深センものがたり 第4回
自然災害への備え
突然、どうしても伝えたい事がある。それは予期せぬ自然災害に対する備えの重要性。今夏から日本列島各地は自然大災害の脅威に遭遇した。大雨による洪水や土砂崩れ、大地震、連続してやって来た大型台風。異常気象の要因と言われる地球の温暖化により、世界各地も自然の大災害が発生している。果たして我々は真に災害に対する準備をしているのだろうか。
未来都市の落とし穴
発電所や関連施設が停止した時、スマホやタブレットが使えず災害情報を得ることができない。停電が続けば、コンビニやスーパーで食料が買えない。先の北海道地震では3日間も停電や断水の生活を余儀なくされた。夜は恐怖の暗闇の世界だ。水が無いと米も焚けない、カップ麺も食えないのだ。
電池が切れ充電もできないスマホやモバイルバッテリーは役に立たない代物。通信の基地局がパンクすればSNSも使えない。
深センでは、食事、買物、交通等の生活に対するサービスのすべてがスマホ支払いである。「IT革新における世界の最先端は深セン」と言われるが、停電が長期間続いても大丈夫だろうか?未来都市の最新機能で食事ができるのだろうか?
災害による資産減少
日本における地震災害で起こる問題のひとつは分譲マンションである。建て直しや大掛かりな修復となれば莫大な個人費用の負担となる。筆者の知る限り20年経ても解決できないマンションもある。二重ローンで人生計画が一変した家庭も多い。
9月の北海道地震で発生した札幌市内の※液状化現象。阪神淡路大震災でのポートアイランド、東北大地震で東京湾沿岸でも発生した災害であり、埋め立て造成された地域が被害に遭う可能性がある。土地の相場や家屋の資産価値は当然下落する。そのような土地に不動産を購入するのはリスクがある。埋め立て地と知れば購入は避けるはずであろう。つまり資産価値が下がる事となる。
そういえば、筆者が生活してきた多くの土地は埋め立て地である。
※液状化現象とは、大地震の際に、地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象。 これにより地盤は崩壊し、家や建物が埋もれたり、倒れたりする。 地下から湧き出た多くの泥水はその後乾燥して多量の粉塵となり二次災害をもたらす。
”安全な地域“は都市伝説
地球上に自然災害が無い地域など皆無である。よく語り継がれる「この都市は地震がない」など有り得ない。地球は地殻変動の星である。近代の歴史上では発生していないだけ。逆に蓄積されたパワーが解き放たれた時が怖い。どれだけ人類の科学が発展しても自然のパワーへのコントロールは不可能である。
のど元過ぎても熱さ忘れず
突然の災害に遭う事を想定して、カップ麺などの非常食や携帯LCDライト、携帯ラジオと乾電池、その他諸々は住居に備えておく最低必要なツールである。ちなみに、筆者は阪神淡路大震災の被災者であるが、のど元過ぎて熱さを忘れている…いかん!
深セン在住17年のベテランコンサルタント
宮城 紀生
miyagi@waya.net.cn
深セン華日(ワーヤ)コンサルティング
会社設立・運営、法律相談、会計財務税務
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