NWB 投資フォーラム 【第3回】レポート

2017/01/09

香港在住日本人向けの保険や証券などの金融商品をはじめ、日本での不動産投資に興味のある、香港人富裕層に向けて金融サービスを提供しているNippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank(以下NWB)。今年3月、7月に開催した投資フォーラムの成功を受け、12月1日から3日までの3日間、第3回となる投資フォーラムを開催した。同フォーラムでは、日本をはじめ世界の第一線で活躍する専門家が、世界の経済・金融事情、今後注目の投資商品などについて講演を行った。今回はその中の1つ、「2016年の金融市場の振り返りとトランプ米国新政権」を紹介しよう。

〈講演テーマおよび共演者〉
◆お子様にとって最適な学校をどのようにして見つけるか
Foundation Global Education
講師:Brenda Hung Education Counselor
通訳:向井 裕子Manager

◆2016年の金融市場の振り返りとトランプ米国新政権
講師:Nippon Wealth Limited 長谷川 建一COO
◆グローバル・マルチ戦略について
講師:非公開

◆インフラファンド
講師:非公開

◆タイ不動産事情
講師:Asian Business Partners (Tailand)Co.,Ltd. 北浦洋二CEO

◆中国経済と資本市場、そこに見出すチャンスやリスクについて
講師:Rongtong Global Investment Limited Allen Yan CEO

◆海外株式マーケット
講師:Monex Boom Securities(H.K.) Limited 岡本啓司Director

◆テキサス不動産
講師:ステイジアキャピタルホールディングス 株式会社 奥村尚樹CEO

◆金融商品から見たNWB-今できること、将来できること-
講師:Nippon Wealth Limited 幾田朋彦 Senior Manager

◆香港人の視点で見た海外不動産投資
講師:Convoy International Property Consulting Company Limited
Cheung Neo Wing Tat CEO

◆オフショア信託について
講師:Harneys 塩川純子
伊藤国際会計税務事務所 公認会計士・税理士 伊藤耕一郎

◆2017年グローバルマーケット 展望リスクとチャンス
講師:マネックス証券株式会社 広木隆Chief Strategyst


2016年の金融市場の振り返りとトランプ米国新政権

長谷川 建一氏[講演者]
NWB COO 
長谷川 建一氏

2016年を振り返ると、2015年10月に利上げした米国の金融政策と日本と欧州それぞれの金融政策が違うために、デカップリング(世界経済と米国経済との連動性が弱まるという意味)が発生しました。我々は、過去の経験則に基づき動くため、デカップリングというあまり起こり得ない状況に、私は「今年はリスクを取りにはいけない」と今年3月に開催した第1回目の投資フォーラム時に申し上げました。実際その通りに進み、“リスクオフ“という言葉が流行り、安全な資産である債権を買う動きが10月まで続きました。11月の大統領選でドナルド・トランプ(以下、トランプ)が当選を果たし、2017年1月には、第45代大統領に就任することになりました。その影響で、一気にポジティブトーンへと流れが変換してきています。おそらく今後は、インフレスイッチが入る流れに変わるでしょう。

トランプの経済政策で注目されているのが、米国の経済成長と財政出動による消費刺激および税制改革です。減税では、年収2万5000ドル未満の単身世帯と、年収5万ドル未満の夫婦世帯には個人所得税の免除を打ち出し、法人税は35%から15%まで引き下げると公約にはうたっています。この二つから察するに、トランプは減税によって米国の消費刺激をしたいと考えているのではないでしょうか。さらに重要なのは、米国企業が事業を他国籍展開していますが、各国で出た利益を本国で還流させていないという実態です。それを解消するために、一回限り法人税を10%に減税し還流させると公約にはうたっています。現在、株式相場は米国でポディティブに反応してきています。打ち出している政策の思惑として、10%の減税で資金を還流させていく動きの先に、減税分を投資にまわし
て、新たな産業を花開かさせていくシナリオがあるように感じます。今後は、急激なドル高の進みは抑制しつつ、資金管理を行うことで、ドル高は徐々に進んでいくと予想しています。もし、この予想が実現した場合、米国はさらに一層大きくなり、新たな転換を迎えることになるかもしれません。それが、トランプが主張している、「アメリカファースト」というひとつの大きなストーリーではないでしょうか。

また、今後ドル高が進むと経済はどのようになるのでしょうか。トランプが当選を果たした現在、ドル高に変換し、インドをはじめとしたアジア通貨(日本も含む)が売られ約10%下落している状況です。忘れてはいけないのは、20年前にアジア通貨危機がおこりましたが、今と比較するとアジアの各国のGDPや外貨準備高の水準は格段に違うという点です。つまり、多少の混乱が起こることは想定されますが、アジアは大規模トレンドとして投資が向かう先であるということです。2016年の数字をみても、他の諸国に比べて、アジアの経済成長率の高さは間違いありません。投資して勝つ可能性が高いのは、より成長率の高いところに金を投資していくことが一つの鉄則です。そのようなことを考えると、今後経済課題がある欧州からアジアへ流れ来た時に、どのタイミングで入っていくかというのが、大きなテーマとなります。アジア通貨が安くなったタイミングでエントリーするのも一つの手ではないでしょうか。


今回の投資フォーラムは、2016年の海外マーケットを含めた振り返りから、2017年の動向予想まで行われ、参加者にとって満足度の高い結果になったようだ。講演だけでなく、ビクトリア湾を一望しながらの広東料理のランチやシンフォニーオブライツを観覧しながらの北京料理のディナーで香港の多様な食文化を楽しみながら、参加者同士の交流ができることもまた、フォーラムの魅力だろう。最新の金融事情や国際税務、アジア情勢について、日本ではなかなか得られない貴重な情報が手に入るこの投資フォーラムは一部のセッションだけでも参加が可能なので、興味のある方はぜひ参加してみて欲しい。

お知らせ
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Nippon Wealth Limited,a Restricted Licence BankNWBロゴ
住所:16/F, The Peninsula Office Tower, 18 Middle Rd., TST
電話:(852)3958-8828
メール:info@nipponwealth.com
ウェブ:www.nipponwealth.com

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