【香港日通 × 星崎香港 対談】衛生管理が企業のニューノーマルになる時代

2020/12/16

香港日通×星崎香港 特別対談 衛生管理が企業のニューノーマルになる時代

 

世界的なコロナの蔓延で日々の働き方が刻一刻と変化していく昨今、企業経営においても自社での衛生管理に目を向け、場当たり的な措置ではなく、グループ全体のリスクヘッジとして取り組む必要性が高まりつつある。会社の規模は違えど、感染症への防疫といった点では従業員のルーティンとなるインフラ構築が大きなポイントだろう。

今回はニューノーマルになりつつある衛生管理に積極的に取り組むNIPPON EXPRESS (H.K.) CO., LTD.(以下香港日通)梶井 雅章 社長とHOSHIZAKI HONG KONG CO., LTD.(以下ホシザキ)高木 克明 総経理にお話を伺った。

 

 

初めに貴社の香港における事業を教えてください。

梶井氏:1979年に設立し、今年で41年目を迎えます。クワイチュン(葵涌)の港湾地域に構える物流ターミナル「香港日通総合物流中心(HUNT)」を拠点とし、港、空港、大陸への利便性の高いアクセスを生かし、陸、海、空、ロジスティクス全てを網羅。お客様のサプライチェーンへのワンストップサービスを提供させていただいております。香港には当社以外に「Asia Pacific Cargo(H.K.)」、「日通商事香港」、「日通NECロジスティクス香港」、「フランコヴァーゴ」のグループ内4会社が拠点を構えています。(2020年10月末時点で従業員数503名)

 

本社社員集合写真

本社社員集合写真

尖東本社外観

尖東本社外観

HUNT倉庫外観

HUNT倉庫外観

 

高木氏:日本および世界各国で広く業務用厨房設備、衛生機器を製造販売およびメンテナンスしております。飲食店等でたまに目にするペンギンマークがついた銀色の機械(冷蔵庫や製氷機、ビールディスペンサー等)のメーカーで御座います。香港では、日本のノウハウを生かした高品質で高性能な調理機器、衛生機器を飲食店、ホテル、病院等へ納めたり、開店・開業時に厨房のレイアウトをデザイン提案からアフターメンテナンスまでワンストップで支援させていただいております。

 

コロナ禍において取り組まれている衛生管理を教えてください。

梶井氏:受付や会議室のほか、事務所の各入口にアルコール消毒液、ウェットペーパー等を置いた「Health Corner」を設置し、日々防疫措置をとっております。また、社内での飛沫感染リスクを減らすため、会議室や休憩室、フリースペースに透明のアクリル製の衝立を設置し、1日に2回、各社員のデスクや、会議室、ドアノブなど不特定多数の方が触れる場所を水拭きしています。

高木氏:すべてのデスクの間にアクリル製の衝立を設置、入り口には非接触型の体温計と「電解水生成装置」付きのシンクで手洗いができるよう動線を作っています。不特定多数が接触する箇所は清掃員が電解水を使って殺菌しています。

 

社内の衛生管理(インフラ構築)を推し進める中で苦労された点を教えてください。

梶井氏:コロナ第一波の際、一時的な品薄現象が起こり、マスクやアルコール消毒液の香港内調達ができず、日本本社のサポートで調達したほか、インド出張中の社員に現地調達・ハンドキャリーしてもらいました。弊社はグループ企業も含めて従業員が多いことから、対応に非常に苦慮しました。

高木氏:業種柄、営業スタッフは現場で対面での打ち合わせが多く、サービススタッフは故障した機械に直接触れて修理を行うため、リモートワークの徹底がぼぼ不可能でした。電子ワークフローや承認、VPNによるリモート環境等のITの駆使から、シフト出勤、フレキシブル出勤と、オペレーション面の工夫をすることで可能な限りリスク軽減に努めました。リスクをゼロにできない運用は、管理者としては気が休まりませんでした。

 

「業務用電解水生成装置」とは?

