僕の香妻交際日記 第20回「普通じゃないのは私か? あなたか?」
友人とスポーツ鑑賞なんかをしていると「いやいや、そこは普通シュートでしょ!」というようなセリフを時折耳にします。またスポーツに限らず私たちの生活には「いやいや、そこは普通…」と言いたくなることが実は結構あります。香港は日本人にとって非常に住みやすい場所だと思いますが、それでもやはり激しくツッコミたくなる場面に日常的に出くわしますよね。そこで今回はその中でも日本と180度考え方が異なってしまっている香港の流儀を紹介いたします。
1.赤いContinueボタン
HSBCのATMで小切手を入金しようとすると、手続きを進めるうちに緑のReferenceボタンまたは赤のContinueボタンかを選択しなければならない画面に遭遇します。ここは挿入した小切手の小切手番号を参考(Reference)として入力しておくか否かという確認画面なのですが、多くのケースではcontinueを選択します。(私の場合)しかし、日本人の感覚では緑ボタンと言えば「先に進む」で、赤は「取消」という認識を無意識にしてしまうので、どうしてもこの画面で緑のReferenceを押したくなるのです。そして毎回「いや違う、俺は先に進みたいんだ」と思いとどまるわけです。(ついついReferenceを押しちゃうこともあります。)ですから赤いcontinueを見るたびに思うんです。「いやいや、そこは普通緑でしょ!」
次は茘景…じゃなくて青衣ですよ!
2.増えていくランプ
日本の電車の場合、車内の路線図電光掲示板のランプは駅を通過していくごとにその駅のランプが消えていきます。一方香港(東涌ライン)の場合はその駅を通過するごとに駅のランプが点灯していきます。日本の場合は「通過した駅はもう用済み」ということで、あまり目立たないようにランプが消えていくのか。かたや香港の場合は通過した駅は「通過したぞ!」という喜びを表現するためにランプを点灯させていくのか。それぞれの鉄道会社の意図は定かではありませんが、急いで香港の電車に乗った日本人にとっては迷惑な話です。
何度「乗り間違えた!・・・かも?」と思ったことか…
「いやいや、そこは普通ランプ消えていくでしょ!」
3.9割引!?
ショッピングモールに行けば至る所で目につく「○折」の表示。ちなみにご存知かと思いますが、9折は1割引の意味です。日本は割り引かれる方を強調しますが、香港では割り引かれて残った方に注目しています。まだ香港に来て間もない頃は「9割引き!?」と勘違いすることもよくあったものです。(逆に
怪しすぎて買おうとは思いませんでしたが)
「いやいや、そこは普通1折でしょ!」
勝手に香港に居座らさせてもらっている日本人のくせに香港のやり方に文句ばかり言っていますが、これらのことは香港人が日本に行ったときにも同じような違和感を感じるのではないでしょうか。
同じものを見ていても、それぞれの人でそのものの見ている部分や感じ方は異なります。「普通」という言葉もあくまで自分自身の基準であって、場所や時間、人が違えば昨日の普通は今日の普通じゃなくなることもあるわけです。
「普通普通って、普通がそんなに偉いのかよ!」
木更津キャッツアイ、よろしくお願いします。
ではでは。
ルーシー龍(りゅう)
香港人妻との結婚歴3年目の日本人。沢木耕太郎の「深夜特急」を読んでチョンキンマンションに憧れて香港にやって来る。趣味は早く家に帰って妻と一緒にTVBのドラマを見ること。