「日本の増税について」ワイズコンサルティング 中環(セントラル)

2014/04/14

日本の増税について

日本では消費税が8%に上がりました。今回は、現段階で決まっている日本の増税に関するポイントを整理してみます。

上場株の配当・譲渡益の軽減税率廃止

日本の上場株式等の譲渡所得等及び配当所得に係る軽減税率10%は、2013年12月31日をもって廃止されました。2014年1月1日からは20%の税率になります。

ここで、配当所得等については、日本の所得税申告漏れ事例をご紹介いたします(図1【事例1】富裕層・海外取引関係参照)。

外資系企業X社に勤務するA氏は、X社の親会社である海外のY社株式を保有していました。A氏は、そのY社株式の配当金の入金口座を以前は日本国内の銀行口座にしていましたが、海外の銀行口座に変更しました。A氏は、それ以降日本での申告は自分の給与分だけとし、配当金の申告はしていませんでした。これに対し、同様にY社株式を保有するX社の同僚は、Y社株式による配当所得を申告していたため、A氏が所得をごまかしていると想定した日本の税務当局が税務調査を行いました。

税務調査結果:所得税(7年分)申告漏れ所得金額=約1億9千万円、追徴課税=約1億円

消費税率の引上げ

消費税は、2014年4月1日から税率が8%に引き上げられました。2015年10月1日からは税率が10%に引き上げられる予定です。ただし、これについては、政府が増税予定時期の約半年前に経済情勢を見極めて最終的に実施を判断するとされています。

ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算廃止

ゴルフ会員権の譲渡に際して発生した譲渡損失は、他の所得と損益通算(例えば、赤字と黒字の相殺)することができましたが、2014年4月より損益通算が廃止されます。損益通算できるのは、今年の3月末までのゴルフ会員権の譲渡のみとなります。

相続税・個人所得税

2015年1月より相続税の基礎控除額が現行の6割に減額され、最高税率が50%から55%に引き上げられます。また、個人の所得税についても、最高税率が40%から45%に引き上げられます。

軽自動車税

2015年4月以降に購入する新車の軽自動車に対して、軽自動車税を年額7,200円から年額10,800円の1.5倍に上がります。

給与所得控除の見直し

給与所得控除の上限については、2016年1月より年収1,200万円超の会社員の給与所得控除を230万円に縮小します。2017年1月より年収1,000万円超の会社員の給与所得控除を220万円に縮小します。現段階で決まっている増税スケジュールを【図2】にまとめましたので、ご参照ください。

山本圭一郎

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