ハンドメイド特集 Part 2

2020/01/15

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百年を超えた美しさを生かし続ける

美華時装

旗袍(チーパオ)は香港の伝統服で、清代以来の服装であった。
1930年代にさまざまな洋裁技術が取り込まれ、現在に見られる体に密着する旗袍の原型が形成された。
上海、広東、香港などで女性の日常服として流行し、香港映画などでも時々旗袍を身にまとった女性の姿が見られる。

 今回PPWは上環の皇后大道にある、色彩豊かで華やかな刺繡や紋柄の生地が数多く飾られている開業100年以上の手作り旗袍店、「美華時装」の三代目オーナーである簡漢栄氏に話を伺った。

 

OHDsEFPtC7opZHt6zzbXHvMq7Y4-dExPMwjEdjMIxHYPPW:まずは旗袍の魅力を教えていただけますでしょうか。
簡:旗袍の魅力はどんな角度から見てもとても綺麗で優雅、東方の女性の美しさを引き出せることだと思いますね。

PPW:旗袍が香港で一番流行ったのはいつ頃でしょうか。
簡:
19401960年代が一番流行っていたと思います。当時の旗袍は今と違い、結婚式や宴に会だけ着るではなく街市(マーケット)に食材を買い行く時でも着てましたよ。今日では結婚式や宴会などでしか着ないので、今の人たちはあっても一着二着しか持ってません。しかし私が仕立て屋として仕事を始めた頃は一人で10着以上注文するのはよくある事でした。当時香港の既製服というのは百貨店に陳列されるような高級品だったからです。それよりも安くてサイズが合っている衣料品を買いたい傾向が強かったのです。またあの当時は肌着もオーダーメードでした。

PPW:一人10着以上!それは相当大変ですね。
簡:そうです。店の職人さんと徹夜で仕事するのも珍しくないです(笑)。旗袍が流行ってた頃、店には仕立て屋さんは
30人以上いて一緒に頑張っていました。

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PPW:なるほど。旗袍のデザインにはどのようなの変化がありましたか。
簡:昔はさまざまな生地が使われてました。いまはドレスのようなものになっているので、西洋化で華麗に飾るのが多いです。あとは素材もレースなどが使われています。

PPW70年代に先代からお店を引き継いだと聞きました。
簡:
旗袍が好き、それだけでやってきました!旗袍を作ることに興味を持ちそして好きになるこそ、この仕事を長く続けられる秘訣です。歳を重ね視力が落ち新聞が読めなくなろうが、旗袍の細工はまだ出来ます(笑)。

img_0465PPW:多くのお客さんも気になると思いますが、どの様な体型でも似合うのでしょうか。
簡:もちろんです!作った旗袍を着た女性が美しく見えなかったら、それは私の責任となります。お客さんの体型は採寸する時は詳しく記録され、それに基づいて補正しながら製作します。旗袍が出来上がってからでも調整ができます。自分の作品より、お客さんの評価こそ私の誇りです(笑)。

PPW:客層はどのようなの方が多いですか。
簡:
ここ数年は若い女性のお客さんが増えていますね。それを考えてデザインも現代化しつつあります。

PPW:旗袍の製作から納品されるまでの流れも教えていただけますか?
簡:
まずはお客さんの希望を聞いてデザイン、使用する生地などの仕様の決定してから採寸します。それから生地を製作に入る前に縮まないように必ず一回洗濯します。サンプル衣装は並縫いで作られ、出来上がりましたらお客さんに一回店に来て試着していただいて、細かいところを調整してから、最終的な製作に入り、
34日かかります。img_2299

PPW:旗袍の盤扣(ボタン)の種類もすごく豊富ですね。
簡:
そうです。それも手作りなんですよ。紋柄だけではなく文字、例えば結婚式用の「囍」や苗字なども作ることが可能です。

PPW:旗袍の仕立て屋として一番の悩みは何でしょう。
簡:
旗袍を着る人がそこまで多くないのはもちろんですが、一番の悩みどころは後継ぎがいないことです。私の息子は店を引き継ぐつもりもありませんで。この店は将来無くなっても仕方がないのですが、私ができなくなるまで旗袍を作り続けたいです。香港の伝統工芸は時代の変化と共に消えていくが、拘りと誇りが詰まっている何十年、何百年と愛され続けてきている旗袍は、これからも末永く続いて欲しい。

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美華時装
住所:76 Queen’s Rd. West, Sheung Wan
電話:(852)2543-6889
時間:月~土 11:0018:00

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