フィリピンのお葬式、故人の送り方。プライマー編集部

2015/07/08

フィリピンのお葬式文化

 

お葬式には、フィリピン文化がつまっている。

まず、キリスト教徒が90%以上を占めるフィリピンでは、土葬が一般的。キリスト教では、死後に最後の審判を受けるという考え方があり、日本のようにすぐ遺体を焼いてしまうことはタブーなのだ(最近では火葬も増えつつあるそうだが)。

儀式のはじめに行われるのは、「wake(lamay)」。日本で言う「お通夜」だ。化粧などを施した遺体を棺に入れ、自宅や教会でお別れの時間を設ける。なんとこのお通夜、1日ではなく、1週間ほど!国内外からより多くの親族や友人が立ち寄れようにするために長いのだ。

 

故人の送り方

強い日が照りつける中、
埋葬地まで歩く参列者たち

 

★基本スタイルは「明るく送り出す」
お通夜の期間は連日にぎやかで、食べ物を囲んで大きな笑い声や歓声があがる。ディスコやカラオケ大会をするケースもあるが、イベントを開けばそれだけ費用がかかるもの…。そう、問題はお金なのだ。葬儀費用を出せない家族も多いのが事実で、親戚や友人が工面したり、葬儀場で博打大会を開いて、その稼ぎを葬儀費用に当てたりする。博打はフィリピンの法律でも禁じられているが、警察に届けをだせば葬儀の時だけ許可がおりるのだとか。また、参列者の服装は自由。落ち着いた色であれば、カジュアルな服装でも問題なく、普段着の人も多い。

そしてお通夜が終ると、お葬式と埋葬。教会で神父に儀式を行い、棺を埋葬地に運ぶ。教会と埋葬地は離れた場所にあり、棺を乗せた車の後ろを参列者がゆっくり歩いて移動する。埋葬地で棺が土に埋めた後、参列者が白い花を捧げ、故人との最後のお別れとなる。

キリスト教、家族や地域との強いつながり、明るい人柄、金銭面、そして自由なライフスタイル。お葬式からフィリピン全体が垣間見える。

 

フリーペーパー

文:原崎 瞳
(プライマー編集部)
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