海のシルクロード「黄埔古港」レトロな広州
めまぐるしく移り変わる広州だが、ここには昔ながらの素朴な風景がある。かつて「海のシルクロード」の要所として活躍した栄華を今に伝える貴重な証人だ。宋の時代以降、黄埔村は長い間、海外貿易の要所として重要な役割を担ってきた。その栄華はもはやないが、残された遺物が歴史を物語る。こんな街には、レトロ感たっぷりな“駄菓子屋風グルメ”が似合う。時の流れを感じながら、長い間広州の人々に愛されてきた素朴な食を味わってみよう。
停で下車、道端で野菜が売られる細い通りに入る。さらに進むと「花生糖」(ピーナッツ飴)や「糖画」(飴細工)の屋台が見えてれくる。「燉蛋皇」(B)はこの通りの左側。突き当りには「奶婆姜撞奶二号店」(C)があり、左に200メートルほど進むと「梁氏宗祠」(D)がある。右に進めば、「石基姑爺瀨粉皇」(E)と「奶婆姜撞奶一号店」(F)がある。ここからさらに路地を左に進むと「猫記艇仔粥」(G)がある。(地図クリックで拡大)
燉蛋皇 地元民に愛される甘味処
(MAP B)
茶碗蒸し風デザート)、姜撞奶(生姜ミルクプリン)、”双皮奶“(ミルクプリン)を扱う甘味処。週末限定で”燉牛初乳“もある。店を切り盛りする馮志韻(フォン・ジィユン)さんにお店のこだわりについて聞いてみた。
「お店で扱うメニューはどれも牛乳を使用するものなので、牧場と契約して新鮮な牛乳を直接仕入れています。『姜撞奶』で使う生姜は、市場に行って自分で選んでいます。新しすぎる生姜を使うとうまく固まりませんし、古すぎる味が辛くなっておいしくありません」。店に立ち寄るのは観光客も多いが、決して”一見さん商売“ではない。地元村民の常連さんが主な相手なので材料・味・質に一切妥協しない。本物の地元デザートをこちらで味わおう!
住所:広州市海珠区石基村浦南直街11-1号
時間:9:00~22:00
梁氏宗祠 展示法が多彩!黄埔古村人文歴史展覧館
(MAP D)
「黄埔古村人文歴史展覧館」は、遺物や図表や模型をはじめ、3D映像やホログラフィ、デジタルジオラマなど多彩な展示方で黄埔古港の歴史を描き出す。特に「黄埔村老人講古」、「中西匯点幻影成像」、「黄埔八景」などが見もの。建物は、嶺南の代表的な伝統家屋「耳屋」のデザインで、通路は石版、壁は「青磚」(黒レンガ)で造られている。黄埔古港の歴史に興味のある方はぜひ観覧してみよう!
奶婆姜撞奶 「姜撞奶」といえばこの店!
MAP(C.F)
広東一帯で人気のデザート「姜撞奶」(生姜ミルクプリン)。ミルクと生姜が反応して固まるおもしろさと、まろやかな味わいでファンも多い。黄埔古港に来たらぜひ訪れたいのは「奶婆姜撞奶」だ。こちらで使われるのは新鮮な牛の初乳で、普通の牛乳と比べてやや黄色。味もほんの少し濃く、少し置くだけで表面に薄い膜ができるほど。おばちゃんの手際の良い一連の作業はまさに熟練の技だ!
猫記艇仔粥 古港人気の軽食店
(MAP G)
「猫記」の「艇仔粥」は1椀6元だが、大きな器でお得感満載!油炸鬼(揚げパン)、ピーナッツ、浮皮(豚の皮)、卵、魚松、魚、イカなどがトッピングされる。なぜこの店が有名になったのか?実は具材よりも粥そのものが決め手。ここの粥は薪でゆっくり炊き上げ干カキを加えることで自然な甘味を添えている。この味、この価格なら話題にならないはずがない。とはいえ過度の期待は禁物、ここでは”古港情懐“-この雰囲気を味わおう!
石基姑爺瀨粉皇 伝統「西関」様式の店
(MAP E)
”姑爺“とは広東語で「婿」ことで、店名の”石基姑爺“は、「石基村の婿」という意味。実は黄埔古港の飲食店のうち地
元民が開いている店は少ないが、石基姑爺は本当の地元民が開く店。ここではぜひ店の雰囲気を味わおう。内装は”西関“様式で、伝統的な家具「八仙卓」や「西関趟門」といった調度品からレトロ感が漂う。名物は手作りの「家伝瀨粉」と「古法盤粉」。「瀨粉」とは米粉の茹で落とし麺のことだ。