歯槽膿漏に苦しむ独眼流

2017/12/28

「伊達男」の語源でもある伊達政宗。小説やテレビドラマで美男子として描かれることが多く、非常に人気のある武将である。

政宗公の推定身長は159.4㎝。当時の日本人としては高い方で、筋肉質のがっしりした体格であった。文献によると、日頃から健康に気を配り、夏も冬も、好んでよく水を飲み、一日三度の行水と髪の手入れを欠かさなかったといわれる。本拠である仙台にいる時は、野山に入り、ストレス解消をしていたという。世が世なら、私と同様、トレイルランニングなどに勤しんでいたかもしれない。

さて壮健そのものの独眼流も歯の病には苦しめられた。遺骨の学術調査によると歯周病により左右の犬歯以外のすべての歯が抜け落ちていた。当時、歯槽膿漏が進行してしまうと、抜歯するしかなかったと考えられている。

数十年後の時代になれば入れ歯を着用している人も出てくるが、政宗公の時代はまだ入れ歯はなく、抜歯してしまうとそれでなんとかやり過ごすより他になかった。

ちなみに、かつて入れ歯は仏師が作っていた。当時の入れ歯は木製が中心。他には、象牙や獣骨、蝋石、黒柿、抜歯した天然歯などを人工歯として使っていた。どちらにしてもあまり快適なものではなかったようだ。

林原祐一

筆者紹介 林原祐一
しろもと歯科本部統括管理部長。6月の広州院開院に向けて奔走中。メタボ解消のために46歳でランニング開始。25キロの減量に成功し、走歴4年強で表彰歴60回を数える。

 

 

 

 

 

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