スマイルグラスでウーロンハイ「風神雷神 酒所」広州市天河区

2015/09/15

店内僕の記憶が正しければ、今から10年近く前に広州で初めて炭火の日本式焼肉を始めたのが”牛蔵“だったと思う。三角巾を被ったオーナーの風間さんに、いつでも火力の強い炭をお客さんに提供できるようにと店内に設けられた炭置き場で、熱い赤外線を放つ炭を見せてもらった事を覚えている。その牛蔵と店内奥で繋がっている姉妹店の”風神雷神“が天河区にNEWオープンしたと聞いてお邪魔した。
焼酎バーも経営していた風間さんと、ビジネスパートナーで、接客のプロでもある綾さんのお店は、お酒の種類も豊富。壁には焼酎のエチケットがズラリと並ぶ。ここはまずビールで喉を潤して、それから黒霧島の一升瓶で席を陣取ることにした。「居酒屋なんで、料理はそこそこで良いんです。」という風間さんの言葉とは逆で、価格はリーズナブル且つグレードは高い。お通しの砂肝の辛みそ和えを摘んでいるうちに、注文した唐揚げや鉄板パリパリ餃子がテーブルに登る。唐揚げは大振りでジューシーだからグングン杯が進み、餃子の辛味ダレが粗挽き肉と皮のパリパリとした食感とのハーモニーを盛り立てる。お願いすれば、隣の牛蔵で焼肉を焼いて持ってきてくれるそうだ。また、特筆すべきは塩釜牛タンで、牛タンを塩で固めてオーブンで焼き上げる渾身の逸品。これは時間が掛かるということで今回は断念することにしたが、いつかは試したいメニューである。
ウーロンハイ 餃子 唐揚げ
烏龍茶酒杯:3ℓはありそうな鉄板餃子:「パリパリに焼き上げられる唐揚げ”スマイルグラス“。かどうかが勝負なんです」とこれで飲むウーロンハイは格別。オーナーの風間さん接客のプロと書かせていただいたが、ここのスタッフさんは注文を取る際は屈んでお客さんの目線よりも自身の目線を下げるのである。こういうお店は華南において今はあまり無いのではないかな。丁寧過ぎて恐縮してしまうが、そこは綾さん、お客さんとのトークも心得ており、仕事帰りの駐在員が足繁く通うのも頷ける。そんな中、隣の席のラグビーマンらしき常連さんが綾さんを呼び止めて「いつものお願い」と何かを注文。3分後、氷が入ったIKEAの巨大な花瓶(これが”スマイルグラス“!!)が出てきたのには驚いた。「これで飲むのが良いんだよ〜」と常連さんは500mlのウーロン茶を丸ごとドボドボと焼酎と共に入れだした。
一口飲むと常連さんはニコリ。何とも幸せそうな笑顔である。そんな常連さんの飲みっぷりを見ていたら、こちらも焼酎ロックが進み、千鳥足で帰路につく事に。次回は塩釜牛タンと締めのラーメンも試したい。

風神雷神 酒所
住所:広州市天河区林和東路海棠閣1F
電話:(86)180-2859-7527 綾まで
時間:18:00~深夜(食事ラストオーダーは24:30)
日曜定休

鳥丸 雄樹(とりまる ゆうき)鳥丸 雄樹(とりまる ゆうき)
元JEFユナイテッド市原のジュニアユースでもあり、元バンドマン。ロンドンのコヴェントガーデンにあるHard Rock Cafeや上海でライブ活動を行い、ロスの日刊サンへの寄稿を経て現在に至る。

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