マリリンのぶらグル巡り Vol.68
伝統とモダンが融合して生まれ変わった老舗中国料理店「Pekin Garden」
1978年に尖沙咀(チムサーチョイ)へオープンして以来、今年で創業40周年を迎える老舗中国レストラン「Pekin Garden」。長い歴史のある多くの人たちから親しまれてきた同店。家族同士で集まったり、お祝いや接待などに利用される、定番レストランとして地位を築き上げてきた。メインダイニングルームから眼前に広がる美しいハーバービューを楽しむことができて観光客からも強い支持がある。趣向を凝らした洗練された飾り付けをはじめ、あっさりとした味と豊かな香りに特徴のある宮廷料理を香港で提供している。今回は、創業40年周年を記念して伝統的なレシピと料理は残しながら時代にあわせて盛り付けや飾りつけをモダンに進化させた料理をご紹介する。
同店の看板メニューから紹介していこう。煮込み野菜、ハム、ニンジン、キノコを芸術品とも言える優美な扇子に仕立てた「Braised Vegetable with Ham, Carrot and Mushroom」は清の時代、皇帝の誕生日を祝うため、特別招待客に振舞ったのが始まりとされている。
その他にもニンジンを5時間かけて彫り上げ、強さと力の象徴である龍に見立てた器にエビとホタテを入れてチリソースソテーを加えた「Sautéed Prawn with Scallop and Sea Whelk in Chili Sauce」。一本のキュウリに100の切り込みを入れてライム、ポメロ、チリソースを合わせて美しい曲線を描いた「Cucumber in Lime, Pomelo and Chili Sauce」は、シェフのハイレベルかつ繊細な包丁さばきを見ることができる。
そして同店の目玉料理、北京ダック「Barbecued Peking Duck」は近年、健康志向が高まる中、脂肪分が少ない若い鴨を選び、独自のローストで焼き上げることで脂肪分の量を調整する。皮はクリスピーに、中のお肉はジューシーにローストされる。2通りの北京ダックを味わいたい方は、鴨肉の骨と野菜のスープ「Boiled Duck Bone Soup with Vegetable」、またはソテーされた鴨肉にレタスを包んで食べる「Sautéed Minced Duck Meat with Lettuce Cups」から選んで楽しむこともできる。
アワビと巻貝を鶏の形に仕立ててパイ生地に詰めて焼いた「Beggar’s Chicken(叫化鶏)」は、下処理を加えた鶏を蓮の葉で包み、土で全体を包み込み、炉で丸ごと蒸し焼きにする中国の江南地方の有名料理。モダンにアレンジしているので、インスタ映えする遊び心のある表現がプラスされている。口の中でとろけるほど柔らかくなるまで煮込んだ「Braised Pork」は、ドラマチックな雰囲気を演出してくれる。
早速、老舗中国レストランの伝統料理とモダンな演出を楽しみに出かけてみよう。
Pekin Garden
住所:3/F., Star House, TST
電話:(852)2735-8211
時間:ランチ 11:30~15:00、ディナー 17:00~23:00
ウェブ:www.maximschinese.com.hk/brand/3