都心部へ20分短縮?将軍澳-藍田トンネル・ クロスベイリンク開通
12月11日午前8時、将軍澳(チョンクワンオウ)と藍田(ラムティン)を結ぶ新たな幹線道路が開通する。工事開始から約6年、これで郊外からの通勤がさらに便利に、都心部からは新界エリアがさらに身近になる。
将軍澳と藍田を結ぶプロジェクト
近年、日本人にも人気が高い郊外エリア将軍澳。新界の工業地帯として栄えた土地だが、1990年に将軍澳トンネルが開通し都心部との行き来が容易になると、20万人にも満たなかった人口は、あっという間に40万人以上に増加した。さらに香港政府は、2028年ごろには将軍澳の人口は50万人近くに増え、沙田に匹敵するニュータウンになるとみている。
そんな人口増加の煽りを受け、将軍澳トンネルはしばしば交通渋滞に悩まされてきた。そこで、物流の円滑化と通勤性向上のため、将軍澳と藍田を結ぶトンネルプロジェクト(TKO-LTT)がスタートし、2016年にその工事が開始。コロナの影響で中国本土からの労働者や原材料が不足し、完成が大幅に延期となっていたが、このたび無事開通の運びとなった。
2車線高速道路のTKO-LTTは、全長約3.8km。そのうち約2.2kmはトンネルになっている。今まで、香港島へ繋がる東区海底トンネルまで将軍澳からは約7kmの移動距離を要したが、TKO-LTT開通により約4.2kmに。所要時間はわずか5分と、以前より10分も短縮されることになる。
サイクリングトラックも完成!
もう一つの幹線道路、将軍澳クロスベイリンク(CBL)は、全長1.8km。そのうち約1kmは、車道はもちろん、自転車道、歩行者専用道、さらには展望台まで備えた香港初の海上高架橋となっている。将軍澳湾ウォーターフロントのサイクリングロードに接続しているため、将軍澳とロハスパークを通る約5kmの道を自転車でぐるりと一周できる。
運輸物流局は、このTKO-LTTとCBLにより、朝のラッシュ時間帯は将軍澳から観塘の中心地までの移動が最大で20分程度短縮できるとしている。またTKO-LTTおよびCBL開通後は、将軍澳トンネルの通行料金は免除される。
ビジネスエリアをつなぐ新バスルートも
TKO-LTTおよびCBL開通により、この道路を走る公共バスも新たにスタート。寶琳の康盛花園バスターミナルと大埔工業村を結ぶ96番線、将軍澳工業村と荃湾西駅を結ぶ290E番線、坑口(北)と長沙灣(甘泉街)を結ぶ298X番線、清水湾半島と尖沙咀の麼地道を結ぶ790番線、将軍澳工業村と海達邨(深旺道)を結ぶ795番線が、平日朝と夕方のピーク時に運行される。新バス路線、時刻表などについてはウェブサイトで確認を。