高木氏:ひと言でいうと「水道水のように安全で使いやすい除菌水」です。電気分解技術により水(H2O)にひとつまみの塩を溶かし、非常に反応性の高い酸性電解水(次亜塩素酸水 HClO)を生成します。除菌効果を発揮した後、除菌成分が殆ど残留することなく消滅しますので、機器、備品の除菌消毒、手洗いは勿論、生鮮野菜や肉魚の洗浄にも安全にご利用いただけます。手にも優しく、アルコール等による手荒れを気にする方の代替品としても最適です。除菌効果はというと、少ない塩素濃度で次亜塩素酸ナトリウムと同等の効果(99.99%除菌)を発揮します。

 

ホシザキが取り扱う電解水生成装置

ホシザキが取り扱う電解水生成装置

P06 日通・星崎_768

 

香港内での販売実績や日本国内での需要も教えてください。

高木氏:日本では94年から取り扱っております。業務用なので装置が大きかったり、当時は市場の衛生管理意識が今ほど高くなかったこともあり、販売開始当初は数十台の販売にとどまっておりました。しかし00年を過ぎると、小型化に成功したことと、食中毒問題が多発したこともあり、販売台数が急上昇しました。現在はコロナウイルスの蔓延で防疫対策として非常に需要があり、在庫がひっ迫するほどです。急ぎ生産ラインを改良して増産に踏み切っており、病院、老健、保育園、自治体、食品加工工場からの引き合いが急増しております。

 香港ではまだ電解技術による次亜塩素酸水の驚くべき効果と衛生防疫対策としての有効性ならびに安全性が認知されておらず、一部の病院、スーパー等で利用されてはいますが、市場に拡大するのはこれからです。ひとたび認知さえされれば、日本同様に巨大な需要の波が押し寄せると見込んでいます。

 

香港日通でも装置を導入されたそうですが、経緯を教えてください。

梶井氏:引越し業務でスタッフがお客様のご自宅に出入りさせていただくことも多いので、しっかりとした防疫対策に頭を悩ませておりました。コロナ禍の長期化を見越して、恒久的な防疫対策を模索していた最中にホシザキさんの業務用電解水生成装置をご紹介頂き、職場内のウイルス対策だけでなく、社員の手荒れの心配も無く、安心して利用できる電解水に心を奪われました。ホシザキさんには、実際に電解水の殺菌効果を判り易くデモンストレーションしてもらったのですが、最初は半信半疑だった現地スタッフもこれなら導入したいと賛同してくれました。

 

設置後の社内の反響はいかがでしょうか。

梶井氏:設置してまだ日が浅く「そもそも電解水って何?」という段階ですので、社内全体の認知度はまだ低いのが現状ですが、新しいものや日本製品が大好きな香港のスタッフですので、口コミで評判が広がり、“電解水愛好者”が増えるのにそう時間は掛からないとみています。外出先でもスタッフが電解水で手を消毒できるよう、携帯用のボトル(スプレー)の配布を検討中です。

 

今回の取り組みにより、今後どういった点に期待を寄せていますか。

梶井氏:スタッフが安心して働ける環境づくりは会社の使命ですので、業務用電解水生成装置の導入は新たなコロナウイルス対策の一つです。一刻も早くワクチンが出回り、電解水入りボトルを携帯して自由に出歩ける環境になって欲しいと願っております。

 

※ 当日は防疫対策に徹して取材を行いました。

 


P06 日通・星崎_768

梶井 雅章 氏
99年より8年間、香港日通航空貨物支店の次長を務めた後、ドイツのミュンヘン、フランクフルトで支店長を5年経験。神戸、大阪と役職を歴任し、17年に台湾法人の社長に就任。今年4月に香港への再赴任を果たし現役職。

 

P06 日通・星崎_768

高木 克明 氏
02年よりホシザキのシンガポール、オランダ法人で管理部門長として累積5年従事した後、13年に韓国でのM&Aおよび法人立ち上げに参画して18年4月まで代表。今年1月より現役職。

 

 

P06 日通・星崎_768NIPPON EXPRESS (H.K.) CO., LTD.
住所:本社:Rm. 1101, Chinachem Golden Plaza, 77 Mody Rd., TST East
電話:(852)2408-1111(引越し部門)
ウェブ:www.nipponexpress.com/moving/hk/ja/about

 

HOSHIZAKI HONG KONG CO., LTD.
住所:Unit G, 17/F., World Tech Ctr., 95 How Ming St., Kwun Tong
電話:(852)2866-2108
ウェブ:www.hoshizaki.com.hk/jp

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