香港と広東の韓国特集1・香港・華南地区の韓国文化

2014/09/08

韓流ファンが世界中に続出している昨今。
香港・華南地区でも韓国の風を存分に感じたい!という人たちのために、今回は韓国文化を特集!香港と華南地区の韓国人事情や、韓国の豆知識、キムチ、語学、韓国料理教室・・・多彩な内容をお届けする。

韓国と香港のつながり

韓国の俳優 人気の韓国ショップ 韓流ブーム

日本でも香港でも、韓国ドラマに韓国映画、韓国の俳優や歌手など、いわゆる韓流ブームの影響で、韓国文化に興味を持つようになった人がたくさん存在する。日本と韓国には複雑な歴史的背景があり、しばしば摩擦が生じることもあるが、香港にとっては、台湾、シンガポールと共にアジア四小龍の1つと呼ばれるほど身近な存在だ。

韓国人にとっても人気の旅行先である香港には、約7千人の韓国人居住者がいる。10年ほど前、韓国の経済が急速に発展し始めた時期、香港に事務所を持つ韓国系企業やローカル企業が、新卒の韓国大学生を多く起用した。その中に、この土地に魅了され、香港を「第二の故郷」にするという道を選んだ人が相当数いたのだ。

キンバリーロード周辺マップ

最初に韓国人が香港に大勢住み始めたのは、1960年代だった。彼らが住んでいたのは西環やホンハム(紅磡)で、時間の流れと共に、序々に韓国社会が形成されていった。九龍側で韓国人が多く集まるエリアといえばチムサーチョイ(尖沙咀)だが、特に韓国料理のレストランやスーパーが多く出店しているキンバリーロード(金巴利道)一帯は、「コリアンタウン」という異名を持つ。香港で韓流ブームがまだ巻き起こっていなかった頃は、全く韓国の匂いがしなかったキンバリーロードだったが、20年前に韓国系アパレル店がオープンしたことをきっかけに、飲食店も続々と開店した。今では焼肉店を始め、伝統料理レストランやスイーツ店など、この界隈だけで20軒以上もの韓国系の店が軒を連ねる。韓流ブームの前から韓国街が衰えることなくここまで大きく成長した理由は、韓国食をこよなく愛する韓国人が、海外の旅先の美食に挑戦するよりも食べ慣れたキムチを食したいと思うからだ。実際、ヨーロッパに行っても自国のスパイシーソースを持参している韓国人が結構いるらしい。

チキンとビール

チキン ビール
香港人が韓国に関心を持ったきっかけはTVドラマだろう。「オータム・イン・マイ・ハート~秋の童話~」の大ブレイクに伴い、香港の各テレビ放送局は続々と韓国ドラマを放送するようになった。なかでも「宮廷女官チャングムの誓い(大長今)」の主人公の屈強な精神力が香港人の心に響き、一時「大長今精神」という言葉も流行した。最近では「星から来たあなた」が少女たちの心を見事に掴み、「雪が降る日にはチキンにビールなのに・・・」という台詞に影響を受けて、香港でも中国でも韓国式チキン店には行列ができ、放送時期は冬で寒い時期だったにも関わらず冷たいビールの売上げが上がったという。さらに街中では主人公の宇宙人の髪型を真似た男性をよく見かけるようになった。

より多くの香港人に韓国文化を知ってもらえるようにと、韓中外交20周年を迎えたことをきっかけに、2012年から韓国領事館が主催する「韓国文化節」が毎年10月に開催されている。ここでは、アートを始め、映画、グルメなど各種イベントが行われ、毎回盛況を納めている。

韓国人の香港に対するイメージとは?

コメディー映画『ハッピー・ブラザー』

香港に対しては、自由で好景気な社会に憧れを持つ人が多いそうだ。また韓国でも香港映画やドラマが一時流行った時期があり、今でも香港映画は人気が高い。80~90年代の香港映画はヤクザものばかりなので、「香港ではヤクザが多い」というイメージを多くの韓国人が持っており、過去には香港のコメディー映画『ハッピー・ブラザー』が韓国で上映される際、韓国人の好みに合わせ、わざわざ拳銃が使われる戦闘シーンを入れたこともあったのだとか。

「コリアンタウン」はここにも

在港韓国人に便利な場所 グランド・プロムナード
サイワンホー(西湾河)にも韓国社会があり、日本人にも人気のアパート「グランド・プロムナード」には韓国人が多く暮らしている。在港韓国人の子どもの6割が通っているという韓国国際学校も近くにあるので、家族連れの駐在員にも便利な場所だ(最近は学校の建築問題で周辺住民と紛争になっているが)。騒々しいチムサーチョイのキンバリーロードとは異なり、サイワンホーの韓国店は観光客でワイワイ賑わうことも少なく、落ち着いてゆっくり過ごせる雰囲気。中国語メニューのほかに、わざわざ韓国語メニューも用意している露店も出ているそうだ。そのほかホンハムの民泰街あたりにも、小規模ながら韓国系飲食店や食材店が軒を連ねる一角がある。この周辺に韓国系住人が多いことの証だろうが、地元香港人の利用客も多く、生活に密着した文化の浸透を感じ取ること
ができる。

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