「日本経済新聞国際版ニュースの活用方法」日邦産業(香港)有限公司 ディレクター 向井 創氏

2014/04/14

教えて!ニュースの活用方法 NIKKEI

香港で活躍する日系企業の人たちに、不可欠な情報源となっているのが「日本経済新聞国際版」。
今回は、日邦産業(香港)有限公司マネージングディレクターの向井創さんに、ニュースを仕事や生活に活かす読み方のポイントを伺った。

日本経済新聞国際版は電子版で読まれているのですね。

通勤時にスマートフォンで電子版を読んでいます。電子版は見出しがまとまっていて読みやすいので、1時間の通勤中である程度は目を通すことができますね。まずは見出しを一通りチェックして全体を把握して気になる記事を選びます。同業他社の情報も素早く得ることができ、気になった記事を気軽に保存できる所が電子版の便利なところですね。ふっとした時に思い返すのにすぐに取り出せますからね。

今まではお客様の情報をスクラップしスキャンしたり手帳にメモとして残し、訪問前に読み返して情報整理していました。しかしお客様も多く容量や手帳のスペースにも限界が有りますので、電子版で保存しておけばどこでも短時間に見ることができます。先日も日本出張の際にうっかりファイルを忘れてしまったのですが、お客様の決算データの記事を保存してあったので打ち合わせもスムースに進めることができました。そのお客様と日経新聞電子版の保存機能で盛り上がりましたね。あとはプッシュ機能で速報がわかるので話題作りに役立っています。

日本経済新聞国際版は会社で購読しているので、ほかの社員や出張者が来た時に読まれています。

どのような記事をチェックされていますか?

やはり業務の関係から中国の政治経済関連の記事を中心に読んでいます。深センに自社工場があり日本や海外からの原料を香港経由で輸入し、自動車や電子機械の部品を製造して中国の日系メーカーに販売しています。中国本土の現地企業向けへコピー機やレーザープリンターに使われる特殊部品などを上海の現地法人を通じて販売しています。香港支社は中国各拠点の統括としての役割を担っており、自動車関連など日系製造メーカーの中国本土進出の記事は特に気になります。今後の取引相手になる可能性がありますから動向は常にチェックしています。

これから伸びる可能性がある業界やトレンドにもアンテナを張っています。台北赴任時代にちょうど現地ではコンパクトディスクの生産が伸びていく時期にあたり現地メーカーに部材の供給をしました。この経験もあり日経新聞で市場のニーズなどのチェックは欠かせませんね。

仕事に関わらないところですと「私の履歴書」が好きなコーナーのひとつです。若い頃はあまり気にしてきませんでしたが、歳を取ってきたせいか(笑)経済人やスポーツ選手の生い立ちに興味を持つようになってきました。人に歴史ありではないですけど、これまでの自分の生き方と照らし合わせています。

日本経済新聞国際版を読むことのメリットは何ですか?

政治経済に関する一般知識を得るのに日経新聞は最適で、日本やほかの地域の動向など幅広く網羅されており日ごろの勉強材料として活用しています。今はインターネットが普及して様々なニュースをチェックできるが、政治経済や業界の情報を細かくチェックするにはやはり新聞ですね。

以前に中国に支社や工場を置く一部の日系企業の引き揚げや他地域への移転があるのではないかという記事を目にしたこともありましたが、わたくしたちは引き続き中国市場を重要視して華北・華西地区にも今後進出していく予定です。中国や東南アジア圏の役割はますます大きくなっていくと思います。

また、香港の金融政策情報もいち早く入手できるメリットがありますので日経新聞の情報と合わせて本社と情報共有をしています。

日本に暮らす娘さんたちとのコミュニケーションツールにもなっているんですね。

大学生の娘がいますので「教育」に関する記事は外せませんね。娘たちにどういった教育を受けさせるべきか、これから彼女たちが人生を歩んでいく上でのアドバイスになるような記事を見つけたら日本にいる彼女たちに教えています。昔も今も変わりませんが、若者はあまり外に出たがらない傾向がありますね。競争はもはや日本人同士だけでなく海外の人たちとやっていかないといけない。日本にもどんどん海外から人が入ってきていますからね。これからのグローバル社会に向けて彼女たちにも海外に目を向けて幅広い視野を持っていってほしいですね。

日邦産業(香港)有限公司 マネージングディレクター 向井 創さん

 

日邦産業(香港)有限公司
マネージングディレクター
向井 創さん

1986年日邦産業入社。海外展開を予定していた当時の日邦産業で、一番最初の海外駐在員になるべく入社。当初の希望通り国際事業開発部に配属され、入社2年目には台北支店立ち上げに携わり初代支店長に。帰国後、再び台北支店へ出向し上海勤務を経て5年前に来港。「香港人はビジネスに対する考え方が日本人に近い。レベルも高いですね。香港という街の特色から様々な人種に接しているせいか考え方がスマートです。一緒に仕事をしていて刺激を受けています」と語る。小中学生時代は父親の仕事の都合から台湾で過ごし、中国語は堪能。週末は趣味のテニスを楽しんでいる。24歳と21歳の娘さんの父親。

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