周黒鴨以外でもタオバオで鴨脖を探し求めるほど。さすがの僕も妻のその探究心には完敗である、いや、乾杯である。
百聞は”一食“にしかず、是非ご賞味あれ。
周黒鴨
住所:広州駅、広州東駅、広州南駅等のターミナル駅の他、各地に多数店舗有
時間:店舗により異なる
佐藤健太
通称さとけん、中国歴6年。中国在住当初より、住まいが中心から遠く、周りにはローカ ルグルメしかなかったこともあり(?)日々ローカルグルメを食す毎日。今では明らかに現地人しか行かないであろうご飯屋を攻めるスタンス。近頃は何なら言動が現地人よりも現地人と言われる始末。一番好きな食べ物は妻の手料理、本職はフクヅクリ。